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国一斉の学力テストの結果が発表された。昨日夕方のTBS系のニュース番組は、都道府県単位の成績と結果を公表するかどうか大阪府の状況などを伝えていた。あわせて、親の年収と子供の成績が比例する傾向にあると問題指摘をしていた。肝心のテストの内容が示す問題が見えてこなかったので気になった。
今朝の日本経済新聞に目を通し詳細な結果を見ると、何が重要かテレビで見たニュースの視点と私の視点に差があることに気付き少々驚いた。TBSは毎日新聞系なのでネットで社説をチェックすると、ルールを守り規律正しい生活をしている子供の成績が良かったとある。
続けて、それは自明のこと、その先の有効で具体的な処方箋こそ必要で、そのためにわざわざ全国調査が必要かと疑問を呈している。あわせて親の年収と子供の成績の相関関係が示す教育格差を緊急課題として取り上げ、総選挙後に抜本的な見直しを期待するとあった。
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力テストは定点観測として教育制度や内容を見直していく為に必須の手段であり、その結果を個人・学校・地域・国レベルで評価分析して教育を充実させていくべきだと思う。思うに学力テストの結果は貴重なフィードバックである。親や教育者は自分が正しいことをやっているか常に謙虚であるべきで、透明性も求められる。子供からのシグナルを組織的に見る絶好の機会だ。
テレビは系列新聞の社説を更に要約したと思われ、学力テストを親の年収との相関で格差問題に矮小化して報じていたように感じた。テレビ報道が毎日新聞の本音の優先順位なのかもしれない。いずれにしても我が国の教育レベルをいかにして高めていくかという気持ちが感じられなかった。
学力テストの分析結果の中で、子供の学力のうち「長い問題文を読み、内容を整理した上で記述式の回答を求めるB問題」の無回答率の高さが注目された。無回答率は学習に対する積極性を判断する材料という。調査では一斉読書や作文指導をやっている学校の無回答率が低くなる傾向が出たという。(日本経済新聞)
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書の重要性を示す調査結果に共感が沸いた。私事だが、20年前子供が小学校高学年の頃、近所の方に頂いた世界小説全集を読み、感想文を書いたノートと引き換えにお小遣い3万円を上げると子供に提案した。彼らは凄い集中力で予想を遥かに越える速度で読み切り驚いたものだ。
意欲を示せば希望通りに学費を賄うだけの収入が私にはあった。しかし、家内も私も勉強を無理強いすることはなく、塾に行くかどうかも子供の判断に任せた(と聞いている)。彼らは小学校時代普通より上程度の成績だったが、学年が上がるごとに成績が上がって行った。
その頃米国に単身赴任していたので定かでは無いが、読む力が備わったことで自から勉強して学力を高める術を身につけていたのではないかと推測する。証拠は無いが幾分か貢献したはずだ。(家内も子供に色々な機会を経験させようとし、その効果があったのかも知れないが)。
その頃に会社の上司に子供の教育の為に最高の本と強く勧められた本を最後にお薦めしたい。
それは見える学力、見えない学力(岸本裕史1981大月書店)だ。親との会話、遊び、しつけなどに加え読書習慣の重要性を説いたもので、その内容に感激し同社の教育シリーズの本を全て購入し読んだ。20年経った今でも印象に残る一冊で、親御さんに一読を薦めたい。■