かぶれの世界(新)

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東アジア選手権を終えて

2008-02-25 11:06:21 | スポーツ

東アジア選手権を終えて岡田ジャパンの最初の評価をしてみたい。結論的に言うなら初戦のペルー戦が全てを語っている。ペルーは若手主体の1軍半のチームで戦略らしい戦略を持たなかったが、詰めが早くて球際に強く日本チームに余裕を与えず観客にはつまらない試合だったと思う。

次の試合は相手が緩く日本チームは余裕を持って球回し、チャンスを多くつくり楽勝した。監督も評論家も少しは「日本の形」が作れたと評価したが、私はペルー戦と合わせ2試合ともにジャパンの真の姿が出た、次の東アジア選手権で更にはっきりするだろうと予想した。

結果は負傷者続出で海外組もいない中ではまずまずで、優勝は出来なかったものの岡田監督の発言を聞くと「どんな状況でも何とかやれる」という自信が監督に出てきたように感じる。もしそれが本当なら、それは勘違いではないかと私は思う。

岡田ジャパンになってトータルで守備力が向上した。負けないサッカーは成功する確率が高いのは証明されている。しかし、中田や中村などが世界舞台で活躍してもディフェンス・プレイヤーが活躍するまでには到達してない。世界一流の守備陣にするには時間がかかるだろう。

一方、オシム時代の頭を使った素早い球回しは相手が格上であっても脅威と映っていたはずだ。一瞬の判断力の速さが相手チームのそれを超えると慌てさせ得点のチャンスを生む。今の岡田ジャパンにはそれがなくなった。得たもの、失ったものを総合すると、アジアでしか通用しないチームに戻ったような感じを受ける。

気になるのが全試合を通じて詰めが甘い。90分間体力を使って走りまくれという意味ではなく、判断の速度を上げて相手の球に詰める早さが足りないということだ。ペルー戦で見えた球際の弱さはその後全試合を通じて表れ、世界で戦う上で致命的な弱点のように私には見えた。

その典型的な例は、個人名を出して申し訳ないがゲームメークをした遠藤だ。余裕を持ったときの彼の球捌きと意表をついたパスは掛け値なしにすばらしいが、相手の詰が早いと彼のプレイはいかにも緩く、不正確なパスどころか球を奪われ一気にピンチにならないかとはらはらさせられる。

現在の岡田ジャパンでは、遠藤のプレイが通用するかどうかをリトマス試験にして相手チームの力、特に詰の速さを測りその試合の展開を私は予想する。彼が前半の半ばあたりから機能し始めれば勝つチャンスは高まる。後半が始まっても彼がまだ機能していないようだと勝つのは難しい。

相次ぐ選手の負傷があっても、岡田監督は新しい選手を起用し能力を見出しながらそこそこの成績を残したのは十分評価される。中澤や鈴木、中村は期待された通りの力を発揮したし、山瀬や駒野の切れのいい動きも素晴しかった。安田の前に出て行く姿勢も発見だった。

だが、全体として日本サッカーを真のワールドクラスに持っていくための何か、岡田ジャパンにはオシムがもたらした様な世界で通用する、言い換えると相手が怖がるビジョンが何か足りない、物足りなさを感じるのは私だけだろうか。■

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