桑田次郎『ウルトラセブン(上)』裏表紙(パンローリング 2004年)
エレキング
湖のひみつ
ウルトラセブン第3話
「ウルトラセブンの第3話「湖のひみつ」に出てくるのが、エレキングという怪獣」
「怖い怪獣というより、どことなく愛嬌のある怪獣のような」
「エレキングはピット星人が操る怪獣なんじゃが、木曽谷にある吾妻湖で育てられとったんじゃ」
「怪獣を育てる?」
「一度は釣り人に釣り上げられるんじゃが、これは大変とばかり、少女に変身したピット星人が逃がしたんじゃの」
「湖で育てられた怪獣いうのも珍しいんじゃない?」
「それが巨大化して、エレキングになる」
「そこへウルトラセブンがやってきて、戦いが始まる」
「ところが、セブンは来んのじゃ」
「なんで?」
「モロボシ・ダンは、少女に変身したピット星人にウルトラアイを盗まれて、変身できん!」
「…ダンって、女性に弱いん?」
「この話以外にも、女性がらみでウルトラアイを盗まれて変身できん、というシチュエーションが何度も出てくるんじゃ」
「そんな軟弱なヒーローがおってもええんかいね?」
「というより、ヒーローが変身できない! この局面をどう打開する!? というストーリー展開を狙ってのものじゃろうの」
「で、この局面はどう打開したん?」
「ダンはカプセル怪獣・ミクラスを出して、エレキングと戦わせた」
「カプセル怪獣?」
「ダンが持つ小さなカプセルに入った怪獣のことで、エレキングのほかにも、ウインダム、アギラがおるんじゃ」
(同上)
「手前がエレキングで、奥がミクラス」
「ミクラスの顔は、なにかの仮面のようにも見えるけど?」
「古代インカ帝国の神面(しんめん)をモチーフにされとるそうじゃ」
「エレキングはテレビのと違うとらん? 口に牙、手には長い爪があるし」
「どういう理由かは知らんが、違うとるのう。あと、エレキングの体の色って白なんよの」
「白いいうて、最初の写真じゃ黄色じゃん」
「エレキングは最初、体の色が白で模様が黒というものじゃったのが、途中で黄色くなったんじゃ」
「体の色が白で模様が黒って、牛みたいじゃね」
「エレキングはホルスタインを、ミクラスはバッファローを、それぞれモチーフにしとるという説もあるんじゃの」
「えーっと、エレキングの体の色は「白」いう話じゃったよね」
「もともと白かったのが、エレキングとミクラスが戦う湖の水に入れとった着色剤に染まって色が変わった、ということなんじゃ」
「着色剤?」
「セットの湖に水道水を入れると、湖は透明なままで湖らしゅう見えん。そこで、緑色の着色剤を入れて、それらしい色にしたということらしい」
【参考文献】
『別冊映画秘宝 ウルトラセブン研究読本』洋泉社 2012年
「今日は、『ウルトラセブン』第3話「湖のひみつ」に出てくる怪獣・エレキングについて話をさせてもらいました」
「ほいじゃあ、またの」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます