ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

コピーライター・ミュージシャン池谷恵司の公式ブログです。
私的メールマガジン「ほぼ週刊イケヤ新聞」のブログ版です。

ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その4

2010年04月15日 21時29分40秒 | ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】
イケヤの知人のピーノさんが
いつも私を含めたご友人の方に送られているメルマガのお裾分けシリーズ。
『ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】』です。
海外滞在が長く、外国語にもご堪能な方です(日本人です)が、
一週間程度の感覚で物凄い量のものを
見る、読む、聴く。
とにかく私もビックリ。

というわけで第4回の『ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】』
をお送りしましょう。

読者の皆様、感想等ございましたら、
私が責任を持って転送しますので
ぜひコメント欄にお願いします。

では、レッツゴー。


◇今まで行った都市のなかで、
「なんだか分からないけどスゴイ」と感心したのは、
モロッコのフェズ(Fez)の旧市街です。 荷物運搬用のロバが
人込みのなかを行きかい、迷路のような道。静まり返ったモスクと強烈な
匂いがする皮の染色場。たまたま通りで知り合った現地のひとの自宅に
招かれ、お茶をご馳走になりましたが、奥さんと子どもの質素な生活で、
昼でも暗い部屋のなかは涼しく、宗教を感じさせない「Still Life」でした。
マラケシュが「明るい oasis」に対し、フェズは「秩序と混沌の城砦」です。
http://yucky.travel-way.net/chikyu-1syuu-ORT-moroco-fez.html

◇ショパンが「雨だれ」を作曲したといわれる、地中海のマジョルカ島の
東のはずれに「クエバス・デ・ドラック Cuevas de Drach」という、観光客
には有名な鍾乳洞があります。 海岸の崖っぷちに入口があり、階段を
下って行くと海面よりも低いところに小さな地底湖があります。 2時間に
一回程度、幻想的なライト・ショーが行われ、最後に弦楽四重奏で演奏
する音楽家たち(学生アルバイト?)の小舟がゆっくり湖水を進みます。
ご参考(音声注意) ⇒ http://www.cuevasdeldrach.com/

【落語】

■春風亭昇太独演会(浜松市福祉交流センター、10/04/09 ★★★★)
昨年10月以来となる浜松での独演会。 前夜急遽出演を頼まれたという
三遊亭遊雀が前座で古典「強情炎」(お灸の話)を。 昇太が夢の内容を
巡っての喧嘩「天狗裁き」、花粉症の寿司屋を題材にした「花粉寿司」、
親の敵討ちを余興でやろうとする「花見の仇討ち」の三席を披露。 古典、
新作とも“季節ネタ”で、この時期にしか聞けない内容でした。 冒頭の
挨拶で「高血圧(最高183!)」「血管年齢80歳!」と自分の検診結果を
“話のマクラ”にする導入も見事で、彼の話芸は今冴えわたっています。

【演劇】

■博覧会 (東京グローブ座、10/04/10 ★★★☆)
作:千葉雅子(猫のホテル)、演出:池田成志。日本軍統治下の台北で
行われる博覧会に、出演予定で集まった旅芸人一座の話。座長(篠井
英介)とベテラン俳優(大谷亮介)に、弟子(荒川良々)や娘(星野真里)
が加わり、リハーサル場面を交えながら、「家族」や「賭け事」に「恋愛」
をおりまぜ、一向に出演が決まらない芸人たちの“苛立ちと出口なしの
ストレス状況”がやがて爆発することに。前半喜劇、後半はシリアス劇。
http://www.parco-play.com/web/page/information/hakurankai/

■タテヨコ企画 「ウツセミウツラ」(ザ・スズナリ、10/04/10 ★★★★)
劇団主宰者、横田修の作・演出。 雲水(修行僧)が主人公で、座禅堂
の中庭が舞台。 臨済宗建長寺系の住職数名に取材をした上での脚本
で、閉ざされた世界における先輩と修行僧たちの日常をコミカルに描き、
「十牛図」(禅の悟りに至る道筋を10枚の牛の絵で表現)や「般若心経」
など「禅の教え」を紹介。 終演後、現役の住職3名によるポスト・トーク
が行われ、いくつかの「夜行」(夜遊び)のエピソードは爆笑モノでした。
ご参考 ⇒ http://tateyoko.com/

