屯田物語

フォレスターとα6000が
旅の仲間
さあ、カメラを持って
出かけよう!

詩集「琴しぐれ」夕愁白嶺<鈴懸の並木路>

2021年11月27日 | 琴しぐれ
<鈴懸の並木路>

鈴懸の並木道の零れ落葉を
カサカサと踏み歩みき
この路は悲しや枯葉なりけり
カサカサと鳴る枯葉なりけり

秋日射す鈴懸の並木路を
鈴懸の葉のころび行きぬ
鈴懸の葉の足辺に散りて
心ならずも歩みを止めぬ

鈴懸の並木路は果しなく
黄金色に細々と続きぬ
懐かしき友の往きて
吾が影の長々と残りけり

亡き人を慕う心に
秋日射す零れ落葉は
吾のみか かなし
思い出の鈴懸の並木路


旭川東高卒業アルバム(昭和35年卒)を「映像で見る60年ののち」(グーグルフォト)にアップすることにした。
全部で八クラスあるので一組から順次載せていく。次に教職員のお顔もアップする予定だ。
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詩集「琴しぐれ」夕愁白嶺<恋椿>

2021年11月23日 | 琴しぐれ
<恋椿>(民謡)

なぜに咲いたか寒椿
恋に咲くなら春に咲け
叶はぬ恋と知るならば
悲しき秋に咲くまいぞ

小さく咲いたよ寒椿
俺とおまえの二つ花
短く散るのが運命でも
恨みの秋に泣き咲くか

たとへ短き生命でも
俺とおまえの恋ならば
誰も知らないその内に
いっそ二人で秋に咲こ

二つ咲いたよ寒椿
俺とおまえの恋の花
辛い浮世も二人なら
泣いて咲いても恋椿
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詩集「琴しぐれ」夕愁白嶺<四季・冬>

2021年11月20日 | 琴しぐれ
<四季>



冬は来ぬ
霙交りの風吹かせ
途惑う足に冬は来ぬ
細き小枝をふるわせて
浮草 枯葉ふみて来ぬ

冬は来ぬ
白き曠野かけめぐり
狂喜の風に冬は来ぬ
戦く木々をあざ笑い
戯れ遊びつ走り来ぬ

冬は来ぬ
天の塵 屑投げ捨てて
軒のつららに冬は来ぬ
灰色空をゆすらせて
小さき綿屑こぼし来ぬ

冬は来ぬ
山川草木しきつめて
窪みし道に冬は来ぬ
馬橇雪なか駆けさせて
鈴の音鳴して辷り来ぬ


北側のベランダからスマホで撮った皆既月食の画像をコラージュしてみた。
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詩集「琴しぐれ」夕愁白嶺<四季・秋>

2021年11月19日 | 琴しぐれ
<四季>



秋は来ぬ
彼方のむら木々染め変えて
黄葉 紅葉に秋は来ぬ
枯れし諸葉を渦巻かせ
葉風あおりて急ぎ来ぬ

私は来ぬ
庭の落葉煙りさせ
残りし灰に秋は来ぬ
蛤蛤を宙に飛び交せ
竹垣沿いに並び来ぬ

秋は来ぬ
岩間の魚を光らせて
早瀬の音に秋は来ぬ
浮きし落葉の背に乗りて
水面をすべりて流れ来ぬ

秋は来ぬ
月も哀れに曇りさせ
薄れし雲に秋は来ぬ
狭霧に入りて立ち籠めて
地面の上をそぞろ来ぬ


昨日の手稲山。
今夜は皆既月食だが、少し曇ってきたので見られるかどうかわからない。
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詩集「琴しぐれ」夕愁白嶺<四季・夏>

2021年11月17日 | 琴しぐれ


2008年11月18日
南側ベランダからJRタワーを撮る。

<四季>



夏は来ぬ
しめりの虹をうち渡り
玉のしずくに夏は来ぬ
乾きし若草濡れ染めて
もゆる緑ににじみ来ぬ

夏は来ぬ
螢の明り火ともしつつ
童等の声に夏は来ぬ
団扇の音のむしむして
汗ばむ肌に浮び来ぬ

夏は来ぬ
涼風御簾に忍ばせて
風鈴の音に夏は来ぬ
もやる香をたゆらに
揺ぐ煙を遣わせ来ぬ

夏は来ぬ
木立の陽炎ゆらぎさせ
あみ模様に夏は来ぬ
草木の香り含ませて
茂る根株分けて来ぬ
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詩集「琴しぐれ」夕愁白嶺<四季・春>

