晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

上林川の岩石(2) 5/3

2012-05-03 | 歴史・民俗

2012.5.3(木・祝)曇

 磁石を持って河原を歩くといろんな石に当ててみるとどの石に磁性があるか分かってくる。最も多くあり、磁性のある確率の高いのは、はんれい岩である。ただし、この石がはんれい岩であるというのは最近知ったことである。次に多いのは輝緑凝灰岩か赤色チャートである。赤色チャートは上林の赤石と言われるもので、これは当初から知っていた。そのうち一般的な砂岩などでも磁性のあるものが発見され、種類的には数多くの岩石に磁性があることが解ってきた。
 あらゆるところにネオジウム磁石を持参し、やたらくっつけ回す。若丹国境の丸山のサンドラ岩も、老富でもらった庭石にも磁性があった。庭石にもらった玄武岩にも円山川の玄武洞の玄武岩も磁性がある。
 では上林川以外の河川ではどうなんだろうとあらゆる機会に磁石を持ち出して河原の石で試してみる。全然反応がない、やはり上林川に磁性の強い岩石が多いのだろうか。P1010622
 
上林川で磁性のある岩石、種類としては五種類ぐらいだろうか、はんれい岩が圧倒的に多い。


 大江の元伊勢内宮から天岩戸神社を訪れたとき、折からの大雨で宮川の河床には降りることもできず、掘削された林道の岩石を持ち帰ったところ、しっかりと磁性があった。Img_3774
Img_3814



 宮川沿いの林道、城山の奥には鉄滓の出ている北原遺跡がある。右の写真は拾った石。

 銅や鉄の鉱山として著名な大江山の麓の道端の石に磁性があるというのは、磁性があることと製鉄というのが関連があるのではと思わせるものである。
 何百個という磁性のある岩石をひろってきたが、さてその岩石がなんであるかが解らないのでは始まらない。いくつかの図鑑を買ってページを繰るが一向に何か解らない。解っているのは赤色チャートだけである。
 小滝先生にお会いしたのは画期的な出来事であった。名前も分からない石をこれ以上集めていても進展は得られないからである。これ等岩石の正体と製鉄の可能性について専門家の意見を聞きたかった。つづく

【作業日誌 5/3】
草刈り(1/3)
ジャガイモ芽かき

今日のじょん:じょんじょん発見シリーズ
 といってもわたしが発見しているのだが、じょんとの散歩がなければわざわざ行かないところばかりなのでやっぱりじょんの発見と言っていいのかも、、。
 先日雨読「古代の製鉄」で書いた「三碓(みつがらす)」の地名由来となっている石に開いた小穴について、わたしは水銀を得るための辰砂の石臼と解いたのだがそれに似たものを発見した。
 河牟奈備神社の鳥居の敷石に奇妙な凹みを発見したのだ。つづくP1010601

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上林川の岩石(1) 5/2

2012-05-03 | 歴史・民俗

2012.5.2(水)雨

 上林が古代の鉄の産地であろうという考えはアマチュアの歴史研究家、地名研究者などの間で語られていることだが、確たる証拠も無いしそういった文献が出ているわけでも無い。地元にも熱心な歴史家、郷土史家と言われる方が幾人かおられるが、中世近世の歴史についてはかなり綿密に解明されているようだが、古代のしかも金属に関することなど雲をつかむような状態である。つまり上林の金属生産に関する歴史はわたしも含めて単なる好事家の夢想のような状態である。
 民俗学的、地名学的にはそれなりに根拠が発見されても所詮情況証拠でしかあり得ない、目に見えるもの、実体のあるものを発見したいという欲求は日増しに高まってくる。
 鉄が精製されるには砂鉄にせよ鉄鉱石にせよ鉄の原料が必要だ。そして燃料、そして環境である。燃料と環境については別の機会に詳しく書いてみたいが、充分に揃っていると考えられる。原料については学界の主流であろう朝鮮半島などへの依存といってしまえば話はそこで終わってしまう。輸送と言うことを考えれば、山を越えた上林で精製する必要は何も無い。もし製鉄が考えられるならば、それは地元原料を使った極めて原始的な、貧弱な野たたらであろうと考える。そうなるとその遺跡を探し当てれば決定的な証拠になるのだろうが、それこそ不可能といえる確率だろう。
それならば原料となり得る鉱物、鉱石を探せば良いわけなのだが、古代の坑道なんて残っているわけで無く、山砂鉄が産する様な場所も見当たらない。第一上林には花崗岩系の岩はなく、採れるとしたら安山岩系の塩基性の砂鉄であろう。P1010261

 
じょんと散歩しながら探し歩く。

 そういった雲をつかむような状態でとりあえず上林川の岩石を観察することにした。その経緯はあらゆる機会に報告してきたので省略するが、とりあえず磁性のあるものを探してきた。つづく

今日のじょん:蝮草のつづき
 茎(本当は茎ではない)にはマムシと同様の紋があり、花(本当は花ではない)はマムシが鎌首をもたげているようである。社務所の裏手に行くといくつも咲いて(?)おり、気味悪いことこの上ない。P1010597 P1010598 P1010599




 帰って調べるとやはり蝮草(まむしぐさ)といって、花の部分が緑なのはカントウマムシグサというそうだ。有毒で、食べると喉が焼け付くようで云々と書いてあるが、これを食べるやつがおるんかなあ。

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