通でがんす

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宇宙戦艦ヤマト発進!

2013年04月14日 | まんが・テレビ・映画


「『宇宙戦艦ヤマト2199』(以下、『新作』と略す)のテレビ放送が始まりましたのう」

「何言うとるんね! 『新作』のテレビ放送は先週(4月7日)から始まっとるじゃん!」

「いやー、先週は録画に失敗してのう、『新作』の第1話「イスカンダルの使者」見ることができんかったんじゃ。今日は万全を期して家で待機しとったんじゃがの」

「待機って…。単にカゼをひいて、家で寝とっただけじゃん」

「昨日から、鼻水が出るし、ズル、ズル…。セキは出るし、ゴホ、ゴホ…」

「あーあ、歳は取りとうないね」

「考えてみりゃ、今みたいに録画機能のなかった時代、自分が見たいテレビが放送される時には、家に居(お)るか、テレビのあるところに居るのが当たり前じゃたよのう」

「ラジカセで音声だけを録音したりとか…ね」

「『機動戦士ガンダム』(1979年~1980年)のころはラジカセがあったけぇ録音したりしよったが、『宇宙戦艦ヤマト(以下、『旧作』と略す)』(1974年~1975年)のころは、テレビ放送を見るしかなかったんじゃ」

「うちゃ、テレビの画面をカメラで撮影したりしよったよ」

「そんなんできるんか?」

「もちろん!! オフコースの小田和正(おだ かずまさ)を、写したかったんよ」

「小田さんを写真で撮るって、アルバムに写真が出とったろうに?」

「動く小田さんを撮りたかったんよ。小田さんは、テレビにあんまり出てんなかったけぇね」

「そういや、『旧作』が放送されたころ、8ミリで画面を撮影された方がおったそうじゃ」

「8ミリで?」

「ほうなんよ。ほいじゃが、8ミリでテレビ画面を撮影すると色味が変わるみたいで、セル画を入手して、8ミリの画面を補正しながら楽しみよった、という話を聞いたことがあるよのう」





「ほいで、『新作』の感想は?」

「第2話「我が赴くは星の海原」か? ちょーっと、盛り上がりに欠けましたのう」

「盛り上がりに欠けた?」

「『新作』第2話は、『旧作』の第2話(「号砲一発!!宇宙戦艦ヤマト始動!!」)と第3話(「ヤマト発進!!29万6千光年への挑戦!!」)に相当する。つまり、2話分を1話にまとめとるけぇ、結果として、時間的に足りん部分が出たんじゃないんかのう」

「たとえば?」

「たとえば、ヤマトの存在に気づいたシュルツ司令が、冥王星基地から惑星間弾道弾(『旧作』の超大型ミサイル)を発射してから、宇宙戦艦ヤマトが発進するまでのシーン」

「うちには、よう分からんけど…」

「『旧作』では、超大型ミサイルがヤマト目指して飛んで来るんじゃが、肝心のヤマトはまだ発進することができん」

「早いとこ逃げるか、ミサイルを打ち落とさにゃいけんじゃん」

「エネルギー充電100%でエンジンを始動させようとする島大介(しま だいすけ)に、沖田艦長はこう言うんじゃ」



沖田 「エンジンの始動は、一発でしなければならない。万一、失敗したら、取り返しがつかなくなるんだぞ!」

(松本零士・西崎義展『宇宙戦艦ヤマト全記録集 TVシナリオ版』1979年 株式会社オフィス・アカデミー)




「そういうもんかねぇ…」

「そういうもんなんじゃ! で、司令部から「ヤマトはまだ動かないのか!?」の催促にも、「待てと伝えろ」と言うんじゃの」

「えぇ、ジリジリしてくるねぇ…」

「で、エネルギー充電120%になったヤマトはエンジンを始動するんじゃが、エンジンが…動かん」

「何をしよるんかいね!?」

「調べてみたら、島が連動スイッチを入れるのを忘れとったんじゃ」

「あー、もう!」

「もう1回、エンジンを始動するんじゃが…」

「…」

「…」

「…あー、もう!! どうなっとるんかいね!?」

「静寂の中から、エンジンの始動音が聞こえてくるんじゃ」

「やった!!」

「エンジンが始動して、ヤマト発進! 同時に、主砲を発射する準備をして…」



古代 「目標、超大型ミサイルはヤマトの軸線上にのりました!」

沖田 「主砲発射!」

古代 「発射!」

(同上)




「超大型ミサイルがヤマトに命中するよりも一瞬早く、ヤマトが主砲を発射! ……そして起こる大爆発!!」

「…」

「…」

「…ヤマトは?」

「大爆発の黒煙と炎の中から、ヤマトの勇姿があらわれるんじゃ」



参謀 「ヤマトだ! --ヤマトですよ!」

最高司令 「ヤマト!!」

(同上)




「ほーっ」

「という感じで、『旧作』では手に汗握るシーンなんじゃ。こうやって、ひとつひとつの困難を乗り越えて、ストーリーが進んでいくんじゃの」

「ほうじゃね」

「ところが、これが『新作』になると…。エンジンはサーシャから届けられた波動コアをセットするからOK。電力が不足していても、世界中から電力を供給してくれるからOK。大爆発の中からも、あっさりと出てきてOK」

「…なんじゃ、そりゃ?」

「もちろん、スタッフの方たちは意識してされとってんじゃろうし、それを否定するつもりもない。ほいじゃが、『旧作』を知っとる者にとっては、「盛り上がりに欠ける」んじゃの」

「リメイクって、難しいねぇ」

「難しいと思うで。特に『ヤマト』は、思い入れのある方がたくさんおってじゃけぇの」

「確か、『旧作』は26話じゃったと思うけど、『新作』は?」

「『新作』も、26話の予定じゃ。わしも今回は「ラピュタ作戦」を取っとるけぇ、最後まで楽しめると思うで」

「ラピュタ作戦?」

「映画『天空の城ラピュタ』(1986年)が上映される時、宮崎駿(みやざき はやお)ファンの友人が、「事前の情報なしに、無垢(むく)の状態で映画を楽しみたい」言うて、アニメ雑誌なんかの情報を事前にシャットアウトして映画を楽しんだ、というものじゃ」

「なんじゃ、そりゃ?」

「テレビ番組は、放送される時間に楽しまんといけんよの」





↓『宇宙戦艦ヤマト』についての関連記事は、こちら↓

夕日に眠る 戦艦大和

西崎義展と宇宙戦艦ヤマト






「今日は、「宇宙戦艦ヤマト発進!」ということで、『宇宙戦艦ヤマト2199』第2話「我が赴くは星の海原」について話をさせてもらいました」

「ほいじゃあ、またの」
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