かぶれの世界(新)

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NHKやらせはマスコミ共通の体質

2015-11-09 15:16:45 | ニュース
NHKの「クローズアップ現代」であったとされるやらせ問題について、BPOが重大な放送倫理違反と指摘、同時に総務大臣がNHKを厳重注意し自民党がNHK幹部を呼びつけ説明させたことを厳しく批判したと報じられた。本件についてマスコミ各社の報道の仕方に違いが出るだろうと私が予想した通りになったようだ。

購読している日経と朝日を読み比べ、他紙はネットからの引用を見た限りでは予想通りだった。日経と読売は論評は控えめにして事実の範囲で報道、朝日と毎日はやらせの問題よりも政府と自民党のNHKへの圧力を重大問題視して紙面を割いて報じていた。これを見て私はマスコミ報道に基本的な問題認識が欠けている、一言で言うなら何が重要か分かっていないと考える。

平素から高く評価している「クローズアップ現代」にやらせがあったのは残念ながら事実のようだ。問題は報道の姿勢が「結論ありき」で、先に結論があって「その結論をサポートする情報のみを拾って報じる」ことだ。それはマスコミ各社に見られる問題だが、今回は結論を印象付けるために情報を捏造して伝える、それが指摘されたやらせの構造なのである。まず事実を拾い集め、そこから結論を引き出し報じる報道の基本が損なわれたのだ。

このやらせの構造はマスコミ各社ともに陥りがちな体質で中々改善されない。その病的な構造が生んだもっと大掛かりな捏造記事が朝日の慰安婦報道や原発の吉田調書報道であった。今回のクロ現のやらせも全く同じ構造だと思う。朝日などのクロ現報道にはマスコミ各社が抱える構造問題という反省が見られない。上記報道には慰安婦報道は一度謝れば終わり、という驕りのようなものを感じる。

他社のチョンボを冷ややかに見下すより、この機会に謙虚に我が身を振り返り反省する姿勢が無いのはとても残念だ。その反省なくして政治の圧力云々は問題のすり替えではないだろうか。NHKと総務省の役割からいえば、総務大臣が注意するのは当然だ。しかし、自民党となると話は別だ。だが、それだけの紙面を割いて反省すべきは、NHKとはいえ同じ報道に携わるものとしてやらせをやったマスコミ共通の体質ではないのか。■
コメント
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