ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

20㎏オーバー(平ヶ岳:5)

2009年10月17日 18時18分06秒 | Weblog
登りはじめの頃のような急勾配はほとんど無くなってきた。(今のところ)
樹林帯の中を進むが、とんでもない段差の大きい階段の様な登りにまた出くわした。
「これが膝にはきついんだよな・・・」と思っていると、いきなり左足の大腿部がつってしまった。
O氏にこれ以上心配はかけられない。初めは内緒にしていたが、そのうち一歩登り終える度に痙攣が起こり始めた。
「こりゃやばいぞ」と焦った。
過度の運動や筋肉疲労で痙攣を起こしただなんて、ひょっとして学生時代以来かも・・・。
しかも痙攣はやがて右足の大腿部にも起き始めた。
おいおい、冗談じゃないよ。せっかくペースを上げて遅れを取り戻し始めた矢先じゃないか。

遥か彼方には「平ヶ岳」が見えている。
あそこの手前まで行けばいいんだ。なんとか夕刻までにあそこまで・・・。
そうは思っていても両大腿部の痙攣なんて自身初めてのこと。
この先どうなっちゃう? これ以上ない不安と焦りだった。

O氏からの提案で、無理せず途中でテントを張り野営するか。それとも勇気ある撤退も選択肢の一つとする。
申し訳ない。情けない。返す言葉がなかったが、引き返すことだけは意地でもしたくなかった。
「行きましょう! 大丈夫。行ける!」
痙攣のせいで自ずと一歩の歩幅が短くなってきている。日暮れ前までにはなんとしても着きたかった。いや、安全のためにもそれまでには到着すべきなんだ。
そう思いながらも、「あ~あ、いつもだったらこの時間は宗次郎と散歩に行ってるのになぁ。昨日の今頃は公園で、なんで今日の同じ時間はこんなにつらいんだ。」
などと身勝手な考えに耽っていた。自分で決めた登山のくせに。