「先日、広島大学医学部の医学資料館に行ってきた」
「南区にある広島大学霞キャンパス、広島大学病院があるところじゃね」
「そこに展示してあったのが、国の重要文化財でもある、身幹儀(しんかんぎ)」
「身幹儀…?」
「これじゃ!」
「ガイコツ…じゃない、骨格模型いうやつ?」
「これは、日本で初めての、木で作った等身大の骨格模型。木の骨格模型じゃけぇ、「木骨(もっこく)」ともいうそうじゃ」
「等身大? 身長はどのくらいあるんじゃろ?」
「推定身長は、161センチ。もちろん、展示してあるのはレプリカじゃが、本物もちゃんと残されとるんじゃ」
「この木骨は、いつごろ作られたんかね?」
「江戸時代も中ごろの寛政4年(1792年)」
「寛政いうたら、松平定信(まつだいら さだのぶ)が寛政の改革(かんせいのかいかく)をしたころか…」
「この木骨は、広島の町医者じゃった星野良悦(ほしの りょうえつ)が、工人の原田孝次に作らせたもの。ほいじゃけぇ、「星野木骨」とも呼ばれとるそうじゃ」
「「身幹儀」いう名前は誰がつけちゃったん?」
「『解体新書(かいたいしんしょ)』の訳者として知られる、蘭学医(らんがくい)・杉田玄白(すぎた げんぱく)」
「おぉ…。解体新書に杉田玄白! 久しぶりに聞く名前じゃね」
「寛政10年(1798年)の秋、良悦はこの木骨を持って江戸に行って、杉田玄白やその弟子・大槻玄沢(おおつき げんたく)たちに見せた。彼らは、その正確さ、精巧さに驚き、絶賛して「身幹儀」と名付けたそうじゃ」
「それだけ精巧なものじゃったら、作るのは大変じゃったろうね」
「この木骨は神経組織や血管が通る穴までも復元されとって、完成するまでに300日もかかったということじゃ」
「それはすごい。でも、なんでこれが残っとるんじゃろ?」
「明治になって、旧浅野藩(広島藩)の藩医じゃった後藤家が所蔵することになった。戦争中は三滝(みたき)にある薬草園・日渉園(にっしょうえん)に疎開しとったけぇ、原爆の被害にあうこともなく残っとるそうじゃ」
「なるほどね」
「最後に、星野良悦の名前で気になったんじゃが、江戸時代のお医者さんの名前には「良」がつく人が多いような気がするのう」
「そういや、漫画家・手塚治虫(てづか おさむ)のおじいさんも「良仙(りょうせん)」いう名前で、お医者さんじゃったよ」
「『陽だまりの樹』という漫画にも描かれとったよの。正しくは、曽祖父(そうそふ)、ひいおじいさんにあたるそうじゃ」
「あと、TBSドラマ『JIN-仁-』にも、松本良順(まつもと りょうじゅん)いうお医者さんが出られとったね」
「なにかいわれがあるんじゃと思うんじゃが、ぼちぼち調べてみようかの」
↓身幹儀については、こちら↓
「星野木骨」広島大学
訪問日:2014年3月8日
「今日は、広大医学部の医学資料館に展示してある国の重要文化財・身幹儀について話をさせてもらいました」
「ほいじゃあ、またの」
「南区にある広島大学霞キャンパス、広島大学病院があるところじゃね」
「そこに展示してあったのが、国の重要文化財でもある、身幹儀(しんかんぎ)」
「身幹儀…?」
「これじゃ!」
「ガイコツ…じゃない、骨格模型いうやつ?」
「これは、日本で初めての、木で作った等身大の骨格模型。木の骨格模型じゃけぇ、「木骨(もっこく)」ともいうそうじゃ」
「等身大? 身長はどのくらいあるんじゃろ?」
「推定身長は、161センチ。もちろん、展示してあるのはレプリカじゃが、本物もちゃんと残されとるんじゃ」
「この木骨は、いつごろ作られたんかね?」
「江戸時代も中ごろの寛政4年(1792年)」
「寛政いうたら、松平定信(まつだいら さだのぶ)が寛政の改革(かんせいのかいかく)をしたころか…」
「この木骨は、広島の町医者じゃった星野良悦(ほしの りょうえつ)が、工人の原田孝次に作らせたもの。ほいじゃけぇ、「星野木骨」とも呼ばれとるそうじゃ」
「「身幹儀」いう名前は誰がつけちゃったん?」
「『解体新書(かいたいしんしょ)』の訳者として知られる、蘭学医(らんがくい)・杉田玄白(すぎた げんぱく)」
「おぉ…。解体新書に杉田玄白! 久しぶりに聞く名前じゃね」
「寛政10年(1798年)の秋、良悦はこの木骨を持って江戸に行って、杉田玄白やその弟子・大槻玄沢(おおつき げんたく)たちに見せた。彼らは、その正確さ、精巧さに驚き、絶賛して「身幹儀」と名付けたそうじゃ」
「それだけ精巧なものじゃったら、作るのは大変じゃったろうね」
「この木骨は神経組織や血管が通る穴までも復元されとって、完成するまでに300日もかかったということじゃ」
「それはすごい。でも、なんでこれが残っとるんじゃろ?」
「明治になって、旧浅野藩(広島藩)の藩医じゃった後藤家が所蔵することになった。戦争中は三滝(みたき)にある薬草園・日渉園(にっしょうえん)に疎開しとったけぇ、原爆の被害にあうこともなく残っとるそうじゃ」
「なるほどね」
「最後に、星野良悦の名前で気になったんじゃが、江戸時代のお医者さんの名前には「良」がつく人が多いような気がするのう」
「そういや、漫画家・手塚治虫(てづか おさむ)のおじいさんも「良仙(りょうせん)」いう名前で、お医者さんじゃったよ」
「『陽だまりの樹』という漫画にも描かれとったよの。正しくは、曽祖父(そうそふ)、ひいおじいさんにあたるそうじゃ」
「あと、TBSドラマ『JIN-仁-』にも、松本良順(まつもと りょうじゅん)いうお医者さんが出られとったね」
「なにかいわれがあるんじゃと思うんじゃが、ぼちぼち調べてみようかの」
↓身幹儀については、こちら↓
「星野木骨」広島大学
訪問日:2014年3月8日
「今日は、広大医学部の医学資料館に展示してある国の重要文化財・身幹儀について話をさせてもらいました」
「ほいじゃあ、またの」