晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

あなしら上林18  6/9

2016-06-09 | あなしら上林

 2016.6.9(木)雨 あなしら上林17は2016.2.27
  三、上林の盃状穴その七 善福寺-(1)

 睦合町引地(ひきじ)の善福寺は高野山派真言宗の古刹である。川端二三三郎先生に盃状穴の話をしたところ、「善福寺にはいっぱいあるで」と光明寺の住職に紹介いただいた。これまでに発見した盃状穴はいずれも神社で、寺院では発見できていないので期待して調査に行く。(善福寺-①)

 府道から善福寺参道を見ると急な石段が天を突いている。石段の下に行くとあるわあるわ、大きくてはっきりした盃状穴が無数に穿たれている。
 はやる心を抑えて参道入り口から観察を始める。参道入り口右手には愛宕山の石灯籠があり、その前面に「国廿九番」と刻んだ石碑がある。丹波西国三十三所観音霊場二十九番の意味だろう。どちらも自然石で年代などはわからず、盃状穴は見られない。左の石灯籠は秋葉山のもので、表面に「文政九年戌年六月日」と書かれているそうだ。(上林風土記)問題はその基礎の部分で、周囲に完全なもの5個、不完全なもの5個の盃状穴が見られる。なお裏面の一部はコンクリートで補修されており、その中にも盃状穴があるものと予想される。
 その灯籠の前に石柱と用途不明の石造物があり、石柱の頭部に7個、石造物に4個と不完全なもの2個が発見される。

(善福寺-②)(善福寺-③)(善福寺-④)
 なお、石柱には「郡〇十三番」と書かれているように見えるのだが、何鹿郡三十三ヶ所札所が室町時代以降にあったそうで、郡(こおり)〇〇番と書かれているようだ。
 石段、手水鉢の縁、灯籠の基礎にこれまで発見してきたが、石柱、石碑の頭部に穿たれた盃状穴は初めてである。
                                       上林たんけん隊(カフェじょんのび内)

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