ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

              【お知らせ】

【定休日は毎週水曜日です。】【9月も毎週日曜日は休業します。】

2012-12-13 11:36:43 | 日記・エッセイ・コラム

昨日、清水寺で発表された「今年の漢字」は「金」でした。

今日は「金」です。鉱物趣味にとっては興味深い存在です。それは人類にとっても大変貴重な存在です。

Dscf2764
北海道 総富地川 産 砂金

上の写真は砂金の標本です。小さいながらもクマの足の裏の肉球状に配置してあります。(クマと言えば、石川県内では出没注意情報発令にもかかわらず、目撃件数が少なかったそうです。)北海道は砂金のメッカです。今でも砂金堀体験ができるそうで、砂金マニアの方もいらっしゃるようです。

つい先日、砂金採取は米カリフォルニア州でもブームになっているとの報道がありました。その背景には金価格の高騰があるようです。ゴールドラッシュは19世紀の歴史的な事だと思っていましたが、今年再びブームが起きている事を面白く思います。ゴールドラッシュは1849年で「フォーティナイン」(掘っても無い)と覚えた記憶があります。

ゴールドラッシュなんて異国での歴史的な事のように思っていましたが、実は、金沢でもかつてはゴールドラッシュが起きていたのです。昭和14年に犀川のゴールドラッシュがまきおこった事実はあまり知られていません。その背景には戦争が影響していたようですが、「金」には人間の欲望と戦争との相関関係が強いという特徴もあります。「金」には「キン」以外に「カネ」ともよめる事がその事をうまく物語っていると思います。

金沢には「金」の文字があり、そもそも金沢にはその地名の発祥から「金」が関わっていますし、現在でも金箔の生産量は全国一となっています。

そういえば、かつての倉谷鉱山は現在の金沢市にありました。倉谷鉱山は金山でもありました。倉谷鉱山は犀川の最上流域にあり、犀川では今でも砂金が採集可能という話はよく聞きます。

倉谷鉱山といえば、「鉱物趣味の博物館」のS館長の鉱物日記に池袋ショーで倉谷鉱山産菱マンガン鉱を購入された事が書いてありました。非常にうらやましく思います。倉谷鉱山産菱マンガン鉱は「日本の鉱物」(成美堂出版)にも載っているバラの花のような花咲く結晶です。私はその現物を見た事がありません。石川県鉱物同好会のNさんは倉谷鉱山に行った事があり、桜貝のような小さな欠片が落ちていたのを見たと言っていましたが、そのような菱マンガン鉱が今でも売られていた事が驚きです。

そういえば、小松市博物館は尾小屋鉱山産の「金」を所蔵しているそうですが、私はそれを見た記憶がありません。良く考えてみると、石川県には倉谷鉱山だけではなく他にも多くの金山があったはずです。そうであるにも拘わらず石川県産の鉱物標本としての「金」をしっかり見た記憶がありません。

石川県産の「金」、是非見てみたいものです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする