![]() | グラミン銀行を知っていますか―貧困女性の開発と自立支援坪井 ひろみ東洋経済新報社このアイテムの詳細を見る |
いやー。詳しいことはマジで知りませんでしたが、スゴイ銀行ですよ。
この本は著者の卒論をベースに書かれたものですが、こういうすばらしい卒論もあるんだな。驚きましたよ。
グラミン銀行とは、貧しい人たちのための無担保、小規模、少額、短期間の融資を行う『マイクロクレジット』ということを始めた、バングラデッシュの銀行です。
バングラデッシュは1972年にパキスタンから独立した国ですが、最貧国の一つであり、世界177カ国中で138位(2004年調べで)だそうです。(まだ40カ国ほどがその下にいる!)
グラシンとはベンガル語で「村の」を意味し、グラシン銀行は村の銀行という意味だそうです。
グラミン銀行は「貧困」をなくすために設立されたユニークな銀行で、マイクロクレジットは貧困からの脱却の有効な手段となると考えています。無担保で貸し出せるのは、5人ぐらいのグループを作り、そこで連帯責任を負わせることでクリアしています。さらにこのグループの間でお金を貯金して貸しあう仕組みも推奨しています。無利子などではなく、きちっとした融資を行うことで、施しではなく経済的な自立を促すということもしえています。融資と返済を含めたミーティングを各村で行い、そこでは啓蒙活動なども行われます。
グラミン銀行は女性への融資が多い点もポイントで、女性の経済的支援に力を入れています。バングラデッシュの女性は子供の頃に結婚させられ、買い物も含めた経済活動から排除され、子供と友に無知無能なものとして扱われていることが多かったようです。その状況で夫に死なれたり、離婚されたりし、女性が正式に雇用される機会もないこともあって、極貧状態におかれることが多いようです。その彼女たちを支援するという活動をしています。買い物すら男性がするバングラデッシュなので、女性はお金に触ったことすらないという人もいる、そんな境遇で、しっかりとお金の融資を受け、仕事をし、ミーティングで学び、同時に同じ境遇の他の女性たちとの連帯を促すことで(女性はほとんど家の中だけで過ごしている)、女性の意識を高めています。
欧米のことは詳しいがそれ以外のことは詳しく知らないというのが、我々の実情ですが、僕たちは世界全体のことをもっと知らなくてはならないし、できるアクションはするべきだな、と思わされます。一日に2.5円しか稼げないという女性のはない氏が出てきますが、想像を絶する世界です。でも映画「バベル」のように、その世界は、いま、この瞬間にも、地球の私たちの割と近くに実在するんです。
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