屯田物語

フォレスターとα6000が
旅の仲間
さあ、カメラを持って
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晩秋賦

2023年01月31日 | 西勝洋一

西勝洋一君が逝去されてからちょうど一年たった。
入院中、わたしとの電話では「退院したら新しい歌集を出版する」といっておられた。
まさかその九日あとにお亡くなりなるとは想像もできなかった。

西勝君の遺志を受け継いで「かぎろひ」の歌人のお仲間が歌集「晩秋賦」を出版した。
後日、西勝みどりさん(洋一君の奥さん)から新しい歌集「晩秋賦」を送って頂いた。
「東京オンライン会」で「晩秋賦」を開いて同期や同期会を詠んだいくつかの歌を紹介しながら西勝君の思い出を偲びました、と奥さんへのお礼の手紙に書き添えた。
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西勝洋一君を惜しむ声 <旭川新聞電信版>

2022年02月12日 | 西勝洋一


摂津国の怪人さんが、「短歌の西勝洋一さん逝く」<旭川新聞電信版>を「映像で見る60年ののち」へアップしました。
その記事によると西勝君が編集人の歌集「かぎろひ」はこれからも続けられるそうで、もしかして同人誌のお仲間が、西勝君が病床で構想を練っていた「新しい歌集」の出版を引き継いでくれるのではないかと期待しているところです。

 ひとつひとつを絶ちていつしか秋深み 老人は海 我は野を行く

 越えきれぬ峠のひとつ天涯にくやしき声が充ちて 冬くる

 不可能の昨日ばかりがありてなお信じようあの夕焼空を


                          西勝洋一                
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西勝洋一君のエッセーを読む

2022年02月06日 | 西勝洋一

昨日は西勝洋一君の初七日でした。
右側のカテゴリーから「西勝洋一」をクリックすると彼に関する記事(22編)が読めます。
そのなかから「タラバ蟹」の歌が面白いので紹介します。

同期の西勝洋一君のエッセーが、
北海道新聞夕刊(2009年1月5日付)に掲載されたので、
新聞一面丸ごと紹介!


タラバ蟹の歌が愉快。
”どでんと座り”このフレーズがなかなか新鮮で、
でっかい蟹がいまにも食卓のうえでもぞもぞ動きだしてしまいそうな気配を感じる。
北海道は毛蟹のイメージだが、
ダイナミックな食べ方ができるから、わたしはタラバのほうが好きかも。
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西勝洋一君のご冥福を祈る!

2022年01月31日 | 西勝洋一
流れきて
ながれ去るもの
音あらず
雪降る街の
あおきたそがれ

  西勝洋一


歌人の柊明日香さんから「西勝先生が亡くなった」との悲しい知らせに呆然とした。
入院中の先生を励ましてほしいと柊さんに頼まれたので、先日(1月18日)彼に電話したが、電話の向こうの声は元気そうであった。

そして、21日は西勝君八十歳の誕生日・・
この日、彼からのメールは意欲的な内容でもう心配ないと思っていた。
しかし、これが最後のメールになるとは未だ信じられない気持ちだ。


「本日、80歳を迎えました。区切りをつける意味で新しい歌集をまとめているところです。夏までにはお送りできればと思っています。ありがとうございます。お互いに頑張りましょう。」

 ご冥福をお祈りいたします。


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「映像で見る60年ののち」 西勝君へDVD贈る

2022年01月18日 | 西勝洋一


「映像で見る60年ののち」から33篇をDVDにダウンロードした。
同期であり歌人の西勝洋一君に進呈するためだ。今までに西勝君から「歌集かぎろひ」や「西勝洋一歌集」「道北を巡る歌人たち」「短歌の周辺」などの著作を戴いているので、まあ、そのお返し?というわけである。

 俺だけが知らない俺の噂など教室に充ち五月の青葉 
     


 アルバム二冊ほどの青春か わが窓にも秋の風吹かせて 日曜日

     西勝洋一

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「大橋君・柳沢君の思い出」津軽のふるさと

2021年04月07日 | 西勝洋一


「映像で見る60年ののち」西勝洋一歌集から・・
今は亡き同期の大橋君と柳沢君、そしてわたしの中学からの友である菅原君のお母さんを偲んで詠んだ歌をつけて動画を制作してみた。

  「ありこま」のラーメンが好きといってみる 無口なあなたと丁度の会話
                         種田春樹
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かぎろひ創刊65周年

