「おぉ、MO(エムオー。光磁気ディスク)は久しぶりに見たよ。お父さん、まだ持っとったん?」
「いや~、何年も使(つこ)うとらんのじゃが、なんか捨て辛(づろ)うてのう…」
「なんでまた、今日はMOの話なん?」
「昨日、シネツイン新天地で『機動警察パトレイバー』の上映があったんじゃが、その中で、パソコンデータの記憶媒体やレイバー(土木作業用ロボット)の起動ディスクとして使われとったのが、このMOじゃった」
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「なんせ、今から25年くらい前の映画じゃけぇ、MOを当たり前のように使いよったんじゃ」
「…あぁ、そうか。今のように、USBメモリーや外付けのハードディスク(HDD)が普及してないころじゃね」
「MOは、「大容量フロッピーディスク」とも呼ばれとった」
「記憶容量って、どれくらいあったっけ?」
「フロッピー(3.5インチフロッピーディスク)の記憶容量が、1.44MB(メガバイト)。これに対して、フロッピーと同じサイズで、少し厚みのあるMOの記憶容量は、128MB~2.3GBあったんじゃの」
「単純に言うと、1枚のMOにフロッピー100枚以上のデータが入ることになるよ」
「ちなみに、わしが持っとるMOは、640MBじゃった」
「文字どおり「大容量」! じゃったけど、今はUSBメモリーでも1TB(テラバイト)あるんじゃけぇ、比較のしようもないね…」
「ウィキペディアによると、MOが発売されたのが1988年(昭和63年)で、わしがMac(マック。マッキントッシュ)を使い始めたのが、1992年ころ」
「文章のデータだけならフロッピーでもOKじゃけど、画像データなんかが入ると、全然足らんかったね」
「ほいじゃけぇ、容量の大きなデータの保存にはMOが使われたんじゃ。MacにはZip(ジップ)搭載型もあったんじゃが、日本ではMOが主流じゃったけぇ、使うことはなかったのう」
「…Zipって、何?」
「1990年代中ごろ、アメリカのアイオメガ社によって開発されたリムーバブル磁気ディスクメディアのことじゃ。記憶容量が100MB以上あって、データの転送速度も早かったけぇ、世界中で普及したらしい。が、日本は企業を中心にMOが主流じゃったこともあって普及せんかったんじゃ」
「へぇ」
「あと、MOの信頼性の高さということでいうと、データを通信で送ったりせず、MOに保存して納品しよった会社もあったのう」
「今じゃったら、CDでもあるじゃろうに」
「MOに書き込むの方が、CDに書き込むより信頼性が高いいうことで、MOを使われとったんじゃ」
「MOを裏側から見たところ」
「MOディスクを、外付け型ドライブにセットしたところ」
「MOディスクとケース」
「フロッピーやMOは、ケースと一緒に売りよったよね」
「このタイプの卓上カレンダーは、ここから発想して作ったんかのう?」
「今日は、かつてパソコンのデータ保存に使われていた記憶媒体、MOについて話をさせてもらいました」
「ほいじゃあ、またの」