スズキ アルト

２０年ほど前、子供が就職を機に購入したのがスズキアルトという軽自動車だった。
休日になると、冬も夏もエアコンを快適に効かせて、険しい峠道を越えて帰ってきた。
その後の経過は詳しく覚えていないが、我が家の菜園用農業車として移籍し、周囲が同情するほどの酷使に耐え、故障知らずに頑張ってくれた。
小さな装備品一つ一つまでが入念に作られていて、車体は軽自動車とは思えない頑丈な構造になっている。世界中でスズキブランドが信頼されているのもうなづけることである。
しかし、よる年波には勝てず、今年の春フル充電のバッテリーを搭載し、覚醒を促したけれど、軽快なエンジン音はついに蘇らなかった。
小規模な家庭農園に農業車両は不要と思い、修理せずに庭先にほっといた。
しかし規模に関係なく車がない不便さは相当なものだったらしい、ほとんど農園？に出る事がない私が単に知らなかっただけのことである。
高級車？で乗り付けてもいいのだけれど、車の汚れを気にしていたら農作業はできないと農林担当重役が言う。
かといって、これからの維持管理を考えると、ここで多額の修理費を掛けるのはもったいない気がする。
相談の結果、ケットラ（軽トラック）に交換することにした。
農協で引き取りに来る日、汚れ放題のアルトを念入りに洗車した。
ご苦労様でした。