カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
講演依頼等連絡先は、tenki@air.ocn.ne.jpへどうぞ

台風14号は関東の南東海上へ ただ、懸念することが・・・

2006-09-23 23:36:49 | インポート

06092318 20060923180000

引用図は9月23日18時の天気図(左側)と、同じく9月23日18時の日本付近アメダス風向風速図です。ともに気象庁HPより引用。

台風14号は、昨夜から今日朝にかけて、父島の西の海上を通過しました。予想よりも幾分西よりに進んだことが幸いだったですが、それでも小笠原諸島は今日午前中にかけて暴風雨となり、父島では、昨夜半に最大瞬間風速58・8メートルもの猛烈な風を観測しました。

台風14号今日になって、進路を北東へ変えて、明日にかけて関東の南東海上を北東に進む見込みで、本州の陸上では、台風の直接的な影響はなさそうです。

ただ、東北から南九州までの太平洋沿岸では、台風からのうねりが高まり、特に、関東沿岸から伊豆諸島では、明日にかけて波の高さ5メートルから7メートルとおおしけとなりそうです。マリンスポーツや海のレジャーなどは充分に注意ですね。

引用図より、関東沿岸から伊豆諸島は、風が強まっていますが、もうひとつ、九州の対馬海峡周辺でも風が強まっています。ここの周辺も気圧の傾きが大きくなっているためで、千島と日本海北部の高気圧の勢力が優勢である証拠です。

200609231800001 引用図は、9月23日18時の日本付近雲画像図(赤外)ですが、この図より、紀伊半島沖から南西諸島にかけて雲がややまとまっていますが、これは、上空の気圧の谷に伴う雲です。台風14号も、この上空の谷の東進に伴って、進路を北東に変えたわけですが、実は、上空の気圧の谷の北側で高気圧が強まり(上空も高圧帯となっています。)、気圧の谷の前面に台風が進んでくるような場合、当該上空の気圧の谷周辺で気流が南北流の度合いが強まって、その上空の気圧の谷は移動速度を緩めて、停滞気味になってしまうものです。

このことは、上空の気流の流れの南北流の度合いが大きくなり、当該上空の気圧の谷の前面での高圧帯が強まることのよります。そして、この停滞気味になる上空の気圧の谷の前面の下層では、暖かく湿った気流が入り込みやすくなり、強い降水となりやすいものです。

この事例と同様な気圧配置で、㍻3年9月10日午後から翌9月11日午前中にかけて、伊豆半島で集中豪雨をもたらしたことがあります。

今後は、この、紀伊半島から南西諸島周辺の雲の集団の動向に注意が必要ですね。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。