今 |
年は団塊の世代が退職を始める最初の年となる。彼等の巨額退職金を期待したビジネスや彼等の知恵や技術の伝承から将来の年金・医療費まで、団塊世代は生まれたときから死ぬまで相変わらず注目される。
何しろ日本で最も人口が多くそれだけで発信力がある上に、お金を沢山持ってて政治力がある世代なのだ。退職後も注目の的になる団塊世代のオーバープレゼンスを心配する声(日本経済新聞)があるのも当然だろう。
真面目な話、年金や医療費などでこの世代のオーバープレゼンスによる若い世代への問題先送りは何としても避けなければいけない。この世代の発信力がポピュリズムに流れると人口が多いだけに投票に反映し、その政治への影響力は極めて大きい。
プラスの方向に向かう為には彼等自身が余程努力せねばならないだろう。団塊世代は生まれた時から死ぬまである意味競争する運命にある。その中でも最も残酷で(勝つ見込みのない)最後のサバイバルゲームは衰える肉体との戦いであろう。
高齢者の医療費は75歳以上になると急上昇し、平均医療費の6、7倍になるというから今後更に高齢化が続くと医療費はパンクするのは火を見るまでもない。昨年4月に診療報酬を改定したのは至極当然の成り行きだった。
メディアがいつもの通り制度変更に困惑する一部の老齢者にのみ焦点をあて全体像を伝えなかった。こういう姿勢が問題を共有せず先送りする雰囲気を醸成する。医療費を如何に抑制するかは高齢化が進む先進国共通の課題である。マクロの視点も忘れないで欲しい。
老 |
齢化社会で医療費抑制の基本は予防医療が常識だ。しかし、それが具体的にどうあるべきかについてはそれほど明確になっていなかった。昨年12月にNYタイムスに掲載された記事(PERSONAL HEALTH 2006/12/19)は示唆に富む内容でありここに要点を紹介する。
題名「“ベビーブーマー症”にならない為には一二に運動、三四がなくて五に運動」が文字通り結論を示している。従来「毎日30分歩行で耐久力・心肺の健康・体重を適切に保つ為に十分」とした程度の運動ではなく、もっと激しい運動をして筋力をつけろと米国公衆衛生局(CDC)の発表と専門家の声を報じている。
それによると米国65歳以上の最大の致死傷害原因は「転倒」になったそうだ。老化とともに徐々に低下する筋力・骨の強度・俊敏性が転倒の危険性を高め、これを一般化して「ベビーブーマー症」というそうだ。名前はさておき老人が転んで骨折し動けなくなり急激に衰弱したという話は身の回りでもよく聞く。
転倒は姿勢・筋力・平衡力・柔軟性・耐久力の5要素をしっかり鍛えることにより防げるという。これら5要素は若い時から既に劣化が始まっているらしい。早いにこしたことはない、若い時から意識して身体を鍛え適切な栄養を取れと続いている。
転倒しにくい身体つくりとして毎日15-20分のストレッチ、週3回のウォーキング・ジョギングと水泳・サイクリングを交互に行い、腿と体幹の筋力の強化に努め、サプルメント服用しビタミンD摂取を増やせという。毎日30分歩行とは大違いだ。
調査でもそれまで活発に運動していた中老年世代の人達は怪我を機会に全く運動しなくなりその後健康が悪化するケースが多いと言う。怪我をしてもその部分を避けてやれるところだけでも運動を続けることが重要とも報告している。
無理をしないで年相応に適度な運動をせよという通説には耳を貸さず、いつも目一杯の心肺能力と筋力のトレーニングを目指していた私にはまさに我が意を得たりの記事だった。しかも理屈にあっている気がする。私は老人ではないが最先端の老人予備軍だ。今後老齢化社会のトレンドを作る団塊世代の皆さん、「目指せ、筋肉老人」。■
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます