先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

<来年度予算案>開発予算7年連続増 14%増 特別措置含め6358億円

2018-12-22 | アイヌ民族関連
北海道新聞 12/22 05:00
 政府が21日閣議決定した2019年度予算案で、北海道開発予算の総額は18年度当初比14・6%増の6358億円となった。重要インフラの機能強化などを図る「臨時・特別措置」として703億円が上乗せされ、11年ぶりに6千億円を超えた。国土交通省北海道局は、胆振東部地震など自然災害からの復旧や国土強靱(きょうじん)化を最優先課題と位置付ける一方、災害により打撃を受けた「食」と「観光」の振興に取り組む。
 一般公共事業費にあたる北海道開発事業費は同14・7%増の6249億円。全国の一般公共事業に占める「北海道シェア」は、臨時・特別措置を除き9・3%で、18年度当初の9・2%から0・1ポイント上昇した。
 治山治水が同29・1%増の1213億円。胆振東部地震による土砂崩れで一部が埋まった胆振管内厚真町の東和川などで砂防設備を整備する。7月の豪雨で氾濫し、浸水被害をもたらした旭川市のペーパン川は河道掘削を行う。20年度完成を目指す新桂沢ダム(三笠市)のかさ上げ工事には161億円を計上した。
 農林水産基盤整備は同16・5%増の1352億円を計上。農地の大区画化や水産物の輸出拡大に向け屋根付き岸壁を設置し、農林水産業の競争力強化を図る。
 道路予算は同9・5%増の2151億円。高速道路(高規格幹線道路)は深川留萌自動車道の留萌大和田―留萌(4・1キロ)など3区間が19年度に開通する。
 胆振管内白老町で20年4月開業予定のアイヌ文化の復興拠点「民族共生象徴空間」(ウポポイ)の整備など、アイヌ政策経費に同7%増の22億円を充てた。
 臨時・特別措置を除く開発予算の総額は5654億円の同1・9%増で、7年連続の増額を確保。同措置は3カ年の緊急対策として18年度補正予算、19、20年度当初予算を対象に重要インフラの機能維持や強化につながる事業を上乗せする。(木村啓太、権藤泉)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/261118

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

開発予算 振興戦略の「青写真」課題

2018-12-22 | アイヌ民族関連
北海道新聞 12/22 05:00
 <解説>2019年度北海道開発予算案が18年度当初比14・6%増と大幅に伸びたのは、地震や豪雨などの災害が全国で相次いだことを受け、政府が防災や減災につながるインフラの機能強化を図る緊急的な予算として「臨時・特別措置」を上乗せしたからだ。同措置を除いた開発予算に限れば、伸び率は同1・9%にとどまる。北海道振興のための戦略をどう描くかが課題として残った。
 開発予算は13年度から微増し、伸び率は0・05~7・7%で推移。ところが19年度は臨時・特別措置の703億円が加わった。胆振東部地震や豪雨などの災害が相次いだ北海道には、18年度2次補正の開発予算も手厚く配分された。19年度当初と合わせた総額は7500億円を超え、関係者から「異次元の予算編成」との声が上がった。
 開発予算が近年伸び続けてきたのは、官邸主導で進められるアイヌ文化の復興拠点「民族共生象徴空間」の整備と、訪日客の利用増が著しい新千歳空港の機能拡充という二つの大型事業に支えられた側面が強い。
 ただ、これらの事業の大半は19、20年度でヤマを越える。臨時・特別措置は20年度までで、国土交通省北海道局の幹部は「次のプロジェクトを早く立てていかないといけない」と危機感をにじませる。
 防災や減災対策に取り組み、道民の安全・安心を確保するととともに、北海道振興のための知恵が一層問われている。(木村啓太)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/261117

