通でがんす

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(旧ブログタイトル:通じゃのう)

江戸の女子旅

2013年08月04日 | 広島の話題
「昨日から今日にかけて、FNS27時間テレビをやっとるのう」

「今年のタイトルは、「女子力全開2013 乙女の笑顔が明日をつくる!!」じゃね」

「「女子力」ということで、今日は「江戸の女子旅」について話をしてみようと思う。元ネタは、今年の7月、南区宇品(うじな)にある県立広島大学の企画展示「旅人が見た厳島―忘れられた風景―」じゃ」





「宮島学センター」県立広島大学



「江戸の女子旅?」

「時は天保(てんぽう)12年(1841年)というから、今から172年前、江戸時代も終わりのころのこと。仲良し50代女性4人が、供の者、いわゆる荷物持ち兼ボディガードといったところの男性3人を引き連れて旅に出るんじゃ」

「50代の女性だけで!? どこからどこまで?」

「筑前(ちくぜん)の国、今の福岡県から、三重県伊勢市にあるお伊勢参りに出かけ、ものはついでと栃木県日光市にある日光二荒山神社(にっこうふたらさんじんじゃ)まで足をのばす」

「福岡から日光まで? それって、とんでもない距離があるんじゃない?」

「陸路と海路をあわせて5か月、計800里(り)にもおよぶ長旅じゃったそうな」

「すごいねぇ。ところで、里って、歴史で勉強したけど、何キロじゃったっけ?」

「1里は、約4キロじゃの」

「ということは…、約3200キロ!?」

「わしゃ毎朝、広島駅北口(新幹線口)を通るが、バス旅行に参加する人を見とると、女性のほうが圧倒的に多いもんの」

「女性は、友達と一緒に、話をしながらじゃったら、たいていのことはできるけぇね」

「ちなみに、この旅は、商家「米伝」の桑原久子が企画して、歌仲間で商家「小松屋」の小田宅子(いえこ)たちと連れ立って出かけたもの。女性の年齢をいうのもあれじゃが…、桑原久子は51歳、小田宅子は53歳じゃったそうな」

「旅の距離もすごいけど、年齢もすごいね。170年くらい前の、51歳と53歳じゃろ。そういや、この旅の元ネタってあるん? 書き残したものとか、なにか…」

「桑原久子は『二荒詣(ふたらもうで)日記』(1844年)を、小田宅子は『東路(あずまじ)日記』(1851年)を、それぞれ書き残しとってんじゃの」

「『二荒詣日記』というのは、日光の二荒山神社まで行っちゃったけぇつけた題名じゃろうね」

「この日記に、宮島に来たときの様子が書かれとるんじゃ」



四日、厳島ノ御社に詣で、みこの神楽をみる、またこゝにて鏡ノ餅を給はりける、

かさぬべきちよの鏡のもちひにも神のめぐみのみゆるうれしさ

(桑原久子『二荒詣日記』)



五日、また神の前に詣づれば、正月のかゞみもちひなりとて神司より玉ふ、尊くおぼえて、

旅ごろもつゝむにあまるたふとさよ神の鏡のもちひとおもへば

(小田宅子『東路日記』)


(以上、企画展示「旅人が見た厳島―忘れられた風景―」パンフレットより)




「あれ? ふたりの日記の日付がずれとるんじゃない?」

「どちらかが、間違っとってんじゃろうの。ほいじゃが、この前日、岩国から船で宮島に渡ってきて、この日に厳島神社に詣でて鏡餅をもらっている、というのは確かなようじゃ」

「ふたりは歌仲間というとったけど、日記の中にも歌を書かれとってんじゃね」

「宮島にいるあいだ、雨が降っとって船が出んかったけぇ、何日か待ちぼうけをくらわされたんじゃと。ほいで、宮島を出たあとは、音戸(音頭)の瀬戸に向かわれたそうじゃ」

「このあたりは、船旅じゃったんじゃね」

「大阪から東は、東海道もあるし、歩きになるんじゃがの」





「今日は、江戸の女子旅について話をさせてもらいました」

「ほいじゃあ、またの」
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「シネツイン新天地」閉館へ

2013年08月01日 | まんが・テレビ・映画
いつもご愛顧のほど、御礼申し上げます。

さて、昨年同時期にシネツイン新天地の存続問題ではおさわがせいたしました。

約1年間、力を尽くしましたが、動員減少は解消されず、様々な理由もあり、閉館を決意致します。

多大なる応援を頂戴したのですが、おこたえ出来ず申し訳ございません。


閉館劇場:シネツイン新天地

閉館日:年内予定(詳細は改めてお知らせします)


(「シネツイン新天地 閉館のお知らせ」広島の映画館サロンシネマ、シネツイン、八丁座の広島地場劇場運営会社【序破急】)




「ありゃま、「シネツイン新天地」も閉館するんかいね」

「いやー、いつかくると覚悟はしとったんじゃが、やっぱりこの日が来てしもうた」

「「シネツイン新天地」は、いつからやりよるんじゃったっけ?」

「2004年からじゃ。「シネツイン新天地」は、「八丁座」や「サロンシネマ」、「シネツイン本通り」など4つの映画館を運営する序破急が経営する映画館のうちの1つなんじゃの」

