北海道新聞12/18 05:00
政府が来年の通常国会に提出するアイヌ民族に関する新法案の概要が17日、分かった。アイヌ文化の伝承を目的とした国有林内の林産物(樹木など)の採取や、サケの捕獲に関する特例措置を明記する方向で調整している。特例措置は、アイヌ文化を生かした地域振興に取り組む自治体が対象の交付金創設と並ぶ、新法案の2本柱の一つ。閣僚級によるアイヌ政策推進本部を政府内に新設することも盛り込む。
新法案は「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律案」(仮称)。「目的」の項目では、アイヌ民族を先住民族と明記し、「民族として誇りを持って生活することができ、その誇りが尊重される社会の実現を目指す」とした。
各自治体がアイヌ文化を生かした地域振興や産業振興に取り組む事業をまとめ、地域計画を作成することも記載。地域計画の事業を国が認めると、新型交付金を受けられるほか、特例措置の対象となる仕組みだ。
特例措置は《1》アイヌ工芸品の製造や文化伝承活動を目的とした国有林の林産物の採取《2》アイヌ民族の伝統儀式や、伝統漁法の伝承のためのサケの捕獲《3》アイヌ文化関連の商品に関する商標登録の手数料の減免―の3種。いずれも北海道アイヌ協会などアイヌ民族団体が求めていたが、新法案ではサケの捕獲は「都道府県知事が配慮する」といった表現にとどまる見通しだ。
アイヌ政策推進本部は内閣官房長官を本部長に、文部科学相や国土交通相ら関係閣僚で構成する。現在の省庁横断の「アイヌ総合政策推進会議」は次官級で、閣僚級を中心とすることでアイヌ政策を強力に進める姿勢を示す。
新法案には胆振管内白老町に2020年に開設するアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」の管理に関する規定も設ける。
政府は来年の通常国会に新法案を提出し、3月中の成立を目指す。来年度予算に関連経費を計上し、来秋にも交付金制度や特例措置の運用を始めたい意向だ。(村田亮、古田夏也)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/258939
政府が来年の通常国会に提出するアイヌ民族に関する新法案の概要が17日、分かった。アイヌ文化の伝承を目的とした国有林内の林産物(樹木など)の採取や、サケの捕獲に関する特例措置を明記する方向で調整している。特例措置は、アイヌ文化を生かした地域振興に取り組む自治体が対象の交付金創設と並ぶ、新法案の2本柱の一つ。閣僚級によるアイヌ政策推進本部を政府内に新設することも盛り込む。
新法案は「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律案」(仮称)。「目的」の項目では、アイヌ民族を先住民族と明記し、「民族として誇りを持って生活することができ、その誇りが尊重される社会の実現を目指す」とした。
各自治体がアイヌ文化を生かした地域振興や産業振興に取り組む事業をまとめ、地域計画を作成することも記載。地域計画の事業を国が認めると、新型交付金を受けられるほか、特例措置の対象となる仕組みだ。
特例措置は《1》アイヌ工芸品の製造や文化伝承活動を目的とした国有林の林産物の採取《2》アイヌ民族の伝統儀式や、伝統漁法の伝承のためのサケの捕獲《3》アイヌ文化関連の商品に関する商標登録の手数料の減免―の3種。いずれも北海道アイヌ協会などアイヌ民族団体が求めていたが、新法案ではサケの捕獲は「都道府県知事が配慮する」といった表現にとどまる見通しだ。
アイヌ政策推進本部は内閣官房長官を本部長に、文部科学相や国土交通相ら関係閣僚で構成する。現在の省庁横断の「アイヌ総合政策推進会議」は次官級で、閣僚級を中心とすることでアイヌ政策を強力に進める姿勢を示す。
新法案には胆振管内白老町に2020年に開設するアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」の管理に関する規定も設ける。
政府は来年の通常国会に新法案を提出し、3月中の成立を目指す。来年度予算に関連経費を計上し、来秋にも交付金制度や特例措置の運用を始めたい意向だ。(村田亮、古田夏也)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/258939