晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

じょんのびロマン(4) 3/10

2010-03-10 | 歴史・民俗

2010.3.10(水)雪

 製鉄の祭祀を行う神社やたたら場は多くが南東斜面に存在しているそうだ。そのことについてはいろんな本に書いてあるのだが、その理由が今ひとつ解らない。自然風を利用した野たたらの場合は風向きが第一条件となる。たたら場の操業は主に冬に行われていたそうだが、そうなると北西の風が主になるので、山からの吹き下ろしの風を利用したのだろうか。ただし風向きというのはその地の地形による場合が多いので、むしろ乾燥度合いを重視したのではないかと思う。たたら炉の作製をみるとその基部などには湿気を嫌う多くの工夫が見受けられる。南東向き斜面は最も暖かく、乾燥した方向ではないか。上林でいくつかの神社を訪れたが、正確に南東を向いている神社は少ない。河牟奈備神社は少し南向きかもしれないが南東を向いている。しかし祭神は製鉄とは無関係のようだ。Img_3701

手前から小杉、才ヶ坪、古川


 河牟奈備神社は大宮の神社として知られているが、実際の住所は古気良10となっている。古気良谷(多分こけらだにと読むのだろうが)は大宮の下の北東に延びる谷のことで、いくつかの住宅と田んぼがある。こけらと読むとしたら、これはどのような意味があるのだろう。杮(こけら、柿とは違う)とは鉋屑などの木の屑のことで、これらを始末して、最初の興業を行うことがこけら落としである。柿(こけら)では地名としては考えにくいが、古鉧ならどうだろう。こういう言葉を聞いたことはないが、鉧(けら)というのは、たたらで生産される鉄の塊である。(その製法を鉧押しという)もし、古気良谷から鉄滓でも発見されれば、「古鉧」もあり得るかもしれない。古気良谷のもう一つ下、井根町に向かう谷のあたりは菱田と呼ばれる。ヒシ、ヘシ、ベシ、ペシは鉄の古語であり、島根県にある飯石川(いひしがわ)はその上流が菅谷であり、菅谷たたら遺跡がある。Img_2954 Img_1490

大宮の東北面(中上林側)と南西面(口上林側)風の通り道となっている。


 風ということについて、その地形を考慮するとしたら、河牟奈備神社のある大宮の峠は非常に特異な地形と思われる。上林は上林川に沿って大変な強風地帯である。特に春先の南風などは異常なほどの風が吹く。一年をとうして、その時の気圧配置や低気圧の位置によって風向は変わるが、川上から吹くか川下から吹くかの二通りである。ところが上林川は神社の前で大きく南に迂回し、大宮の峠(本来の名前は知らない)は中上林、口上林を繋ぐ喉のような地形になっている。両盆地を鞴の袋と見れば、丁度羽口のような地形なのだ。河牟奈備(かんなび)を鉄穴(かんな)と見るのは飛躍のように思えるが、たたらが存在してもおかしくない地形だと思えるのだが、これもロマンである。つづく

 今日のじょん:
冷たい雪が降り続いた、じょんの調子がよろしくないので余計鬱になる。ハナと一緒に病気と闘ったハナパパの気持がやっと我が身のように解ってきた。「癒しのつもりで飼ったのに、心配ばっかししとらんならんで」というマーブルママの言葉も痛いほど解ってきた。ペットロスに陥った山ちゃんの気持も垣間見ることが出来た。食べなくなってもう3日目である。こころなしか顔もげっそりしてきたみたいだ。時には面倒くさいなあと思う散歩も、それが出来なくなると、なんと淋しいものか、、、。明日もこの様子だったら店を休んででも病院に行こうと思っていたら、夕方に少し食べたようだ。明日朝は元気になるだろう。しんどい写真載せると心配かけるので、元気な様子を一発、ジャンプポンポコポン。Img_3926
 

コメント
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