或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

Museum of Modern Art, New York

2012-07-22 09:42:32 | 870 米国紀行
米国旅行の6日目というより、今回の米国旅行で訪問した最後の美術館がニューヨーク近代美術館で通称”MoMA”。グッテンハイム美術館からはタクシーで移動。地下鉄でも良かったけど、疲れていたのでつい。この美術館は、まさにNYの中のNYとも呼べる5番街に建てられていて、有名ブティックまで徒歩で数分のロケーション。その意味では締めくくりに相応しかった。

周囲の高層ビルに圧倒されながら館内へ入り、チケット売場へ。混んでいて長い列ができていた。自分の番になると窓の向こうの東洋人の中年女性の係員が、「あなたは日本人ですか?」と聞いてきて。「イエス」と答えると、「私も日本人です」と返事が。何もしゃべっていないのにどうして日本人と分かったのかなと。それ以上に話しかけられたこと自体が不思議だった。

それから広い館内の散策を開始。最初に訪れた印象派のフロアにはゴッホ、モネ、セザンヌといった画家の作品がずらり。だけど、ウリは何といってもピカソ。中でも有名なのが上の写真の「アヴィニョンの娘たち(Demoiselles d’Avignon)」(1907年)。5人の売春婦を描いたこの作品は、名実共に現代美術史における金字塔。大きななキャンバスから伝わってくる迫力は、それは凄かった。パリのモンマルトル、この絵が描かれたアトリエ、”洗濯船”(Le Bateau Lavoir)の情景が脳裏をかすめた。

その後もピカソを中心に趣味の良い作品を十分に堪能したけど、館内を移動している時に目に飛び込んでくるのが大きな窓越しに見えるマンハッタンの景色。その意図的な造りによって、この美術館がNYのど真ん中にあるということを訪問した客に強く印象づけている。その意味では最高の立地なんだろうなと。まさに展示されている作品と周囲が完全に調和していた。

ということで、東海岸における美術館巡りが終了。数えると9ヶ所だから、1日に1ヶ所以上周った計算。どの美術館にも個性があり、とても楽しめた。残念だったのはフィラデルフィアのバーンズ・コレクションが新館への移転のためにクローズしていたことと、マティスの作品で有名なボルティモア美術館をスケジュールに余裕がないため諦めたこと。まあ仕方がないか。