友人の母が亡くなった。
遺影をみつめていると、さまざまなことを思いだす。
(その一)
「おい、お前のところに卵ないのか・・」
高校時代、彼の家に泊まった朝
わたしは冷蔵庫のまえでつい遠慮ない声をあげていた。
そんなやりとりを隣の部屋で聞いていたお母さんは彼に・・
「いいお友達だね」といっていたそうだ。
どういう意味かわからないが、どうやら皮肉ではなかったらしい。
(その二)
彼とフキノトウをいっぱいとってきて、意気洋々とお母さんに「お土産!」といって玄関にどさっとおいたが、
なにやら困った顔をしていた。
そのあと、わたしの家で彼とビールを飲みながら、フキノトウの天ぷらを調子よく食べたものの、
途中で苦くなって口の中がえらくいがらっぽい。
残りは全部捨ててしまったが、
そのときになって、彼女の当惑した表情に納得したものである。
(その三)
お母さんペアーと千点10円の賭け麻雀?をしたことがある。
まあ、相手が相手、それこそ呑んでかかったら、
反対に何十円か負けてしまった。
そのあと、有駒のラーメンをご馳走になってしまって・・
とても旨かったが、なんかおかしな気分、だって、わたしはたしか40代になっていたからね。。
読経のなか、
遺影の母はそんなわたしをみて笑っているようであった。
すっかり紅葉に染まった神楽岡公園を歩いてきた。