晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

雨読 柳田國男の手紙 9/5

2010-09-05 | 雨読

2010.9.5(日)晴

 「柳田國男の手紙 ニソの杜民俗誌」安間清編著 大和書房1980年9月初版 定価1,700円 (購入価500円)Img_1312
 実は柳田國男の手紙には興味は無く、ニソの杜民俗誌に興味があって購入したものである。事の発端は、上林の歴史文化を辿るとき、丹後、若狭の歴史文化が母体になっていると感じ、調べていくうちにニソの杜を発見したというものである。こんな身近に民俗的に重要な地域があったことを私は知らなかった。また、自転車旅行で沖縄久高島のクボー御嶽を訪れなかったらこれほど興味を持たなかっただろう。Img_2859
 
沖縄ではあらゆるところに拝所がある。これも杜の信仰の一面だろうか。


 ニソの杜は福井県大飯郡大島村、現大飯郡おおい町の大島半島に存在する。この特異な文化の調査をされた記録が本書の後半部分である。昭和24年福知山に赴任しておられた著者が大島村に滞在し、聞き取りや現地調査をされてまとめ上げられたものである。Img_12211

大島半島、ニソの杜はこの山の向こう側。(三松海岸から)


 村の地形や気候、産業など基本的な項目に始まり、村の生活、年中行事など民俗学的な項目、そしてニソの杜に関する調査報告書として丁度郷土誌のようなまとめ方で編集されている。従って具体的な事実や具体的な数字が現れていて、おそらく現在では調べようのない事柄が貴重な資料として残っている。ただし、一般の歴史や民俗の書物のようにいわゆる考察の部分が無いのだ。大島半島にたどり着いた祖先とはどのような民族か、杜の信仰という文化はどのような文化なのかなどと知りたいところであるが、そういう記述はない。おそらく安間氏には考えておられるところがあるのだろうが、具体的な証拠というか資料が少ないために公にされていないのだろうと思う。そして民俗学という分野がまだ未開の分野であったことが、柳田氏に教えを請うという形になり、多くの書簡がのこったものと思われる。この本の主題は柳田氏との書簡を通して柳田氏の人となりを紹介することであって、ニソの杜の調査報告書は付録であると著者も言っておられる。しかし私にとっても、民俗学にとっても付録の方が値打ちが出てきたと思われるのだが。
 ニソの杜については調査研究をすすめて私なりの結論を出したいと思っている。そのことが若狭の歴史文化、しいては上林の歴史文化を紐解く鍵となるであろうと確信するところである。

【作業日誌 9/5】
薪割り2玉

今日のじょん:暑さのせいで運動不足かなあと言われている。朝の散歩は中止し、ぽんぽこぽんだけになっているし、だーっと走ることも無くなった。太ってきていることはないのだが、なんとなくすぐ疲れるような気がする。涼しくなればまた走れるか。Img_1315

夕方散歩から帰ってきていっぷく。

コメント
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