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

<来年度予算案>アイヌ政策 「ウポポイ」関連費増額

2018-12-22 | アイヌ民族関連
北海道新聞 12/22 05:00
 アイヌ政策関連の総額は前年度当初比65.5%増の67億1900万円となった。2020年4月に胆振管内白老町に開業するアイヌ文化の復興拠点「民族共生象徴空間」(ウポポイ)関連として同52.1%増の49億4700万円を計上。アイヌ民族の文化伝承のための地域・産業振興に取り組む全国の自治体を対象に、10億円のアイヌ政策推進交付金(仮称)を創設する。
 象徴空間関連は、国立アイヌ民族博物館の建設や国立民族共生公園の整備、開業準備経費に48億8500万円を計上。アイヌ民族の遺骨などを慰霊、管理する施設の整備費として5200万円などを盛り込んだ。
 交付金は、アイヌ民族の要望に沿った事業を自治体が立案し計画が認定されれば、事業費の8割補助に充てられる。観光イベントや商品開発、住民との交流の場の整備などを想定し、来年1月召集の国会に提出する法案の成立後に実施する。
 アイヌ語の保存・継承に向けた事業などアイヌ文化の振興・普及啓発関連は、前年度比3.7%減の3億3500万円。農林漁業の振興や修学支援、雇用の安定対策など生活向上関連は1.6%減の4億1600万円とした。(古田夏也)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/261072

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世耕経産相、「大阪万博担当相」を兼務(動画)

2018-12-22 | アイヌ民族関連
日テレニュース12/21(金) 18:29配信
2025年の大阪万博などに向けて、3人の閣僚が新たな担当を兼務することになった。
安倍首相は21日朝の閣議で、世耕経済産業相を新たに「大阪万博担当相」に任命した。その後の関係閣僚会議では、成功に向けた関係省庁の連携が確認された。
また、アイヌ政策を推進する担当に石井国土交通相が、東京オリンピックに向けたドローンによるテロなどへの安全対策の担当に山本国家公安委員長が任命された。
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20181221-00000087-nnn-pol

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

<北海道>新大臣ポスト アイヌ担当大臣 石井国交大臣が(動画)

2018-12-22 | アイヌ民族関連
HTB北海道テレビ12/21(金) 18:14配信

 安倍総理大臣はけさの閣議で新たな大臣ポストとしてアイヌ担当大臣を設け石井啓一国土交通大臣を指名しました。
 「アイヌ新法」の法案を来年1月の通常国会に提出するための準備やアイヌの人々の誇りが尊重される社会の実現に向けた制度作りを進めてゆくとしています。
 石井大臣は「先住民族をめぐる国際情勢に鑑みると制度作りは喫緊の課題だ」と述べました。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181221-00000014-htbv-hok

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

来年度の北海道開発予算6359億円 11年ぶり6000億円超 地震からの復興めざす(動画)

2018-12-22 | アイヌ民族関連
HTB 12/21(金) 12:39配信
来年度の北海道開発予算は、地震からの復興をめざし、今年度の当初予算を809億円上回る6359億円となりました。
11年ぶりの6000億円超えとなります。
21日、閣議決定された来年度の北海道開発予算は、臨時・特別措置を含み6359億円です。
そのうち公共事業にあてる北海道開発事業費は6250億円で、今年度より15パーセント増えました。
胆振東部地震からの復興を最優先課題として、農地や森林の整備や新千歳空港の機能強化などにも取り組みます。
また、胆振の白老町で整備が進むアイヌ文化の発信拠点「ウポポイ」の整備費などに22億円を計上しました。
アイヌ関連は今年度の2次補正予算でも19億円が計上されています。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181221-00000004-hbcv-hok

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

石井国交相をアイヌ担当に

2018-12-22 | アイヌ民族関連
日本経済新聞 2018/12/21 13:00
菅義偉官房長官は21日の閣議後の記者会見で、アイヌ民族支援の担当に石井啓一国土交通相を指定したと発表した。小型無人機ドローンの緊急安全対策担当は山本順三国家公安委員長が担う。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39236240R21C18A2000000/

