屯田物語

フォレスターとα6000が
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「風の窓辺で」時実新子 「崖」

2020年09月04日 | 時実新子

2018年9月3日 百合が原公園

 見えていた人影消えて崖静か    時実新子
 色々な崖を飛んだがまだ逢えぬ   伊佐岡よし子


新子さんの句になぜかサスペンスの色と匂いを感じてドキリとした。
江戸川乱歩の「化人幻戯」にそんな場面があったよね。まあ、崖からの転落シーンよりも由美子の魅力にひかれて何度か読み返したものだ。
「色々な崖を・・」か、自分は今までにも飛んだことがあると思っていたが、落ちてもケガしないような崖ばかりであったような気がしてならない。
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「風の窓辺で」時実新子 「丘」

2020年08月31日 | 時実新子


 丘下りる私の赤目つんのめる     時実新子
 海の見える丘に黙って連れてゆく   徳永政二

有無の見える丘で相手が何をかんじようと、どう変わろうと知ったことではないのだから。
ではなぜ?なぜ丘へ連れていったのか。
それはその、そこが人間のずるさ、慾、意識的期待など、もろもろの矛盾。
自分を書くとはそういうことなのである。
       時実新子


時実新子さんの作品にたいするコメントは小気味がいい読むほどすっきりする。

二年前の8月31日の百合が原の写真をコラージュしてみた。
おや、そろそろダリヤが咲いているかもしれないね。
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「風の窓辺で」時実新子 「脚」

2020年08月24日 | 時実新子


あの夕日は小樽の海に沈んでいきそうだ。
残された命といっても、長くてあと10年。
パソコンの組み立てなんて絶対無理だと思っていたが、ユーチューブで組み立て動画をみると自分でも出来そうな気がしてきた。
そう思うだけで気持ちが盛り上がってくる。

 発つ鳥の脚に力の無きもよし    時実新子
 残された命踏ん張る脚哀し     各務雅憲
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「風の窓辺で」時実新子 「喉」

2020年08月21日 | 時実新子


 鶯の喉のあくまであちら向き    時実新子
 人恋いの蛙の喉の柔らかさ     石垣 健


グーグルフォトがクラウドの画像でコラージュを作成した。(二年前の百合が原公園)
藤井二冠の誕生は大きなニュースであった。なんといっても藤井挑戦者は高校生なので木村王位にとってアウェイな感じのタイトル戦であったと思う。
しかし、礼にはじまって礼におわる。対局後の木村王位の態度は清々しかった。
藤井二冠の人気はもちろん、木村王位のファンが増えそうだ。
羽生九段は藤井二冠の誕生は「空前絶後」と評したが、羽生九段の現時点のタイトル獲得数99回、そして永世七冠位こそ「空前絶後」の記録である。
藤井二冠が羽生九段の記録と並ぶためにはあとタイトル戦で97回勝利(勝数にして約380)しなければならない。
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「風の窓辺で」時実新子 「あくび」

2020年08月20日 | 時実新子



天井がありこの世の大欠伸    時実新子
欠伸して大きな決意かたまりぬ  頼田須加子


緊張したときにあくびが出ることもある。でも、それは些細なことであっても同じ、大きな決意などした記憶がない。大きいか小さいかそのときがわからない。いわば鈍感だということか。
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「風の窓辺で」時実新子 「眉」

2020年08月19日 | 時実新子


石狩図書館の前を茨戸川の遊歩道である。


不意に愛 男のような眉になる   時実新子
眉下げて来る人生を降りた顔    赤木和子


年取った自分の眉はあきらかに下がり眉、今更人生を達観できないあきらめがある。
思い切ってすべて消えてなくなれと思うがその踏ん切りがつかないでいる。
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「風の窓辺で」時実新子 「腕」

2020年08月17日 | 時実新子


 腕立ての腕で支える恥の屋根    時実新子
 腕のなかにおまえの顔に降る桜   重森恒雄


新子さんの川柳を納得するのは難しいが、なぜかいつも潔い切れを感じるんだよね。
おまえの顔に降る桜、どんな情景を連想するだろうか。
エロチックだけど綺麗な線で描かれた少女アニメをみているようでもある。

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「風の窓辺で」時実新子 「岸」

2020年08月16日 | 時実新子


 遊びせんとや岸辺に咲いて女たり    時実新子
 向う岸へ予想もしない人が飛ぶ     宮本美到代


向う岸ってどこなの、いろんな想像ができるよね。
でも、なにかの比喩に違いない。なにかわからないけど自分も飛んでみたかった。
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「風の窓辺で」時実新子 「崖」

2020年08月11日 | 時実新子


江南神社前の交差点
昨日はタチアオイが風に揺れて久しぶりに夏らしいお天気であった。
でも、車が少ないように見える。

 見えていた人影消えて崖静か   時実新子
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「風の窓辺で」時実新子 「丘」

2020年08月10日 | 時実新子



丘下りる私の赤目つんのめる   時実新子

赤目とはフラッシュを使って写真を撮影した時、人物などの目が赤く写る現象をいうが、この句の赤目はちょっと違うようだ。年を取ったわたしは膝があがらなくなって平坦の道でもつんのめる。
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