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主演男優賞を宮崎県知事に

2006-12-09 18:22:58 | 国際・政治

福島県、和歌山県についでとうとう宮崎県知事まで逮捕された。まさに日本談合列島状態である。あきれて物が言えない。ここまで来ると首長に対して当然払われるべき敬意をもって語ることは苦痛だ。感情的にならずロジカルに迫るのが当ブログの目標だが、今回に限り原則を破りイヤミから始める。

談合の発覚から頂点に捜査が行き着くまでの知事の受け答えの演技を評価する。主演男優賞候補にノミネートされたのはもちろん3県の知事。そしてウィナー・ゴーズ・ツー宮崎県知事。おめでとうございます。

福島県知事は最初から悪人面で疑わしかった。仕切り屋が身内だったので捜査の手が彼まで到達するのは時間の問題と思った。和歌山県知事の場合、最初は「エッ彼がまさか」という気持ちだった。彼の改革姿勢は本物だと思っていた。毎日報道される度に顔つきが悪人面に変わっていたのが悲惨だったが、逮捕が近づいているのが予測できた。

しかし、宮崎県知事の名演技には全く騙された。最初から最後までいい意味での田舎の馬鹿オヤジ的素朴さの表情で名演技を続けた。直属の部下の不利な証言で逮捕が決定的に変わっていく中、彼の姿勢は変わらなかった。多分調査すればまだ知事を信じている県民が最も多いのは宮崎県ではなかろうか。トップは動揺を隠し何事も言い切ることが重要であることを証明した。

報道によれば談合を生む最大の原因は選挙であり、談合実行の仕掛けは知事の絶対的な権力下での指名入札とオール与党化した議会の監視放棄だという。この3県だけが例外ではないと。確かに未だに全国の多くの自治体は公共事業が予定価格の95%以上で落札されている。

長野県の田中元知事が一般入札を全面的に導入し談合を全廃したのが今改めて評価されている。彼も名優だったが、アクの強さが逆に観客に嫌われたのは不幸だった。その後長野は指名入札が復活したのだろうか、公共事業の落札予定価格比はどうなったのだろうか。誰か監視しているのだろうか。

知事の権力が強大なものにしたのは2000年の地方分権一括法の導入以来で、それ以前から談合の構造があった訳ではないという説があるが、私にはそうは思えない。突き詰めていくと逮捕された3県の知事も含め談合を生む土壌に住民の「たかりの精神」があると思わずにはいられない。

首長の監視役となる県・市議は地元の利益、即ち予算(税金)をどれだけ持ってくるかで評価される。そこで首長と議会との関係が決定的になるのである。法改正し官を含め罰則強化したとしても、住民の意識が変わらない限り根本的な解決には向かわないだろう。政治は民度の表れなのだ。

絶望的な気がするが、住民の意識改革は実は裁判員制度(陪審員制度)ではないかと最近思うようになった。それは又別の機会に。■

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