らんかみち

童話から老話まで

エホ婆退散~!

2008年02月29日 | 暮らしの落とし穴
 大阪に住んでいた頃は、「テル爺」というアウトローになぶられたものですが、田舎に帰ってきてからは、「エコロ爺」という連中に可愛がりを受けてます。いえね、とにかくゴミの分別に厳しいところで、ナンプラ、色付きガラス、透明ガラス、アルミキャップ等等、ゴミ出汁の日が決まっている上に、間違ったゴミの出し方をすると、エコロ爺なる指導員に叱られるんです。だから牛乳なんてパックのを買うとゴミが出るし、牛乳配達にガラス瓶のを頼もうかと思ったりします。
 
 田舎の生活は都会のそれよりずっと窮屈です。スーパーを歩けば知らないお婆さんから名前を呼ばれてアレコレ言われるし、「これをお母さんに渡しといてくれ」といわれたって、だれから預かった物やら説明に窮します。
 
 そんな中、今日は「エホ婆」が家にやってきました。エホ婆は時どき来てはパンフレットを置いて帰るんですが、読んでみても面白くないのなんの。何でもかんでも神とその奇跡に結びつけるのは良いとして、感銘を受けることも無ければバカバカしくもない話ばっかり羅列しているんです。
 ですので、「うちはバリバリブッディストじゃい、エホ婆退散!」と心の中で念じたら、静かに去って行きました。本当に田舎は住みにくいです。

今回の尾道はハズレ

2008年02月28日 | 暮らしの落とし穴
 今年市制110年を迎える尾道市は、映画の町と銘打って観光客誘致にいそしんでおられると聞き、「おのみち映画資料館」などを観てきましたが、大変驚きました。二階建ての土蔵のように立派な建物の中に展示されていたのは、古い映画のポスターとロケ中の写真が貼り付けられているだけだったからです。でもオールドファンには喜ばれそうです。
 
 これで入館料500円か!と、あっけにとられつつ隣りの「おのみち歴史博物館」を覗いてみますと、いくら映画資料館と抱き合わせの無料だからといって、大したものを置いてないじゃないか! と、暴れようかと思ったんですが、受付のお姉さんが美人だったのでやめました。あそこで観るべきものは彼女だけだ、と私的に断罪したくなります。
 
 きっとお腹が空いているから腹が立つんだろうな、と駅前のうどん屋さんで尾道ラーメンを食べました。標準的な量で450円はこんなものだろうと思いますし、スープはとんこつがかった醤油に背油浮きという尾道ラーメンの王道を歩んでいましたが、なんと麺の不味いこと!
 
 菩提寺のお坊さんが先日の日記に、「カップラーメンの麺を上等にしたような……」と表現してましたが、カップ麺の方に軍配が上がるかもしれないと思いました。
 お客さんの多くは観光マップを小脇に携えた方ばかりで、地元の人がいない理由を悟りつつ、「あんたら、これをもって尾道ラーメンを裁かないでよ」とお願いしたくなるのでした。
 
 あの2軒の資料館は建物は立派です。歴史資料館などは大正時代に建てられたゴシック様式の銀行を改築したもので、もう後100年くらいは持つんじゃないかと思いますが、どこからともなく合併推進交付金のにおいがしてきそうでした。
 残念だったのは、一緒に行った連れが大変にせっかちな男で、尾道の真の良さが隠されているであろう路地を歩くことができなかったこと。この次は一人で歩いて観ようと思います。

真珠拾いが懐かしい

2008年02月27日 | 暮らしの落とし穴
 子どもの頃の海岸は生き物が今よりずっと多くてエキサイティングでした。それに散歩すると色んなものが流れついていて、なんだかウキウキしたものでしたが、イチジク浣腸の容器をも良く見かけたのはどういうわけだったんでしょう。
 
 そんな中に真珠もあったんですが、大抵は緑色してました。緑色に輝いているならすごいんですが、緑色にくすんでいたので価値の無いものだったんです。宇和島からやって来た養殖業者が撤退したときに、アコヤ貝を見捨てて帰って行き、残っていた貝から真珠が流れ出たんでしょう。ですからまあ置き土産じゃないですが、子どもには十分だったというわけです。
 その後アコヤ貝は定着しなかったのか、それとも他に美味しいサザエなんかが採れるからだれも見向きもしないだけなのかもしれませんが、当然真珠も見つかりません。
 
 真珠養殖業者の次にやって来たのは、海苔養殖業者でした。アコヤ貝と違って、海苔は水温が下がらないと育ちません。その点でもここの海は十分な条件を満たしていたのですが、海苔の収量は極めて低いものでした。その理由というのが、驚いたことにチヌ(クロダイ)が食い荒らすから、というものでした
 
