ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

春の北アルプス「今のうちに・・・」

2012年09月07日 20時24分55秒 | Weblog

「丸山ケルン」に到着する頃には、すっかり青空が顔を見せてくれた。
「これで一安心だな・・・。」
正直ホッとした。
ルートの先を見渡せることで確実に帰路を目視できる。
見覚えのある周囲の状況でもあり、あとは滑落などに注意をしながら下山すればいい。
「さて、今のうちに距離を稼いでおくか!」


5月とはいえ、完全雪山装備を背負っての縦走だけにそれなりにザックは重いはずなのだが、足取りは軽い。
白馬連峰を見ながら、そしてこの青空だ。
疲れなどまったく感じない。


ソロでの雪山は、今までに無いほど不安は大きかった。
しかし、この時点においては不安は無く、むしろ残雪の北アルプスを名残惜しむ思いが強かった。
「できればもう一泊したいなぁ・・・」
そんな気持ちはあったのだが、小屋で確認した天気予報によれば、これからの天候に期待は持てないのが現状だ。
今日にしても、いつ崩れるかはわからない。

予定では今日の昼前には完全下山できるが、八方スキー場のリフトに乗る前に、この北アルプスを愛でながら休憩を入れたい。
休憩というよりは、残雪の山々をしっかりと目に焼き付けておきたいが為の行動の一つだ。


このケルンで30分ほど時間を潰しただろうか。
幸い携帯が通じるポイントであり、自宅に「ほぼ無事下山」のメールを入れ、モンベルおやまゆうえん店にも御礼と下山の連絡をした。

まだ腹は空いてはいなかったが、賞味期限の切れた行動食を食べた。
「これ以上食べないでいると捨ててしまうしなぁ・・・もったいない!」

背中にはうっすらと汗をかいていた。
稜線上でもあり風邪は強かったが、この晴天のおかげで心地よい風だ。
過信しているわけではないが、積雪期用アンダーウェアとアルパインジャケットの強さとありがたさを感じながらの休憩だった。