かぶれの世界(新)

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「必要か」ではなく「今必要か」

2009-10-07 17:42:24 | 国際・政治

公約(マニフェスト)を守る為の財源として今年度補正予算を見直し、2.5兆円を確保したと今日の新聞各紙は伝えている。それに対して、新聞では伝わりにくい削られる側の肉声の反応を、テレビは伝えていた。地元住民や当事者の反対にあって意外に難航している様子だ。

その典型的な反応は「絶対に必要な事業だ、もう着手して今更後戻りできない、不景気で他に仕事がない」といった当事者の切実な声だ。一方、地元だがもう少し広域の直接関らない人達の声は、例えば「4車線でなくても困らない、子育てに回せ」といった、概してクールな反応であった。

先日のNHKの討論番組などで示された世論は、80%が公共事業の一層の削減を望んでいた。それは、直接関らない人の声、つまり選挙の結果と同じだ。だが、朝夕の民放ニュース番組が流した当事者の声は、誰の目にも切実で映像的なインパクトがあった。

それは少数か多数かは関係ない、極端に言えばたった一人の声でもテレビ編集の仕方で随分印象が変わる。2.5兆円にはそのような個別の声がたっぷり込められている。見直しの積み増しはもっと厳しい声が出て来るだろう。新政権はこの切実な声に少しぐらついているように感じる。

期待していた地元の人達にとっては大変なことだろう。だが、自分のお金がこれだけあるとして、最初に使うお金は何か、その次は何か、という発想で自問して欲しい。金を恵んでくれる人はいない、足りないなら借金するか我慢するか、借りるなら自分が払うのか子供に出してもらうのか。

政府支出は直接生活に関るものを優先し、それで足が出てもやりくりで何とかし、子供には出してもらわない、と民主党は約束し国民は支持した。不必要な出費を見直し無駄を省く、即ち、必要か不必要かを判断してやりくりする、と約束した訳ではない。そうではなくて、仮にとても重要で必要な事業でも、今すぐやらなければならない事かどうか優先順位をつけて見直しますと約束した。

今はまだ必要かどうかの見直し段階である。次に必要なものでもその優先順位に応じて、実行するか先送りするか決定する段階に入る。その段階では各省の大臣は必要性について説明するが、決定は鳩山総理と国家戦略室の責任になる。ここで、見識(優先順位の)を見せて欲しい。

優先順位に基づく政治決定は民主党の公約であり、我国にとって最も重要な政治決定となる。第1段階は混乱を避けるために情報公開しなかったが、第2段階の優先順位に基づく政策振るい落としは、全て透明なプロセスで実行されることを期待する。■

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