「昨日は、福屋広島駅前店へ『仮面ライダーアートギャラリー』を見に行ってきたんじゃ」
「どうじゃった?」
「1971年(昭和46年)、今から42年前にテレビ放送と、まんが連載が始まった作品じゃけぇ、今さら未公開の写真や資料が出てくるわけでもない。正直、今まで雑誌などで見た資料や写真がほとんどなんじゃの。それでも、やっぱり見に行ってえかった」
「たとえば?」
「石森章太郎(=石ノ森章太郎。いしのもり しょうたろう)の描く、まんが第1話の冒頭37ページ分の複製原稿が展示されとるんじゃ」
「あぁ。お父さんが、「カラーで見たい」と言ってるやつじゃね」
「単行本では白黒で印刷されとるんじゃが、メディアファクトリーが発行した『仮面ライダー(全3巻)』(1999年)は、カラー原稿の部分が、カラーで復元されとるんじゃの。これは、比治山(ひじやま)にある広島市まんが図書館に行けば、見ることができるぞ」
↓広島市まんが図書館については、こちら↓
広島市まんが図書館
「ちなみに、まんがは「週刊ぼくらマガジン」(講談社)に掲載されとったんじゃが、週刊誌にもかかわらず、第1話は、16ページのカラーを含めて全50ページ!」
「週刊誌なのに、50ページ! すごい力の入れようじゃね」
「会場の中には、ライダーが展示してあって、そこで写真が撮れるようになっとるんじゃの」
「おー、1号ライダー」
「正確には、ラインの入っていない旧1号ライダーじゃ」
「このころは、まだ「変身」じゃなかったんよね」
「「変身!!」の掛け声とともに、「変身ポーズ」をとり始めたのは、一文字隼人(いちもんじ はやと)の2号ライダーからじゃの」
「わしゃ、サイクロンの独特のフォルムと、カラーリングが好きじゃの」
「V3に…」
「アマゾン」
「これは?」
「ご存じ、ショッカーの手術台」
「そうか。この手術台の上で、本郷猛(ほんごう たけし)たちが、改造手術を受けるんじゃったね」
「仮面ライダーでは、ウルトラマンの「怪獣」に対して、「怪人」という名称もあった。ほいじゃが、ショッカーによって改造された人間、「改造人間」という名称のほうが、心ならずも悪の手先にされてしもうた人間の哀しみが出とって、わしゃ好きなんじゃ」
「上に見える、白衣らしきものを着て、マスク、手袋をしている人が…」
「改造手術を行ったショッカーの科学者グループじゃろうの」
「手術台の横には、子ども向けに
「だいのうえで て を ひろげて しゃしん を とってね」
と書いてあるよ」
「正確には、両手両足を広げて立ち、苦痛の表情で、顔を左右に振る。ここに黄色や赤色の、原色系のスポットライトを当てて、以下のナレーションが流れると、もっと雰囲気が出るんじゃがの」
仮面ライダー本郷猛は改造人間である。
彼を改造したショッカーは、世界征服を企む悪の秘密結社である。
仮面ライダーは人間の自由のために、ショッカーと闘うのだ!
「…そこまでマニアックにやらんでもええじゃん」
「これは、ショッカーのエンブレムじゃね」
「翼を広げたワシをイメージしたものじゃの。このライトが点滅して、納谷吾郎(なや ごろう)演じるショッカー首領の声が聞こえてくる、というわけじゃ」
「子どものころ、ショッカーの秘密基地は、暗くて、不気味で、恐かったのを覚えとるよ」
訪問日:2013(平成25年)年4月27日
「今日は、福屋広島駅前店で開催されている『仮面ライダーアートギャラリー』について話をさせてもらいました」
「ほいじゃあ、またの」