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

万博担当に世耕経産相、アイヌは石井国交相 閣議で指定

2018-12-22 | アイヌ民族関連
朝日新聞 2018年12月21日12時34分
 安倍晋三首相は21日の閣議で、2025年大阪万博の担当大臣に世耕弘成経済産業相を指定した。また、アイヌ政策を総合的に推進するための制度整備を進める担当大臣に石井啓一国土交通相、ドローンを使ったテロなどの対策強化を担う小型無人機の緊急安全対策の担当大臣に山本順三国家公安委員長をそれぞれ指定した。
 菅義偉官房長官が閣議後の記者会見で明らかにした。菅氏は、世耕氏を大阪万博の担当大臣に選んだ理由について「誘致活動を中心となって行ってきた」と説明した。
https://www.asahi.com/articles/ASLDP3TVHLDPUTFK00H.html

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アイヌ民博閉館で12万人減 2018年度上期観光客入り込み-白老

2018-12-22 | アイヌ民族関連
苫小牧民報 2018/12/21配信
 白老町は2018年度上期(4~9月)の観光入り込み客数を発表した。前年度同期比12万715人減の92万2195人で100万人を割った。今年3月末でアイヌ民族博物館が閉館したことや、9月の胆振東部地震による宿泊者数の減少が大きく影響し、観光客の減少につながった。
 入り込み客数92万2195人のうち、宿泊者数は前年度同期比3507人減の4万5167人、日帰り客数が11万7208人減の11万7208人。地区別では、白老地区が14万3206人減の40万9815人、虎杖浜温泉地区が2万2491人減の51万2380人。
 10万人を超える落ち込みの要因は17年度上期は約12万人の入り込みのあったアイヌ民族博物館の閉館で、分野別にみると白老地区の文化・歴史が12万2495人減の3239人となるなど客数の落ち込みに大きく影響した。ただ、9月の胆振東部地震の影響で虎杖浜温泉での宿泊者数が3769人減の4万2130人となったものの、虎杖浜エリアに新たな観光施設がオープンしたことで、同地区の日帰り入浴客数が1万5399人増の8万7271人になるなど、虎杖浜温泉地区の入り込み客数増につながった。
 訪日外国人宿泊客数は、1839人増の6459人。地震の影響で9月は減少していたものの、4~8月までは全体的に増加したことで上期での宿泊客数は増加となった。主な国籍は韓国が1714人で最も多く、次いで中国1056人、香港869人、台湾757人、シンガポール435人、マレーシア395人、タイ311人の順となっている。
https://www.tomamin.co.jp/news/area2/15339/

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

NGO、土砂投入に抗議 新基地建設 “未来選択権を侵害”

2018-12-22 | ウチナー・沖縄
赤旗 2018年12月21日(金)

(写真)土砂の投入は、どの観点からも問題だと議論した記者会見=20日、東京都千代田区
 国際環境や平和問題に取り組むNGOが20日、沖縄県民の民意を無視して14日に辺野古新基地建設予定地に土砂投入したことに抗議し反対する共同記者会見を東京都内で開きました。
 「FoE Japan」の満田夏花事務局長は「私たちが言う環境とは、人々の暮らしや人権、未来を選択していく権利が保障されていなければ守られないものだと考えています。沖縄では、こうした根本的な権利が侵害されている」と述べ、「人権、平和、環境、民主主義を守るために、辺野古新基地建設の即時停止を求めます」と訴えました。
 国際人権NGO「ヒューマンライツ・ナウ」の伊藤和子事務局長は、「国連先住民族権利宣言」30条では、先住民族の土地を軍事利用するためには、先住民との合意が必要としていると指摘。「こうした原則が踏みにじられており、明らかな自己決定権侵害です。平和に生きていきたい人々の思いが踏みにじられないように、声をあげていきたい」と語りました。
 NGO「非戦ネット」の呼びかけ人の小松豊明さんは「全国の新聞各社の社説を見ると、ほとんどが反対の論調です。これだけの反対意見を政府が無視していることをしっかり意識しなければならない」と語りました。
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-12-21/2018122114_01_1.html

