屯田物語

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担癌者の反省

2004年12月26日 | 日常
今春、痔の手術のため旭川の肛門科に入院した。
しかし手術前の尿検査で潜血がみとめられエコー検査を受けたところ、膀胱に約2センチのポリープがみつかった。
後日、北海道がんセンターで膀胱癌と宣告された。
自分だけは癌にならないと勝手に思い込んでいたので大変なショックを受けたが、幸いなことに発見が早く表在性の癌だったので内視鏡による切除だけで済んだ。
しかし、表在性の膀胱癌は再発率が高い。案の定、11月の膀胱鏡検査で再発がみとめられ再入院した。幸い前回と同じ内視鏡の手術で済んだが、いま再再発防止のため抗がん剤の治療を受けている。考えてみれば、痔の手術はさほど緊急を要するものでなかったが、もしこの手術を受けていなかったら癌の発見が遅れ、膀胱癌がより悪性の高い浸潤性に進化していたと思う。

癌センターに通算で約一月入院したが、他の癌患者さんと接しているうちに自分のいやらしい感情の動きに愕然とした。入院患者のほとんどの方は自分より重症に見えた。もちろん日常の会話や態度には神経を使っていたが、心の中では早期発見できた運の良い自分にホットして、自分はそんなに重症でないという安心感から、薄っぺらな同情心をもって接していたように思う。
そんな自分が厭なのだが、なかなかそういう感情は抑えられなかった。

自分の癌がどうなるのかわからないが、この病気はこれからの一日一日をどう過ごしていくか真剣に考える機会を与えてくれた。
後悔しないようにやりたいことをやる、ということでなく人との交わりを大切にして、やさしい気持ちを忘れずにこれからの人生を過ごしていかなければならない。
癌キャリアーになったからといって、他人の不幸と自分の不幸をはかりにかけて、それに一喜一憂するような人生は送りたくない。


雨竜の道の駅、やわらかな雪が積もるクリスマスでした。