【映画】

■第九地区 <原題 DISTRICT 9>(★★★★)
「エイリアン(異星人)=避難民」と、従来と異なるテーマで撮影された、
ヨハネスブルグ(南ア)を舞台にしたSFモノ。宇宙船の故障と栄養失調
から28年前に隔離された異星人(好物が猫缶)を、強制的に別の場所
に移そうとして起きた事件の顛末で、意外な方向に話がドンドン展開。
ゴミをあさる異星人、民間企業委託、政府軍の殺戮、ドキュメンタリー・
タッチで緊迫感のある戦闘場面が続き、「続編」を想定してる終わり方。
ご参考(音声注意)URL ⇒ http://d-9.gaga.ne.jp/#/TrailerScene

【Book】

■伊坂幸太郎 「オー!ファーザー」(新潮社、10/03/26 ★★★☆)
高校生の周りでいろいろな事件が起きて、バラバラのピースや伏線が
最後はひとつになる・・・著者お得意の構成からなるミステリー。 今回
の売りは主人公が“4人の父親と同居”している点で、ありえない設定
を読者に納得させているのと、“彼女”でもないのに、「勝手気まま」で
「押しの強い」同級生のガールフレンドとのやり取りが微笑ましい限り。
最後の最後で、「本当に存在するのか?」と思えた母親が登場します。
ご参考URL ⇒ http://www.shinchosha.co.jp/book/459604/
オー!ファーザー
伊坂 幸太郎
新潮社

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■中田永一 「吉祥寺の朝日奈くん」(祥伝社、09/12/10 ★★★☆)
5つの中篇集。 高校生の微妙な関係を描いた「三角形をこわさないで
おく」、おなかの音がよく鳴る「うるさいおなか」、元劇団員が主人公で
吉祥寺のタウン紹介(サトウのメンチカツ、いせや、吉祥寺シアター等)
をしてる表題作、3篇が面白く、校舎の渡り廊下、授業をサボって公園
に行く描写などなんとも懐かしい(笑) 前作「百瀬、こっちを向いて。」
で著者の覆面作家説(人気のミステリー作家)がネットに流れました。
http://www.s-book.net/plsql/slib_detail?isbn=9784396633301
吉祥寺の朝日奈くん
中田永一
祥伝社

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【オマケ、今週の気になった言葉】

■僕自身、週末に映画や小説を味わうことで、明日も勉強しよう!とか、
明日も会社に行こう!と思えましたけど、要するにその感覚なんですよ。
この作品を観たから大丈夫とか、この世界に行ってきたから大丈夫みた
いなね。実体がなくて言葉にもならないけど、空から大事な隕石が落ち
てくるような、伝えたいとすればその感覚です。
(by 伊坂幸太郎、SUMISEI Best Book 4月号冒頭インタビュー)


現代作家のなかで、村上春樹の次に「話題」「人気」「面白さ」「期待」を
備えた作家といえば“伊坂幸太郎”です。全くの独断と偏見ですが(笑)
最近の作品(「ゴールデンスランバー」~「SOSの猿」まで)は、新バンド
に移行するチャレンジシリーズで、最新作の「オー!ファーザー」は言う
なれば「前のバンドの最後の作品」という位置づけだそうです。 一日に
3、4軒の喫茶店をハシゴしながら小説を書けるのも、仙台ではまだ顔を
知られていないからなんでしょうね。 デビュー作「オーデュボンの祈り」
(2000)から今年で10周年。 これからも新作を読み続けたい作家です。
ご参考URL ⇒ http://booklog.jp/special/isaka_kotaro/




三月の風と四月の雨が美しい五月を作る

2010年04月15日 09時31分51秒 | Short Stories
さて、今日は冷たい雨。今日は家事から始める。

朝日天声人語にこの三寒四温のことが書いてあるが、
そこに引用されているんだが、
英国では「三月の風と四月の雨が美しい五月を作る」と言うそうだ。
美しい言葉だなと感動した。








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