或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

洛西

2015-12-05 08:15:47 | 800 観光
東山で紅葉狩りを楽しんだ翌日は、これも連れの友人の希望で金閣寺へ。少し前だったかな、「京都で一番何処へ行きたいの?」と質問すると、しばらく間があった後に、「うーん、金閣寺かなあ」という返事が。紅葉のシーズンなので、少々意外だった。大昔の修学旅行の記憶がほとんどなくなっているらしく、もう一度しっかり見物しておきたいらしかった。

実は自分にも同じ思いがあって、京都の地図を眺める度に、他の観光地とは離れて位置する金閣寺が気になっていたのは確か。銀閣寺は東山見物のついでに行けるけど、ここはわざわざ行かないと無理だから。京都駅に程近いホテルからタクシーに乗り、洛西まで約30分。思ったより遠かった。想像通り、嵐山や東山と比べると観光客の数は少なかったような。

境内に入ると、独特の雅やかな雰囲気に包まれて。道が広く、塀、垣根等、あらゆるもの造りがゆったりしている。さすが足利義満の私邸だっただけのことはあるなと。寺の正式な名前は鹿苑寺で、その舎利殿が金閣寺と呼ばれている。なんてすっかり忘れていたなあ。舎利殿は国宝で、庭園は特別史跡・特別名勝、そしてもちろん世界遺産にも登録されている。

庭園内をだいぶ歩いた頃に前の方から静かな歓声が。右手遠方にまぎれもない金塗りの舎利殿が見えてきて。何故か昂ぶっている自分がいる。手前の広い池とのコントラストが素晴らしい。まさに日本の美。正直なところ、もっと安っぽいと想像していたけれど、こんなにも上品とは。来て良かったとしみじみ思ったっけ。この時ばかりは連れのチョイスに感謝したかな。

それからタクシーを乗り継いで、石庭で有名な竜安寺、仁和寺を周った。仁和寺と聞いて思い出すのが徒然草に出てくる和尚の話。なんとも間抜けな坊主の話なのだけど、タクシーの運転手さんが、「京都で芸子とお茶屋遊びをしているのは坊主が多いですよ、京都は観光客が多いのでボロ儲けですから」という話と思い出して。まあ、それも良し。十人十色だから。


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