ピーノさんにはとてもかなわないですが、
ペースはすっかり落ちたけど、
なんとか本も読み映画も見ているのでした。
(みなさんも読みましょうね、見ましょうね)
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物理学と神 (集英社新書) |
池内 了 | |
集英社 |
妻が仕事柄科学本をたくさんもっているので
時々横から読む。
この本は物理学の歴史を簡単に概観できる良書。
物理学者の生業とは、
神が書いた2つの本のうちの一つの謎を解明すること、と言う話で。
一つがいうまでもなく聖書であり、もう一つが世界、その物理法則だ。
元来物理法則は神の御心の表れであり聖書といかに矛盾しないかが
研究されたんだが、そのうちに聖書とは矛盾が出てきて神が退場したり、
さらに再登場したときには賭博にうつつを抜かす存在としてだったりと、
これが面白いのだった。
なぜ賭博かというと量子物理学の「神はサイコロを振らない」という
アインシュタインのことばにもあるように
量子物理学的な意味での確率論的存在論というものが立ち現れてくるのだが、
その辺をいい加減に書くと妻に容赦ない攻撃を加えられるので、
そのアタリは各自読んで理解するように努めていただきたい。
でも、面白い話ですわ。
実に。
余談ですが、こういう物理の本を見ていると
必ずと言っていいほど「マトリョーシカ」が登場するのであって、
マトは偏在するんだなと。
マトリョーシカがわかりやすく語る物理学の肝。
妻と義妹のサイト「週刊マトリョーシカ」はこちらです。
量子については、「猫の箱」という例え話もあるね。箱に猫が入っている。フタを人間が開けないと、猫は「生きている」と「死んでいる」の半々の状態。フタを開けた時、たまたま生きていれば生きている。死んでいれば死んでいる。量子物理学ではそういうことになる。
ちなみに、アインシュタインは自分で発見した
e=mc^2という方程式も、「これは神様が造ったこの世界が、単純で美しいということを証明したことに意義があるのであって、質量がエネルギーと等価であるという物質の本質を表わす。だからといって、このエネルギーを人類が利用できるかというと、そんなことはとても不可能だ。」と言ったそうな。
残念ながらアインシュタインほどの天才でも、このエネルギーが原爆や原発で実際に人類に利用されるとは予想できなかったのね。