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藪睨み2008大統領選(1)

2008-01-06 12:09:48 | 国際・政治

アイオワの勝者と敗者

3日実施された大統領予備選でアイオワ州が発したメッセージは何だったか。誰が敗者だったか。結論から言えば、勝者は誰とはいえず敗者のみ明確になった。敗者はブッシュ大統領だった。

私が最も注目したのは、民主党党員集会の投票総数が前回に比べ倍増、共和党は対照的に前回並であったことである。前回は両党の投票総数は拮抗しており、本番の大統領選もそれを反映して大接戦となった。

勝者と敗者を語るには政策上のアジェンダ(争点)を党員がどう判断したかだが、私には「変えたい」というメッセージ以外明確でない。前回はバリュー(価値観)で宗教右派が決定的な役割を果たしたが、今回はイランから経済に移ったといわれている。

アイオワの重要性

民主・共和の支持が拮抗するアイオワを制するものは大統領選に勝つ、とまで言われる州で民主党党員集会の参加者が倍になったというのは一州の結果以上の意味がある。アイオワ等の数州を除くと他の州は、どちらかの党の支持が非常に強く初めから勝負が決まっているからだ。これら数州はスウィング・ステートといわれ、この州の投票結果で大統領選は実質決まる。

報道では、若者など初めて参加した人達が民主党集会に大挙して参加し投票総数が倍増したと分析されている。彼等のメッセージは現状に対する強い不満であり、変革を求めるものであった。それが政治の素人とかアウトサイダーと見なされているオバマ氏とハッカビー氏を選んだ。

牧師だったハッカビー氏は従来の共和党支持の宗教右派というより、民主党に近い政策を打ち出し支持を得た。それがブッシュ大統領が敗者だという第二の理由である。

前回の大統領選でブッシュ氏に任せると大変なことになると立ち上がった民主党員が多くいたが、それは党の外まで広がらず、国内の分断を広げる方向に向かった。今回はどうも新しく政治に参加すると見られる中間層が影響力を持ちそうだ。それが事前の予想を覆した。

共和党に勝ち目はない

投票総数を見ると次期大統領は民主党候補だというのが予備選緒戦で明確に示されたと解釈する。ハッカビー氏がこのまま民主・共和両党の中間をいくと、米国民トータルでは支持を受けても中西部・南部の大票田宗教右派の支持を一本化できず共和党予備選を勝ち抜くのは難しい。

又もやここで私流の大胆占いをすると、仮にハッカビー氏が予想に反し予備選を勝ち抜いたとしても、「偉大な社会」を説いたジョンソン大統領を大勝利させたゴールドウォーター氏の役割を果たすのではないだろうか。どうやっても共和党に勝ち目はない。

米国の友人にこの考えを聞くと、彼女はハッカビー氏の成功はどれだけ宗教色を薄めることが出来るかどうかにかかっていると、私には意外な返事だった。彼女はバリバリの民主党支持なのだが意外とハッカビー氏に好感を持っていた。よく見るとアメリカ人に好かれる田舎の牧師タイプだ。 

予備選で現政権の政策を見直す主張が繰り返されそれが支持される傾向が続けば、ブッシュ政権のレームダック化が進み何も出来なくなるだろう。失われた2008年になることを恐れる。■

コメント
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