かぶれの世界(新)

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ご近所空き家事情

2016-11-25 16:18:45 | 社会・経済
7月に母が死んで将来実家をどうすればいいのか考えて来たが定まらない。400年近く前からのお墓と先祖から私まで生まれ育った実家と山林田畑を子孫にどう伝えればいいのか、一方で東京にいる残された家族の将来の為にどうすべきなのか。国内外で仕事上の難題に取り組んできたが、もしかしたら答えがない問題に悩んでいるのかもしれない。

私が元気な間は実家を守り抜いて長男に引き継ぎ、その後どうするかは彼の判断に任せると伝え、一応承諾を得た。だが、それだけでは彼に丸投げしただけだ。もう少し何とかしたいと考え、地元の不動産屋さんに実家が売れるか検討を依頼したが、その後半年たっても興味があると話は聞いたが具体的には一人の見学者もいない。

そんな時、最新号の市の広報に興味深い特集記事を見つけた。愛媛県は別荘等を除く実質の空き家率は全国2位の17.5%、中でも南予(県南部のこと)は20.3%、その中で実家がある大洲市は19.2%であると報告している。そのうち売却したい人は約3割で、残りの多くの人は何らかの形で活用していきたいと考えているという。

残り6割の考えを大雑把に纏めると、そのまま維持・賃貸し・セカンドハウスなどで利用し、将来は子や孫に相続することを考えているというもの。だが、有効に活用するためにはどうすればいいか悩んでいるというのが空き家保有者の姿のようだ。私もまさにその一人だと思う。この人達はどうするか決められないでいるようだ。

そうして悩んでいるうちに年々空き家が増え、5軒に1軒が空き家という現実に気付き市も慌てだしたようだ。今年8月に初めて真剣になって実態調査をしたのではないだろうか。来年4月から空き家の所有者と利用希望者の橋渡しをする「空き家バンク制度」をつくり空き家対策を推進していくという。

多分、農地バンクと同じ発想なのだろうが、私にはうまく行くか疑問だ。この地に住みたいと思わせる魅力作りが最優先だと思う。どうも政府の空き家対策に後押しされてやったのであって、自治体が危機感を持って積極的な取り組みをしたようには感じない。危機感はあっても効果的な対策が思い浮かばず、どうしていいか途方に暮れているのではないだろうか。私と同様に。

ところで近所のSさんの自宅は広い庭のある大きな家だが、最近表通りの畑を盛り土して大きい家を建て始めた。聞くと敷地が広く平屋の立派な家のようだ。松山市に住む息子の家族に豪華な家を建てて呼び戻し、近くに住んで貰うのだという。その手のやり口で隣の集落は市内で唯一人口が増えている地区だと以前投稿した。

私が知る限りどこの家も子供が実家に一緒に住むのではなく、実家のすぐ横に親が新しい家を建てて、そこに子供の家族が住むスタイルだ。そうすると場合によっては仕事を辞めてでも新しい家に住んでくれることがあるようだ。となれば、実家が土地を保有し家を建てるだけのお金がないと難しい。このパターンを市内全体に広げるのは無理がある。

私の場合は別の事情がある。子供達は東京で生まれ育ち、現在は東京でしか出来ない仕事をし、既に自前の家を保有して家族と住んでいる。別荘とかセカンドハウスとして利用するか、可能なら賃貸し或いは宿泊施設として活用すること位が関の山だ。その場合でも誰かに維持管理を依頼する必要があるだろう。それだけではない、お墓や山林田畑はどうするか、悩みは深い。最悪でも実行可能な選択肢を付けて息子に残してやりたい。■
コメント
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