「ザ・コーヴ」に拠るまでもなく、
日本の食文化よりもイルカの保護が大事な欧米人と理解し合うことは至難である。
彼らにとって、わんぱくフリッパーを捕獲して食べる日本人は野蛮人なのだ。
さて、イルカはイルカでも、こんかいは蘇我入鹿のことである。
「蘇我氏の正体」「藤原氏の正体」(関裕二著)の文庫本二冊を読みおえたところだが、
古代人の名前の多くは難解なのでそこそこに読み飛ばしてしまった。
中大兄皇子・中臣鎌足は山背大兄王(聖徳太子の皇子)を自殺に追い込んだ蘇我入鹿を大悪人として誅殺した。
(乙巳の変)
はたして歴史の真実はなにか--
入鹿暗殺は律令制度を推し進める蘇我氏の勢力拡大を阻む皇族派の陰謀であった。
山背大兄王の自殺に入鹿は関与していた証拠はない。
中臣鎌足は亡命中の百済王であったという説があって、
中大兄皇子は蘇我宗家滅亡のあと、
無謀な百済救援(白村江の戦い)に踏み切った理由のひとつがここにある。
藤原不比等(中臣鎌足の息子)は「日本書紀」を巧妙に仕上げ、
「大化の改新」を勝者の手柄としたのである。