2021年11月16日 | 琴しぐれ
<四季>



春は来ぬ
淀みの小石の面ふみて
川草 若菜に春は来ぬ
衣更へよと白銀の
褥を波に託し来ぬ

春は来ぬ
小さきの頬うちて
乙女の髪に春は来ぬ
軽し遠き山おりて
風に交りて里に来ぬ

春は来ぬ
雑木の小枝をうち鳴し
小鳥の声に春は来ぬ
根本の雪の消え去りて
土の底から湧いて来ぬ

春は来ぬ
灰色空を散りさらし
青き真澄に春は来ぬ
白い雲には紅さして
遙か彼方を転び来ぬ
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詩集「琴しぐれ」夕愁白嶺<ヤキトーキビ>

2021年11月15日 | 琴しぐれ
<ヤキトーキビ>

街角の屋台で買った
二本のヤキトーキビに
その人はいたずらっぽく笑った
道行く人が振返って見ても
その人はいたずらっぽく笑った
小さな小さな冒険に
ヤキトーキビの香ばしさ

木枯し吹く夜道に
一本のヤキトーキビの温もりが
両手より腹中に沁み渡る
その人のあどけない望みの
小さな小さな冒険は
いたずらっぽい笑顔で
白い歯を一層美しくさせた

屋台のヤキトーキビにも
その人の秘めた夢がある
木枯し寒き夜道には
小さな温かさがいる
ヤキトーキビの温かさである

そしてそれは恋である
一本のヤキトーキビにも
恋が秘んでいる
私の気付かぬ事 それを
その人は知っていたのだ
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藤井聡太竜王位獲得!

2021年11月14日 | 将棋

第34期竜王戦七番勝負第四局
豊島将之竜王に藤井聡太三冠が挑 戦している第34期竜王戦七番勝負は、挑戦者の3連勝で第4局を 迎えた。藤井は勝てば竜王奪取とともに、史上最年少での四冠を達成する。
カド番の豊島は逆転防衛に向けここで踏みとどまらなければならない大一番であった。
そして最終盤、△2五金で先手豊島竜王は投了した。
この結果、 七番勝負は藤井が4連 勝で竜王位奪取。史上最年少(19 歳3万月)で四冠達成した。
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詩集「琴しぐれ」夕愁白嶺<雪の故郷>

2021年11月13日 | 琴しぐれ

↑ 昭和35年頃冬 旭川市一条八丁目のバス停<「琴しぐれ」写真:尾崎弘司>
↓ 令和元年10月 旭川駅 石川啄木歌碑
 
<雪の故郷>

吾が故郷は北の海
雪の奥路になつかしき
心に思う真白地の
見渡す限りの美しきを

灰色空のかなたの
白銀の綿着も厚く
遙かなる大雪山は
ゆったりと眠りけり

夏は早瀬の石狩川も
重き衾に隠れ入り
細々と一筋を残しつつ
ゆるゆると流れけり

夜寒き雪降りの日
汽車は旭川駅に息づきぬ
鈴蘭燈の凍えつく光も
北国に哀愁のありき

雪に埋まる旭川を
馬車の通る鈴の音の
寒き夜空にシャンシャンと
橋の向うに鳴いて消ゆ

旭橋の欄干の上を
北風の吹き過ぎる
粉雪のまい落ちて
川面を辷り行けり

降り積る雪の街路に
長靴の跡の点々と
人のと絶えし旭川の
白き夜に残るなり

寒々と身に沁む夜は
熱酒雫を酌交し
雪国の旅路の果を
故郷と暫し慰さむ
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詩集「琴しぐれ」夕愁白嶺<朝>

2021年11月12日 | 琴しぐれ

<朝>

奥深き木々の間に間に
朝明けの光満ちて
白み染む小暗しの森に
緑の血潮息吹き始めり

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