ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

20㎏オーバー(平ヶ岳:8)

2009年10月19日 21時41分03秒 | Weblog
それにしても美味いカレーだった。
肉体疲労の後の「辛さ」ってのは、食欲増進剤の一役を担っている。
食後の珈琲の味は、山水を使って沸かしたお湯のせいか、いつもと違った美味さを感じた。

できることなら簡易の濾過器でもあればいいのだが、これが結構値が張る代物。
汲んできた水をよく見れば、それなりの浮遊物や不純物(ゴミ)があった。
まぁ死にはしまい。と笑いながら煮沸消毒だけはしたが・・・。

後片付けと明日の荷造りを済ませた。
時刻はもう9時近くになっていただろうか。かなり冷えてきた。
人工的な灯りはテントの中のランタンだけ。
テント場に着いたのがすでに夜だっただけに、周囲の風景がどのようなものなのかがわからない。恐ろしいまでの“ひっそり感”、そして漆黒の闇。
耳を澄ませば、チョロチョロという沢水が流れる音が聞こえてきた。
テントの中に入り、顔だけを出して夜空を見上げてみた。
星空が綺麗だ。遠く南の方だけ、時折パッと明るくなっている。おそらくは雷だろう。

O氏は大切に大切に持ってきた缶ビールのふたを開けた。
グビグビ~という勢いのある音がテントに響く。
「かぁ~美味い!」
本当に美味そうな一気飲みだったなぁ(笑)。
自分はと言えば、持ってきた「バーボン」さえ飲む気になれなかった。
飲まなくてもすぐに熟睡できる自信があったからだ(笑)。
いや、本音を言えば、酒を飲む気になれないほど疲れ切っていたのだ。

シュラフにくるまり、山のこと、バイクのこと、仕事のことなど語り合った。
二人の声以外、何も聞こえない本当に静かな山中の夜が更けて行く。
明け方は、間違いなく今以上に冷え込むだろう。
10時過ぎ。厚着をして眠りに就いた。