らんかみち

童話から老話まで

匂いアレルギーのぼく

2007年06月13日 | 暮らしの落とし穴
 下着だろうがなんだろうが、買ったまますぐに着て平気な人間だったけど、あるときTシャツの封を切ったところ、ちょっとゴム臭いなとは思いつつも、風に当てるとそのうち消えるだろうと高くくり、そのまま着たのがいけませんでした
 ”そのうち”は一日中続き、吐き気と戦いながら帰ってからすぐに洗濯機に放り込みました。たぶんインクの臭いだったと思うけど、それ以来肌身に着ける物は生産国や金額にかかわらず、とりあえず洗ってから着ることにしているんです。
 
 そんなぼくをみて、ちょっと神経質過ぎへんか? という人もいるけど、そういう人に限ってスーツの裏地がどうのこうのとこだわったみたりして、アンタの方がよぽど神経質とちゃうかって言いたくなります。
 好みとかこだわりだの、アレルギーだのトラウマだのが大小あって普通の人間だと思うけど、そういうのを赤の他人に理解してもらおうとすると大きな代償を払うことになる場合も多々あり、今回ぼくが入院した病院でも初日から試練にさらされたのです。
 
 入院した初日、石鹸の匂いがしたので、最初は同室の人が使った残り香だろうと楽観していたんですが、その匂いはいつまでも続き、朝方にはぼくの鼻粘膜はすっかりやられて鼻水を垂らしておりました。
 で、何の匂いか調べたら、小林製薬の芳香剤が置かれているからだと分かり、看護婦さんに撤去して欲しい旨を伝えますと、
「せやな、この部屋は臭くないから無くてもいいか」
と、どうやら寝たきりの患者さんのいる部屋対策に、つまり自分達が快適に仕事ができるようにとの配慮から芳香剤を置いているんだと分かりました。

 そもそも鼻や喉の粘膜が弱いからといった理由で耳鼻咽喉科にかかっているわけで、そんな患者さんのいる病室に芳香剤を置くなんて耳鼻咽喉科にあるまじき暴挙としか思えません。
 文句をつけたら撤去してくれたのは良かったもののまだ一部残して行ったので、それはぼく自身で栓を閉めて放って置いたらいつの間にか無くなり、その日を境に換気扇が回り始め、そのうるささで今度は眠れなくなってしまいました。
 とまあ散々な目に遭った入院でしたが、同室の患者さんたちはみんないい人ばかりだったので、今週末の診察にはまたお見舞いに行こうと思ってます。