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

台北101の花火ショー、「台湾らしさ」を前面に 6分間打ち上げ

2018-12-22 | 先住民族関連
中央フォーカス台湾 2018/12/21 13:17

花火ショーのイメージ=台北101提供
(台北 21日 中央社)台北の超高層ビル「台北101」で行われる元日恒例の花火ショーは、2019年は360秒にわたり花火1万6000発を打ち上げ、映像と音楽を融合して台湾ならではの文化を世界に伝える。映像では「外国人から見た台湾」を要素に加え、人気グルメの台湾風フライドチキン(鶏排)やタピオカミルクティー、ショーロンポー(小籠包)、観光名物の天灯などを登場させる。
打ち上げ数は前回と同じだが、上演時間は60秒延長する。台北101によれば、今年のショーは台湾がこれまで世界で注目を集めた「自然・地理」「経済・産業」「社会・文化」の3つの領域を軸として9つのテーマを設定。「ナイトマーケット・グルメ」「各業種業界」「テクノロジー・OEM」「フルーツ王国」「自由・民主主義」などが含まれる。内容は交通部(交通省)観光局と共同で企画した。映像は外壁に設置された巨大網形状装飾「TPAD」に映し出される。
音楽のメインメロディーは映画音楽作曲家として知られるリン・チャン(林強)さんが担当。台湾原住民(先住民)パイワン族の小中高校生が参加するPuzangalan希望児童合唱団や同じくパイワン族の女性歌手ABAO(阿爆)さんが歌唱する。
(潘姿羽/編集:名切千絵)
http://japan.cna.com.tw/news/atra/201812210002.aspx

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

元旦の国旗掲揚式 台湾に帰化した外国人らが国歌斉唱をリード

2018-12-22 | 先住民族関連
中央フォーカス台湾  2018/12/21 11:30 文字サイズ:
(台北 21日 中央社)総統府は20日、記者会見を開いて2019年元旦に実施する国旗掲揚式の詳細を発表した。コンセプトは勇気と自信を持って世界とともに歩むという意味の「勇敢自信 世界同行」で、メインビジュアルはタンポポ。国歌斉唱では、男子バスケットボール台湾代表の一員として13年のアジア選手権に出場した米国出身のクインシー・デイビス(中国語名:戴維斯)さんら、中華民国(台湾)に帰化した「新台湾人」がリードを務める。
総統府公共事務室の張文蘭主任によると、メインビジュアルは、風に乗って飛び、落ちた場所で成長するタンポポの綿毛に台湾人のイメージを重ねた。厳しい環境にさらされても臆せず、生まれ故郷で輝くだけでなく、世界にも向かっていく姿を伝える。
国歌斉唱をリードする新台湾人には、デイビスさんのほか、東部・台東県で30年以上へき地医療に貢献したオーストラリア出身の医師、ピーター・ケンリック(中国語名:柯彼得)さん、トルコ出身のタレント、呉鳳さんらが選ばれた。
舞台パフォーマンスには、過去1年間に開催された国際大会で優秀な成績を収めた若手団体が参加。7月に台北市で行われたマーチングショーバンド世界大会「WAMSB」で優勝した建国高校や、同月に東京で開かれた「東京アジア打楽器フェスティバル第1回日本国際打楽器コンクール」で金賞を獲得した先住民パイワン族の「羽・撃舞芸術」団などの出演が予定されている。
当日は午前4時半に入場開始。同6時半に国歌斉唱と国旗掲揚が行われ、同9時から総統府が一般公開される。
(游凱翔/編集:塚越西穂)
http://japan.cna.com.tw/news/asoc/201812210001.aspx

