中東で反政府組織に人質にされていたジャーナリストが、３年ぶりに開放されて日本に着いた。報道ではカタール及びトルコの協力で解放されたということです。
日本のメディアでは開放を喜ぶ一方で、｢自己責任論｣の否定に躍起です。否定に躍起になっているという事は、一部からではなくそういう声が上がるだろうなと取材している自分たちも感じているという事なのでしょう。私はこの件については、一方的に叩くのも賛美するのも違うのではないかという違和感を私は感じます。
危険であっても現場に取材に行って伝える。この事は間違っていないし正しい事だと思う。但し、彼の場合は以前に同じ状況になったのにもかかわらず危険を避ける用心深さがあったのか疑問がある。この事は追及されても仕方がない事ではないだろうか。これについて聞くことにすら、それを｢自己責任論｣だとして全く報じないのもどうなんだろう。
国が彼を救出しようとしてあらゆる外交ルートを使って動いていたのは、色々な意見はあるのでしょうが当然の事でもある。恩に着せるような事ではないし、それによって彼の発言を封じるようなものであってはならないとも思う。
ただ、その時だけでも国に対して感謝の気持ちぐらいは持った方がいいとは思います。彼がトルコ国内での機上インタビューで｢日本大使館に引き渡されると、あたかも日本政府が何か動いて解放されたかのように思う人がおそらくいるんじゃないかと。それだけは避けたかった｣なんて記事を読んで、なんだかなあという感想を持つのは普通の感覚ではないかと思う。
結局のところ、どちらかの立場から都合のいい情報だけ流してどちらかの立場に誘導するのではなくて、都合のいい情報も悪い情報も全て報道して見る人が個人の人生観で決めるというのがいいのではないでしょうか。まあまた、連日違和感を感じながらTVではこのニュースの洪水になるんだろうなと…いささか辟易しています。