 海苔養殖業者が撤退すると、次にやって来たのは車えびの養殖業者で……って、それはさておき、現状の海は憂うべき惨状を呈してます。アコヤ貝に代わってミル貝がやって来たのですが、地元の人は今ひとつ喜びません。
 釣り人を楽しませたチヌはどこかへ消えてしまい、代わりにやって来たのはイソベラという不味い魚で(釣りたてを刺身にしたらその限りではない)これも地元民には不評です。
 こんな風に、ちょっと留守をしている間にすっかり海が様変わりしました。それもそのはず、ぼくがこんなに歳をとったんだから、と浦島さんになった気分のこのごろです。

懸賞で真珠が当たったけど

2008年02月26日 | 暮らしの落とし穴
 昨年のこと、エッセイを書きながら行き詰ったりしたとき、気晴らしに懸賞なんかに応募してました。書き損じた年賀状を葉書に換えたのが貯まったからというのも動機のひとつだったんですが、公募の運試しみたいな気持ちでした。だけど当たらないんじゃ貧乏神を呼び寄せるようなもの。3か月やっても全く当たらないので、今年になってからやめてしまいました。
 
 と、そんな悲しい日々を送っていた今日、A4サイズのビジネスレターで「ワレモノ」が届きました。内容は「ブローチ」ですが、何のことやら身に覚えがありません。開封してみたら写真のブローチが入ってました。どうやら器楽専門誌に応募したのが当たったようです。
 とてもうれしいのですが、見ての通りの小物です。シルバーのバイオリンにパールをあしらった、百円均一で売っていそうなものと差別化できない子ども騙しな逸品です。
 
 こんなものを希望したかな? とアル中ハイマーも顕著な今日この頃ですが、シルバーといえば銀のことでしょうし、それは疑ったりしません。けど、パールとは真珠のことだと思うんですが、5ミリほどの玉からは真珠の底光りを主張する様子がありません。
 それで思い出したんですが、子どもの頃に近くの海岸で良く真珠を拾ったものです。
 
 つづく

鳥はなぜ車の前を飛びたがる?

2008年02月25日 | 暮らしの落とし穴
 鳥はなぜ車の前を飛びたがるんだ? と車を運転する方ならだれでも不思議に思う瞬間がありませんか。あれって巣が近くにあるから、車を敵だと認識した親鳥が、巣にいる雛を守ろうと、おとり役を買って敵をひきつける行動なんでしょうね。そう思えば確かに、羽が傷ついた鳥を思わせる奇妙な飛び方に見えることもあります。
 
 しかしそれだけではどうしても説明のつかない現場に遭遇したこともあります。二羽のすずめがぼくの車にぶつかってきて、一羽が気絶してしまったことがあり、もう一羽の方は道路に倒れた相方を心配して駆け寄ったんです。
 
 あの二羽はけんかしていて車に気がつかなかったのかもしれません。でもそれだと、事故の後に相方に駆け寄っていったのは変です。けんか相手なら、車にはねられてざまあ見ろ! と片方は飛び去りそうなもんです。ならもしかして、この季節の猫といっしょで、周りが見えないほど発情していたのでしょうか。
 しかしその説にも問題は残されています。高速道路を走っているトラックに飛び込んで行く鳩の行動を説明できないのです。
 
 ぼくが思うに、鳥たちがわざわざ車の前で飛び立ったり横切ったりするのは、どこかの国の部族で行われているバンジージャンプや、鮫を釣り上げることが成人になるための通過儀礼であるように、鳥たちも車を相手に度胸だめしをやっているのかもしれません。
 
 そんなことを考えていると、今も二名の捜索が続いているイージス艦と漁船の事故のことに思いをはせてしまいます。万国共通の海上交通ルールがあるとはいえ、小回りの効くのは漁船の方なのだから、自らの命を守るために積極的に事故を回避するだろうし、常日頃はそうしていたと思います。
 
 元自衛官で今は船乗りの知人に今回の事故のコメントを聞くと、
「自衛隊に対する敬意というものが無いことで起きた事故である。よって自衛隊を軍隊と認めるべきなのである!」
と、極論に発展してしまうんですが、己が能力を過信して車の前を飛び、うっかりぶつかってしまう鳥たちのように、漁船側にも慣れによる油断があったのかもしれません。いずれにしても二人が無事であれかしと願わないではおれません。

残したい神事

2008年02月24日 | 暮らしの落とし穴
 昨日の動画は海神社のお通夜の様子ですが、お通夜っていったい何のことなんでしょう。云われは良く分かりませんが、海上交通の安全と五穀豊穣を祈願しての神事らしいです。神官を務める方については、ぼくより5、6歳下で、他に仕事を持っているはずです。有名神社ならいざ知らず、寒村ではそれだけで生活が出来るはずがありませんから。

