或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

ピカソ美術館

2009-07-16 06:14:40 | 830 パリ紀行
パリの美術館紹介シリーズの第2弾は、3区のマレ地区にあるピカソ美術館。かつて17世紀に貴族の館だった建物を改修したもので、開館は1985年と新しい。パリは彼が画家として開花し最も充実した画家生活を送った場所。作品は遺族が相続税として物納したものが中心で、ピカソが最後まで手元に置いておいた作品が多く、その意味では貴重であり出来が良いものが多かった。

正門がある通りは狭く、入ってすぐの前庭も狭いしで、とても貴族の館とは思えない雰囲気だったけど、見学の後に写真を撮ろうと裏口がある通りにまわると、手入れの行き届いた広い庭園の奥にそびえ立つ建物はたいへん立派で、なるほどと思わせた。どうして正門をこっちに作らなかったのかなと、凡人には理解不能。館内に入るまでの気分がだいぶ違うだろうに。

ピカソは以前このブログで特集したこともあり、彼の生涯や画風の変遷、有名作品については情報がそれなりに頭にインプットされていて、それだけにどんな作品に出会えるのか期待しながら、ほぼ時代順にセッティングされた順路に沿って最初の展示室へ。するとすぐ左の壁に掛けてあったのが「自画像」(1901年)、「ラ・セレスティーナ(La Celestine)」(1904年)を含めた”青の時代”の作品が3枚。知ってはいたけど、いざ実物を見るとその迫力に圧倒されっぱなし。かなりのインパクトだった。

だけど真打ちはその後。右の壁に上の画像の「座せる裸婦(Femme nue assise)」(1905年)が。”薔薇色の時代”の作品なのだけど、正直なところ、あまりの衝撃に背筋がジーンとしてきて。画像では分かりにくいけど、間近だとオレンジ色の濃淡に同期してマチエールが微妙に変化している。見えるようで見えない左手の手首。あまりに上手すぎる。天才の技量を肌で感じた。

この後でオルガ、マリー・テレーズ、ドラ・マールといった、その時代の女を描いた著名な作品が続々と出てくるのだけど、最初のインパクトが大きすぎてかすんでしまって。結局退館するまでに最初の展示室をトータル4、5回は観たかかな。やはり自分的には”青の時代”と”薔薇色の時代”が好みだなあ。機会があれば、是非次ぎにはバルセロナを観てみたいと思ったけど。

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