かぶれの世界(新)

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ゴキブリ天国

2012-09-12 22:55:38 | 日記・エッセイ・コラム

トンボや蝶からカエルまで昔なら何処でも普通に見かけた田舎の生き物が見られなくなった。10年前に田舎暮らしを始めて暫くしてカエルの鳴き声が聞えないのに気付いた。昔なら田植えの時期、特に夕方になるとカエルの鳴き声が谷間中に響いた。今も虫の声で十分騒々しいが、カエルは一匹も見当たらない。

他にも種々の昆虫が見られなくなり、年々その傾向が酷くなっている気がする。東屋で夜食事をする場合夏虫が飛び込んでこないよう先日LED電球に取り替えた。LED電球の波長に虫が反応しないからと聞いたからだ。昔ならハエや蚊から蛾や金虫まで灯りに寄ってきて大変だった。だが、その必要はなかったようだ。そもそも虫がいない。従来の白熱球でも殆ど虫が来ない。

ところが、ゴキブリだけは例外のようだ。何しろ太古の時代から生き延びてきた最強の生物だ。絶滅の心配は不要のようだ。以前「孤独の境地」と題して、実家の中でゴキブリなどの生き物を見つけても放置すると投稿した。お友達扱いしているわけではないが、お互い孤独な生き物同士みたいな感覚だった。

7月末に実家のドアを開けた時最初に見つけたのは赤っぽい小ぶりのゴキブリのチョロチョロ動く姿だった。今は多分私の出すゴミで栄養が行き届き、真っ黒で大きくなった。昨日書斎でパソコンを使っていると目の端にゴキブリが見えた。私の足元を悠然と通り過ぎ、隣接するシャワールームのサッシのアルミフレームを上り下りし始めた。特有の素早さを見せない。その必要がないからだ。私の目の届かない陰に逃げ込む気などサラサラないようだ。

危害を加えられないと安心しきっている。完全に舐めている。そのゴキブリ氏はふと動きを止めた。何故か悪い予感がした。「止めろ」と私は心の中で叫んだ。その瞬間、ゴキブリ氏は羽を広げ飛んでサッシの横の木枠に止まった。さすがにゴキブリ飛行は気持ち悪い。幸い私のほうに向かってはこなかった。もしそうなったら私は脅威と感じたかもしれない。

彼も心得ていたのか一線を越えなかった。そういえば、先月の来客中は一度も顔を見せなかった。もしそうなったら私も従来の友好的な関係を考え直さなければならなくなる。韓国大統領の例もある。私にだって母が買い揃えていたゴキブリホイホイやもっと強力な武器がある。ゴキブリ氏も馬鹿じゃなかった。それで正解、私は静かに目を画面に戻しメールチェックに戻った。■

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