ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

夏だっ!尾瀬へ行こう♪:NEAR MISS 

2012年09月12日 20時07分41秒 | Weblog
樹林帯の中の縦走が続く。
何度かのアップダウンがあったが、ダウンすれば必ずと言ってよいほど小川が流れていた。
しかし当然のことながらその直後はアップとなる。
「えぇ~また登るの?」
「あのなぁ・・・水は低いところ(谷間)を流れているわけ。だからその後は高いところに登るわけ。分かる?」


清流の水は冷たくて気持ちがいいね♪
とはいえ、飲料には適していないことはわかっていたので、手と顔を洗い、タオルを濡らして汗まみれの体を拭いた。
「いやぁ~気持ちいい! たまらんなぁ。」
この時ばかりは自分が男であることに感謝した。
何故かというと、上半身裸になり、濡れて冷えたタオルで直接体を拭くことができたからだ。


その間女房はごらんの通り(笑)。
声を掛けてからシャッターを切ると絶対に嫌がることは分かっていたので、この時は周囲の風景を撮るふりをして内緒で女房を撮った(笑)。
こうして見てみると可愛いもんだ。

本来であれば「三条の滝」を経由して「見晴」まで行こうと計画していたのだが、女房が今日の暑さでかなりまいっていると判断した。
「よし、『滝』は無し! 少し近道をして行くか。」
「いいの? 私なら大丈夫だから・・・。」
「いや、小屋に着いてからも竜宮まで歩くから、ここで無理はやめておこう。」
そう決めて再び歩き出した。

ルートの右側から川の流れる音が聞こえている。
ここは「段吉新道」と呼ばれるほぼフラットなルートであり、これなら女房の負担も少しは軽減できると思った。
だが、突然「バシャバシャバシャー!!」という水をはじくような音が聞こえた。
距離にして20メートルほどだろうか・・・。
目を凝らして音のする方角を見たが、樹木で遮られ何も確認できなかった。
音の大きさと状況から判断するしかあるまい。
人間や鹿が川を横断するにしてはあまりにも音が大きすぎる。
ましてやここはルート以外への侵入は厳しく制限されている国立公園。
「ひょっとして熊か?」
お互い顔が青ざめた。
疑問は残ったが、この場合そう考えて早くこの場から離れた方がいいだろう。
鈴を鳴らし、手に持っていたストックをバチバチと叩き合わせながら早足でその場から去った。
熊のおかげとは言わないが、女房の歩くペースが速くなり予定した時刻よりも早く休憩所に到着した。

体を横たえるほどのスペース(長椅子)があり、かみさんは木陰のベンチで早速おやすみ(笑)。
自分は水分補給をし、煙草を吸った。
売店には大きな水槽があり、その中にはペットボトルのジュースやビールが見えた。
おそらくはキンキンに冷えているんだろうなぁ・・・。
「あぁ~あの中に頭から突っ込みてぇ!」


ここでもシャツを脱ぎ、上半身は裸に。
日向にシャツとアンダーウェアを干した。
二枚とも吸汗速乾性のシャツで、あれだけびしょ濡れだったシャツが10分足らずであっという間に渇いてくれた。
さすがはモンベルと思った。(笑)
(アウトドアメーカーのシャツなら、どこのメーカーでもそうなるのだが・・・)


ここからは木道だけのフラットルート。
ただし、日陰は一切無いと覚悟は必要だ。

しばらく歩くと南の方角に目立った山が見えてきた。
「至仏山」に間違いない。
初めて見た至仏山に感動!

「さぁあと30分も歩けば小屋に着くよ!」
真夏の直射日光を浴びながらではあるが、気持ちは良かった。
「ここからが誰もが知っている尾瀬らしい風景が見られるよ。でも、木陰はほとんど無いからそのつもりでね。」
それでも残りも僅かとなった距離に嬉しうそうな女房だった。


ここは「見晴十字路」。
はじめは分からなかったのだが、なるほど確かに「十字路」になっている。
正直言ってもっと道幅の広い十字路を想定していただけに少し気が抜けた。
「ほら、小屋が見えたぞ!」
今日の宿泊予定地である「尾瀬小屋」が目の前に見えた。
ここでゆっくり休憩して、水分を摂って昼食を食べてから竜宮へ行く予定となる。

それにしても今日の尾瀬は暑い!
それでも平地よりは10℃ほど低いはずなのだが・・・。