「ここは、もとは「広島宝塚」があったところよね?」

「1952年、映画館「新天地劇場」としてスタートした後「広島宝塚4」になって、その後、「シネツイン新天地」になったんじゃ」

「「広島宝塚(1・2・3)」も、2011年8月に閉館したよね」

「「シネツイン新天地」は、「新天地劇場」の時代から数えて61年の歴史に幕を下ろすことになるんじゃの」





「ところで、「昨年同時期にシネツイン新天地の存続問題ではおさわがせいたしました」と書いてあるけど、なにかあったん?」

「序破急は毎月、『End Mark』という、その月に上映する映画を紹介する冊子を出しとるんじゃが、この冊子の2012年8月号に、こう書いてあったんじゃ」





(『End Mark 2012年8月号』)



「うーん、衝撃的な内容じゃね」

「映画館の入場者数が減ってとるので、実入りが減っとる」

「中国新聞によると、2007年には1年で6万人以上の動員があったそうじゃけど、2010年以降は3万人台で、今年も6月までの半年で1万4千人、じゃそうなね」

「序破急は、映画館をテナント、つまり賃貸契約で借とるけぇ、毎月毎月、家賃を払わにゃいけん」

「お客さんが減ったら、収入も減るよね」

「よそ(八丁座・サロンシネマ)のもうけをつぎ込むわけにもいかんけぇ、シネツイン(本通り・新天地の2館)の「どちらかを見切らなくてはならないかも知れ」ん状況にあるということじゃ」

「うーん」

「これが、8月号。9月号には途中経過が書いてあって、そして10月号には…」





(『End Mark 2012年10月号』)



「おー、映画館の経営を続けていくことを宣言しちゃったんじゃね」

「わしゃ、当事者じゃないけぇ、詳しいことは、わからん。ほいじゃが、このことがあってから、わしゃ意識して「シネツイン新天地」で映画を観てきたんじゃ。この1年間に観た映画は…」



『おおかみこどもの雨と雪』
(2012年10月上映、2012年、日本)

『大脱走』
(2012年11月上映、1963年、アメリカ)

『のぼうの城』
(2013年1月上映、2011年、日本)

『レ・ミゼラブル』
(2013年1月上映、2012年、イギリス)

『ルパン三世 カリオストロの城』
(2013年5月上映、1979年、日本)

『復讐するは我にあり』
(2013年6月上映、1979年、日本)




「やっぱり、「閉館するかもしれん」という危機感から?」

「自分の好きな作家を応援しようと思うたら、その作家の作品を見たり、読んだり、買うたりするじゃろ?」

「作品が売れれば、次の作品を作らせてもらえるけぇね」

「それと同じこと。わしが「シネツイン新天地」で1本でもたくさん映画を観りゃ、実入りが増える。そげなたいそうな額じゃないが、実入りが増えりゃ、経営が少しでもようなって、映画館を経営していくことができるわけじゃ」

「そうじゃね。で、今後はどんな映画を上映してんじゃろか?」

「ホームページによると…」



『禁じられた遊び』
(8月3日より上映、1952年、フランス)

『AKIRA』
(8月10日より上映、1988年、日本)

『王立宇宙軍 オネアミスの翼』
(8月24日より上映、1987年、日本)




「出た! 『禁じられた遊び』。映画を観てなくても、テーマ曲は誰もが聴いたことがある名曲」

「ギターを手にした人なら、一度は弾いてみるという曲じゃ」

「『AKIRA』といえば、日清カップヌードルのコマーシャルにも使われとったね」

「正しくは、『AKIRA』の原作者:大友克洋(おおとも かつひろ)氏が参加した『FREEDOM』。大友氏といえば、最新映画『SHORT PEACE』も上映中じゃの。広島では9月からの上映になるそうじゃが…」



↓『FREEDOM』については、こちら↓

(『FREEDOM-PROJECT.JP』)



↓『SHORT PEACE』については、こちら↓

(『映画『SHORT PEACE』オフィシャルサイト』)



「そして、あのGAINAX(ガイナックス)が制作した映画『王立宇宙軍 オネアミスの翼』」

「ガイナックスといえば、あの『新世紀エヴァンゲリオン(現在、制作・上映中の映画では『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』)』を制作した会社でもあるよね」

「どうせなら、『浮浪雲』(1982年)や『幻魔大戦』(1983年)、『カムイの剣』(1985年)も上映してほしいのう。あと、押井守(おしい まもる)監督の『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(1984年)、 『天使のたまご』(1984年)に『機動警察パトレイバー2 the Movie』(1993年)も観たい。ほいから、『宇宙戦艦ヤマト』(1977年)や『伝説巨神イデオン 接触篇・発動篇』(1982年)は押さえておきたいしのう…」

「…はいはい。話の収集がつかんようになりそうなけぇ、今日はここまでね」





「今日は、年内で閉館予定の「シネツイン新天地」について話をさせてもらいました」

「ほいじゃあ、またの」
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