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寂しい日経平均最高値

2024-02-23 18:21:11 | 社会・経済
東京株式市場は連日の高騰で、日経平均株価が史上最高値の3万9098円になったと大々的に報じられた。日本経済新聞の朝刊によると、底流に日本企業が守りから攻めの経営に転じたのを海外投資家が評価する動きがあるという。だが、株高の恩恵は家計に行き渡らない課題が残るという。

報じられているようにバブル崩壊後の日本企業の経営は、私の経験では恐る恐る経営判断していた(守りの経営と報じている)のを実感したことがある。90年代前半に電子部品購入の交渉をした時、日本大手は国内市場規模で計画し、韓国大手は世界市場規模で考えて交渉に出てきた。我々担当レベルでもこれでは日本メーカーはやられてしまうと思い、その通りになった。

記事を見て私にはとても複雑な気持ちになった。2003年に退職後に日本株や信託投資等を購入したが、数年後にリーマンショックをきっかけに投資額の半分を失った。その後、投資分野を見直し徐々に日本株から米国株へ、特に専門のIT分野の投資に切替えた。更にリスク分散を狙い資源国関連の信託投資に転換した。最終的には日本株は全て売却した。

この投資見直しは停滞する日本株式を横目に安定したパフォーマンスを発揮した。更に昨年になってAIに係るIT関連株式とドル高が急速に進み、かつての損失を一気に取り戻し私の金融資産の最高値を記録した。今月の日経平均最高値のより1年早く私の最高値を取り戻した。

ところが、皮肉なことに昨日記録した日経平均史上最高値の半日前に、保有する米国のサイバーセキュリティ分野の会社の株が30%近く暴落した。原因はこの1社の経営に係る変化だが、私の金融資産はこの会社だけで大きな損失を被ってしまった。購入した時はバランスを取った積りだったが、この会社が特別に急成長して比率が高まり損失が大きくなったという訳だ。

一方でAI半導体株は全世界の株式市場を揺さぶっている。エヌビディアはマイクロソフトやサムソンの売り上げを抜き世界最大の半導体企業になったと報じられた。私は一時期エヌビディアの株式を保有していたのに、儲けを出す前に売ってしまい悔しい思いをすることになった。90年代にトロントにある本社を訪れ部品購入の交渉に当たった時はAI半導体の大手になるとは思わなかった。

ということで、日経平均最高値を記録した同じ日に私の金融資産はリーマンショック時に被った損失に次ぐ損失を記録してしまった。だが、今回は巨額だけど一社だけの損失だ。今朝はIT関連の米株式は若干上昇し、少しばかりだが昨日の損失の10%余りを取り戻した。慌てることなくゆっくり取り戻していきたい、それがリーマンショックの教訓だ。■
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