或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

蝶々夫人

2008-05-19 06:15:18 | 210 クラシック
今日は長崎観光つながりの話。グラバー園を散策していたら白くて大きな銅像が。名前を見るとイタリアの作曲家プッチーニ。そうか、オペラ「蝶々夫人」ゆかりの地かなんか?と思いながら少し歩くと、今度は日本髪の女性の銅像が。三浦環(みうら たまき)?知らないなあ。後で調べると、日本で最初に国際的な名声を得たオペラ歌手だった。

オペラってモーツァルトとワーグナー以外はほとんど聴かないし、だからよく知らない。それにプッチーニは初めて。でもここで出会ったのも何かの縁。食わず嫌いを返上する良いチャンスと前向きに考えて図書館で全曲版を借りてみた。なんとCD3枚組。少なからず気合が入ったのは確か。

解説であらすじを辿ると、確かに明治中期の長崎が舞台。米人の海軍士官ピンカートンが滞在中に、没落藩士の令嬢で芸者をやっていた少女の蝶々さんと仲良くなり妻?にするのだけど、結局は帰国して本国の女性と結婚してしまうという、よくある”悲しき現地妻”パターン。初演は散々だったらしいけど、その後手が加えられて今じゃプッチーニの代表作のひとつだとか。

肝心の音楽なんだけど、どうもね。プッチーニは後期ロマン派で、マーラーとほぼ同時代。全体としては悪くない。けっこうフツーに聴けて。劇場に行けば楽しめるかもと思ったりもして。ただね、キワモノというかなんというか、日本のメロディーのオンパレード。第1幕では”星条旗よ永遠なれ、第2幕では”お江戸日本橋”や”かっぽれ”、さらには”豊年節”まで出てきて。

外国人にとっては、まさにフジヤマとかゲイシャのイメージだろうなあ。まあ吉本新喜劇のミラノ公演ぐらいと割り切れば良いのだろうけど。参考までにとDVDのユーザー評価を見るとコメントが冴えない。日本髪や白粉の塗り方等々にダメ出しが多いこと。海外でまずい寿司を食べている感覚なんだろうな。どうも劇場はやめといて、とりあえず音楽だけが無難みたい。


プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」全曲プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」全曲

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