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

<1年を振り返って>松浦武四郎生誕200年 探検家の全体像に光

2018-12-22 | アイヌ民族関連
伊勢新聞 2018-12-21

【2月24日、アイヌの「ムックリ」の演奏で開幕した松浦武四郎生誕200年記念事業=松阪市川井町の農業屋コミュニティ文化センターで】
今年は北海道の名付け親として知られる三重県松阪市小野江町出身の探検家、松浦武四郎(1818―1888年)の生誕200年に当たり、記念事業が続いた。いち早くアイヌ民族との共存を提起した業績に光が当たるとともに、いずれも生涯にわたって情熱を傾けた、考古学の先駆けとなる古物収集や全国の山岳踏破も注目され、武四郎の全体像が分かった。
生誕200年記念事業のオープニングイベントが2月24日、同市川井町の農業屋コミュニティ文化センターであり、北海道の静内(しずない)民族文化保存会のアイヌ古式舞踊とムックリ(口琴)の演奏で幕が開けた。
来賓あいさつで北海道アイヌ協会の加藤忠理事長は10年前に国会で可決された「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」に触れ、「武四郎は幕府への復命書で明日の開拓は結構だが、今日のアイヌの命を救ってください、滅びてしまうと訴えている。そのことを国会議員に伝え、決議の可決に大きく役立った。発禁になった武四郎の『近世蝦夷(えぞ)人物誌』が残され、アイヌが先住民族である論拠となる貴重な記録になっている。本当に胸を打つ」と語り、「アイヌ民族として心からありがたく感謝申し上げたい。武四郎の願いがようやく実り始めたと感じている。一人のひたむきな誠実さと良心で向き合う心が、人の心を動かし、普遍性につながる」とたたえた。
10月13日に同所のクラギ文化ホールで開いた記念事業のメーンイベント「松浦武四郎フォーラム」でも、講演した作家の高橋源一郎明治学院大学教授は、幕府の箱館奉行が出版を許可せず武四郎の生前は未公刊だった「近世蝦夷人物誌」を取り上げた。
同書ではアイヌの指導者や庶民に焦点を当てながらアイヌの風俗や価値観を紹介するとともに、松前藩の役人や商人がアイヌの尊厳を軽んじて虐待している実情を暴露した。
高橋氏は「武四郎はアイヌの方がモラルが真っ当じゃないかと気付いた時、だんだん日本中心主義の世界観が変わってくる」「アイヌが残酷な扱いを受け、解決できない矛盾を感じたと思う。明治政府の役人になったが、同化政策に手を染めざるを得ない。だから辞めたんだと思う」と指摘。武四郎を「早過ぎた人」として、「今は他者に非寛容な時代。異文化を包摂できず排除しようとする動きは世界中で起こっている。武四郎の意義はとても大きい」と評価した。
ただ、武四郎の蝦夷地探査は28歳から41歳までで、人生の一部。明治政府の開拓判官を53歳で辞職し、71歳で亡くなるまで従来通り旅と登山、古物集めにいそしんだ。
記念事業で同市は武四郎が65歳の肖像写真で掛けている大首飾りの複製を298万円かけて製作した。縄文、弥生、古墳時代の翡翠(ひすい)や水晶で作った勾玉(まがたま)や管玉243点を絹糸でつなぎ、長さ約1・5メートル、重さ約3キロある。神道の祭事や修験道で使うという。古物収集家を象徴する遺品と言える。
また、「大杉地域おこしの会」は今年、多気郡大台町大杉の大杉谷登山センター横に武四郎の大台ヶ原探検を顕彰する看板を設置し、登山家としての姿を紹介している。武四郎は当時未開地だった大台ヶ原へ68歳から70歳まで毎年踏み入り、登山記を書いている。最後の登山は70歳の富士山だった。
三重県総合博物館や北海道博物館が主催し、両道県で今年開催された巡回展「幕末維新を生きた旅の巨人 松浦武四郎―見る、集める、伝える―」の図録で、北海道博物館の鈴木琢也氏は「晩年の武四郎は、若き日の旅で学んだ北海道の歴史や文化、蒐(しゅう)集・記録した北海道関係の考古遺物を比較対象にして、古来の日本の歴史や文化というものをあらためて探求しようとしたのではないだろうか」と推測している。
武四郎のアイヌへの親しみや古物収集、山岳信仰と関わる登山への熱中は、いにしえの日本を考証する国学を背景にした時、つながっているのかもしれない。
http://www.isenp.co.jp/2018/12/21/26534/

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする