平和1丁目 ~牧師室より~

福岡市南区平和にあるキリスト教の平尾バプテスト教会の週報に載せている牧師の雑感

2009年9月20日 鍛錬

2009年11月12日 22時34分32秒 | Weblog
      鍛 錬

 身内の自慢めいた話をするのは多少気が引けるが、私の五歳年上の長兄は72歳を過ぎた今でも虫歯が一本もなく、自分の歯すべてが健在である。そして驚いたことに、兄嫁にもまたまったく虫歯がない。

 私が大学生だった頃、当時80歳近かった母教会の目白ヶ丘バプテスト教会牧師の熊野(ゆや)清樹先生に、先生がとてもきれいな歯をしておられたので「ご自分の歯ですか」とお尋ねしたとき、「そうだよ、自分の歯だよ」と言われて驚いたことがあるが、それは「入れ歯だけど、でも自分のものだ」というジョークであった。兄たちの場合には、生来の「自分の歯」がすべて健康なのである。

 兄弟とは言ってもずっと離れて暮らしてきたので、彼らがどんな生活習慣の中にあるのかまったく知らなかったのだが、数年前に偶然、兄が就寝前に2、30分かけて入念に歯磨きをしているのを目撃して、ああ、立派な歯の存在の背後にはこのような「努力」の積み重ねがあったのだ、と認識させられた。私はと言えば、治療はもちろんしてあるが、虫歯だらけである。最近当教会員のM.N兄(福岡歯科大の先生)のご好意で、徹底した歯のチェックと治療をしていただいたのだが、唯一褒められたのは、私の年齢で親知らずが四本すべて揃っているということであった。ただしそのあとにM先生は、「でも親知らずはあってもなくてもいいものなんですけどね」と笑いながら続けられた。

 先生は、丁寧に毎食後に歯磨きをするように、そして就寝前には小さな「歯間ブラシ」や歯垢(しこう)除去用の特別な糸をも使用して徹底した歯磨きをするように、指導してくださった。そうしておかないと、ある日突然多くの歯が一斉に瓦解してしまうとのことだった。

 9年連続200本安打という大リーグ新記録を達成したイチロー選手の背後にあるという驚くべき日々の「鍛錬」の百分の一でもよいから、歯磨きにおいてのみならずすべての面で私も、「自分のからだを打ちたたいて従わせる」(第一コリント9・27)という「鍛錬」「努力」をなし続けていきたいと思う。


青野師