 しかしこの前アップしたお坊さんの方は仏事一本で、檀家が多いのでこのところ大忙しらしいです。つまりそれだけの人口が、かつてこの村にはあったということで、その方々が年老いたからこその多忙なんでしょう。
 でも人口はどんどん減る一方で、出生率は0を記録する年もありますから、ご住職の次の世代には仕事があるかどうか分かりません。そうでなくても《ものみの塔》さんとかが熱心にお年寄りたちを折伏して回っていますし、その他の新興宗教もしのぎを削っているんです。

 仏事はともかく、村人がいなくなってしまったら神事は途絶えるわけで、実際この村はその危機に直面しているといっても大げさではないかもしれません。祭りの行事の一つである《櫂伝馬》も踊り子を務める子どもがいないので途絶えてしまいました。なので今のうちに色んな行事を撮影しておこうと思います。

過失を犯罪にするな

2008年02月21日 | 暮らしの落とし穴
謝罪に向かう石破防衛相の車が事故 けが人なし 千葉(朝日新聞) - goo ニュース

 ジョークかなと思ったら、本当なんですね、この事故。
「自衛隊はたるんでるのではないか?」という声が上がっているらしいですが、それについてコメントするつもりはありません。
 どんなコミュニティにだって、真摯な人がいれば、ずるい人もいます。嘘つきもいれば正直者もいます。その比率は医者だろうが教師だろうが、法曹界であろうが放送界であろうが、似たようなものではないでしょうか。
 ですので自衛隊にたるんでいる人がいても不思議ではありません。しかしこの事故、大臣の運転手を務めるくらいの人だから、たるんでいるわけでも、へたくそなわけでもないはずです。運が悪かったのではないでしょうか。
 
 それで思い出すのは、高速道路を数時間も走っていると、一日に一度や二度は自衛隊が事故をしているのを見かけても変だとは思わなくなります。不思議なのはその事故が一般車両を巻き込んだものではなく、自衛隊車両同士のオカマ事故が多いように思えることです。
 
 これは想像でしかないんですが、自衛隊車両って一目でそれと分かりますから、一般の運転手はちょっと距離をとる心理が働きはしないでしょうか。少なくともぼくはあんまり近寄りません。それは彼らに対する敬意も少なからずあるからです。でも自衛隊同士だったら互いに迷彩色を施した車両だし、仲間同士だから接近に違和感を感じないはずです。ですからこういった過失は、ある程の度酌量の余地はありそうです。
 
 過失ってどんな組織のだれにだってあるわけですが、イージス艦の事故については、事故の過失を認めない過失によって、過失が犯罪に見えてしまいかねません。今はもうそんな事態に至っていることを、石破大臣なら理解しているはずです。一日も早く真相を解明してほしいと思います。他人事ではなく、ぼくも瀬戸内海をこれから航行するのですから。

イージス元暗しか?

2008年02月20日 | 暮らしの落とし穴
まったく信じがたい事故ですね!
イージス艦、「後進」間に合わぬ速度 回避措置に疑問(朝日新聞) - goo ニュース

 先日のこと真っ暗な夜に高速旅客船に乗りました。全長15mくらいの大型のモーターボートといったいでたちの船で、時速でいえば50kmほどで走るんでしょうか、ちょうど今回の事故に遭った漁船と同じようなスペックかもしれません。

 操縦席のすぐ後ろの席に座ったら、船長が問わず語りに話しかけてきて、いろいろと船のことを話してくれました。
「この船にはレーダーはもちろん、魚群探知機もついとる。暗礁に乗り上げてからでは遅いからのう」
 出航直前になると、84歳の船長はレーダーのスイッチを入れ、魚群探知機のスイッチまで入れて海の深さを見ながら、まずはバックで桟橋を離れました。船長のすぐ後ろのぼくはビビリました。後ろの海は真っ暗で何も見えないからです。

 港を出て最高速に上げると、波の衝撃が小さな船体を突き上げるように腹に響きます。船首がかなり上がった状態になるので、目の前のものが見えにくいだけでなく、遠くも真っ暗で見えません。船長は見張りの助手とレーダーに頼って操船を続けます。魚群探知機を見るとどんどん深さが増していって、どうやら最深は150mくらいあるようです。

 瀬戸内海はその狭さと交通量の多さに加え、急流と暗礁が操船の難しさに拍車をかけてきます。それが新月の夜です。風が無いだけまだマシ、いや、それどころか、ベテランとはいえ船長は84歳なのです。いつ何が起きてもおかしくない状況に、ぼくは思わずこぶしを握り締めていました。

 高速艇が港に着くまでの15分間でぼくはすっかり疲れ切ってしまっていて、船長に促されるまで席を立つことができませんでした。ふと後ろを見ると、女子高生たちがキャッキャとはしゃぎながら船を降りていきます。
 お前ら、こんな時間までいったいどこで何やっとったんじゃ、お、こら! などと声を荒げる気力など残っていようはずも無いