家族会は言い訳の機会

昨日恵比寿駅前の中華料理店で二番目の孫の誕生パーティを行った。彼は小４の１０才になり、先日都の水泳記録会に参加した。早いもので３人の孫は１３、１０、８才になった。中一の孫は背が伸びて皆の前でせかされ、私と並ぶと同じ身長になっていた。

中華料理店は駅から外に出ることなく繋がっているビル「アトレ」の最上階にあり、見晴らしが良い明るい造りで圧倒的に若いお客が多かった。お店のウェイトレスも可愛い娘さんのような若い女の子ばかりで、それだけで私は満足だった。

長男は孫の好みの小籠包が美味しい店を選んだという。私は薄味が気に入ったが、家内や息子はパンチがなく物足りなかったという。孫に美味しくない時に聞かれたらまあまあと答えろと言うと、即答でまあまあと言った。問題は頻尿の私にとってトイレに立つ回数が更に増えたことだ。

私が顔デカなのに対し特に上の孫は顔が小さく、彼は背が高くカッコ好いらしい。父親の長男も顔が小さく母親似だと言い、私の血を引いた孫は一人もいなくて良かったという。３人の孫達は手足が長いので背が高くなりそうだと私も含め家族の身びいき発言が続いた。

先日喜寿のお祝いをして貰った時に思いついたように、私は死ぬまでに子供達に言いにくいけど言い残しておきたいことを伝えていくことにしている。今回は娘の夫君が我が家に訪問して結婚したいと申し入れした時に、私が開口一番「何しに来たんだ」と言い放った。

続けて「娘は色々な男と付き合っているので、男を見る目があるから君は心配してない」みたいなことを言ったと彼に謝った。受けを狙った発言だった、と。暫くして夫君がトイレに立った時に、私が「彼は言い人だね」と言い娘は嬉しかったと補足してくれ、私もホッとした。死ぬまでに打ち明けようと思っていた言い訳を一つ終わらせることが出来た気分だ。

プレゼントを交換し一段落ついたところで今度は長男の嫁さんが、「じゃ、私の時はどうだったの？」と聞かれて答えられなかった。記憶にないのだ。六本木の街角で知り合ったというお洒落な彼女と一緒になるのは、息子の強い決意みたいなものを感じて正直私は何も言えなかったのだと思う。私は政治家みたいに「覚えてない」と答えた。

食事が終わりお茶を飲もうと息子の提案で駅の外に出たが寒風で席はガラガラ、数少ないお客も震えながら座っていた。写真を撮って解散しようと提案され撮影後、駅の構内に戻り改札口で皆と別れた。自宅に戻ると下の息子は熱で布団にもぐっていた。次は何を言い訳するか、沢山ある。■