2019年12月27日 | 西勝洋一


「かぎろひ」とは冬の早朝、陽が上がる1時間ほど前に山際が染まっていく自然現象のことである。「陽炎」とも書く。空が少ししらけてき、徐々に黄、橙、赤と変化していくさまは幻想的である。(ピクシブ百科事典)
「かぎろひ」 わかっているようでわからなかった言葉だが、仮名文字にして美しくやわらかな響きのなかに雅な”うたことば”を感じるのである。
65周年記念展は旭川文学資料館で開かれる。西勝洋一コーナーがあるそうだ。

西勝君から「かぎろひ」を頂いた。その中から西勝洋一・柊明日香・谷口三郎各氏の歌を紹介する。

 函館は坂多き街 まぼろしのごとく煙れるわれの故郷
 この坂を下りて再び帰らざりし出征の父の記憶はあらず
 かろうじて命を繋ぎおりしわが愛犬も亡し雪は降り積む
 梅花空木の花咲き満ちて風寒しまさかの時を逃げてゆく人ら
          西勝洋一
 
 堅牢な心もちしか向日葵は光に向かいふとぶとと伸ぶ
 群来という栄華を秘めし鉄路なり留萌増毛間廃線となる
          柊 明日香

 新緑の白樺の下に少女あれ たんぽぽを積みわれに届けよ
          谷口三郎
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「そして、春」 日本歌人クラブ優良賞を受賞した

2018年07月12日 | 西勝洋一


先日紹介した柊明日香さんの歌集「そして、春」が日本歌人クラブ北海道ブロック優良賞を受賞した。おめでとう!

  究極はラーメンそれも旭川 春夏秋冬三日にあげず         
               西勝洋一

 「ありこま」のラーメンが好きと言ってみる無口なあなたと丁度の会話
               種田春樹
何年前だったかなあ、
友人Sのお母さんにラーメンをご馳走になったことがある。
昨年、その方が亡くなってね、遺影をみつめていたら、
”ありこま”(旭正農協の近く)でご一緒したときのことを想い出した。
どんな会話があったかは憶えていないが、丸顔の可愛い無口な女性であった。


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「そして、春」 柊 明日香歌集

2018年07月09日 | 西勝洋一

ここに掲載した短歌はすべて柊 明日香さんの作品です。

想い出をたどりいるのか母の手にほどかれてゆく吾のセーター
夫と来て古びし母の鏡台を明るき方へ少し押しやる

補聴器をつけて話せる母の声やさしくなりて夏は来たりぬ
父の恋母の恋など聞きし夜はわが裡ふかく水の溢るる

ちちははの余生に積りしごとき雪朝の光にしんと耀う
山へゆけぬ母に見せむと摘みて来しわさびの白い花を飾れり

寄り添いてりんごを選ぶ老夫婦に里のちちははふいに浮かび来
母の手をかたく握って降りんとすエスカレーターの流れに乗りて


柊 明日香さんから歌集「そして、春」を戴いた。
ご家族を詠んだ歌が多く、ご両親にたいするやさしさとおもいやりをひしひしと感じた。
昨夜、カナダにいる姪とラインで長話し、自分の娘と会話しているようで楽しかった。
うちは息子ふたり、娘とちがってラインごときでくどくどと親に付き合ってくれるわけではないが、年を取ればそれが物足りない。
柊さんの歌に接しているとき、ふとそんな詮無いことを考えてしまう老人となる。

そして、この歌・・

 太陽の匂いは母の匂いするわっと抱きて布団取り込む

母を慕う気持ちがストレートで大らかに表現されていて、かえって爽快な味わいとなった。
いい歌って一度読めば憶えられる。そんな歌である、

 真実は常にやさしき顔にあらず「千望の丘」の風に吹かれる

千望の丘は留萌の千望台だろうね。
わたしにとっても懐かしい場所、そこでの凛とした一首が印象的であった。



柊さんは増毛町でお生まれになったそうだ。
わたしは昭和44年~45年ころ留萌に住んでいたので、留萌線には何度か乗ったことがあるはずだ。廃線になるというニュースをきいて、廃線直前に増毛から留萌までの短い旅を楽しんできた。

 群来という栄華を載せし鉄路なり留萌ー増毛間廃線となる    柊 明日香
                 
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かぎろひ

2018年07月01日 | 西勝洋一

同期の西勝洋一君から「かぎろひ」7月号を戴いた。歌人の彼は短歌雑誌「かぎろひ」の編集人である。

 似たような歌を詠んでは捨てながら歩む道なりふきのとう出ず
       柊 明日香
 早春の道の辺りに咲く星型のチオノドクサの青に安らぐ
       下沢 風子
 辛夷の花がびっしりと咲くその家をいくたび過ぎて五月となりぬ
       西勝 洋一


早春の百合が原公園
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