カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
講演依頼等連絡先は、tenki@air.ocn.ne.jpへどうぞ

台風13号 今日宵の内に長崎県へ上陸か?宮崎延岡では竜巻も

2006-09-17 18:35:15 | インポート

06091715 0613_3

引用図は、左側が9月17日15時の天気図, 右側が9月17日17時気象庁発表の台風13号進路予想図です。ともに気象庁HPより引用。

台風13号は、先日の記事で紹介したとおり、東シナ海を北東へ進み、今日の宵の内には長崎県付近へ上陸する見込みとなりました。

台風13号は、17日17日現在、中心気圧950hpa 中心付近の最大風速は40メートルで、北北東へ35キロで進んでいます。が、今後、九州や中国地方など、台風の進行方向右側に入りますので、移動速度35キロを時速換算すると、約10メートルとなりますから

実際に吹く風速=台風の中心付近の最大風速+移動速度(秒速換算値)×{COSθ(θは台風自体の気圧経度風の風向と台風の進行方向との20060917170000 91621差角)}※この式は、NHK気象キャスター村山貢司さんの「台風学入門」の記述を引用し、私が加工した式です。 より  44メートルから47メートル程度を見込んで警戒する必要があります。

気象庁HPより引用の図で、左側が17日17時の日本付近赤外雲画像図と、右側が昨日16日21時の日本付近赤外雲画像図をご覧いただいておりますが、台風13号に大陸から進んできた上空の気圧の谷が接近、合流しかかり始めたため、台風13号自体、少しずつ温帯化が進んできましたね。今日になって、台風13号の雲の形は、先日までのように目がはっきりしなくなり、台風の進行方向西側から南側に乾いた空気が流れこんで、雲の切れ間ができて、台風自体の雲の形も、円形から勾玉のような形(温帯低気圧のく雲の形ですよね)になってきました。

台風がこうなると、台風に伴う強い雨雲が、台風の進行方向右後面から真後方向にも及ぶようになりますし、台風に伴う特に強い風の区域も、進行方向左側や真後方向に及ぶようになります。

ということは、今回の台風13号も、今後、日本海に進みますから、本州の広い範囲で相当強い風が吹き、太平洋側中心に大雨の恐れがあるということですし、台風自体が通過した直後に暴風雨のピークを迎えるということになりますね。

それに、今夜は九州地方の沿岸で、明日朝には中国・四国地方の沿岸で満潮をむかえます。今後は高潮や高波にも充分に警戒していただきいですね。

20060917170000k 引用図は、17日17時の、九州付近のアメダス風向風速図です。気象庁HPより引用です。

引用図より、17日17時現在、すでに長崎県の野母崎では、平均でも風速45mの猛烈な暴風雨となっていますが、進路に当る九州た中国地方では、これからが猛烈な暴風雨のピークを迎えることとなるでしょう。大変な暴風を観測するようにもなりそうですね。

最後に、この台風13号の接近に伴って、17日14時過ぎに、宮崎県延岡市内の日豊線で、特急列車が竜巻で脱線する被害が発生しました。

20060917143000

200609171400001

200609171500001

①②③とも気象庁HPより引用の図で、①は延岡市付近に竜巻が発生した直後の17日14時30分のレーダーエコー解析図 ②は17日14時の九州付近アメダス風向風速図と③は17日15時の九州付近アメダス風向風速図をご覧いただいておりますが、竜巻発生当時、台風13号に伴う活発な雨雲の帯の一部が南西から北東へ移動してきましたが、宮崎県延岡市付近では、風向が東から北東で、風速は弱めです。

このように、台風の進行方向右側前面に位置して、なおかつ、台風に伴う活発な雨雲の帯の移動方向と、地表の風向が相違っていて、風速も弱めである地域(平野部)に、竜巻が発生しやすいんですよ。過去にも以外に多発しています。実は、台風の進行方向面々に入る場合、地形的に宮崎平野は竜巻が発生しやすいといえますね。

そのほか、前記したように、台風の進行方向右側前面に入る場合、高知平野や愛知県東部沿岸から静岡県沿岸、それに、関東平野では、竜巻の発生頻度が高いんですよ。

今後は、これらの地域では、竜巻の発生を懸念する必要もあります。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。