かぶれの世界(新)

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涙もろい高齢者

2022-09-25 21:20:39 | 日記・エッセイ・コラム
足首を痛めて以来久し振りに12キロを走った。肱川沿いに走り実家から6キロにある休憩小屋を折り返したところで、遊歩道を自転車を押してヨロヨロと横切る老人に出会った。彼はやっとのことで歩き、遊歩道に乗っかったところで自転車に乗り私を追い越していった。

しかし、その先の五郎橋に向かってホンの少しの坂で自転車を降りて再び押歩き始めた。私は「気を付けてね」と声をかけた。荷台に大きいプラスチックビンを見て、「それワインかい」と聞いた。赤ワインだった。酒が好きなのかと聞くと、即答で大好きだととのこと。

改めて走り始め再び「気を付けてね」と声をかけると、彼は「大正生まれの97歳だ、最近まで車を運転していた」という。それを聞いて驚き、「僕は後期高齢者になったばかりで、最近事故を起こし車に乗る気にならない」と答えた。彼はおっかぶせる様に、「大型特殊免許を持ってる」とのこと。

私はびっくりして、「何だ、プロなんだ!」と言った。75歳で事故を起こした後期高齢者としては、ちょっと悔しかった。だが、俺は走れるぞとばかりに「気を付けてね」ともう一度言って走り始めた。正直、復路は疲れ気味で暫く走りその後速歩に切替え、実家に戻った。12キロ105分かかった。

私は絶対にこんなジーサンにはなれそうもない。帰宅すると、昨日放送された寅さんシリーズ50作目のビデオを見て涙した。寅さんは既に死んだ後で、孫が転職して作家になり関係する人達と回顧する映画だった。それを見て私は涙が止まらず、何故か97歳のジーサンを思い出した。■
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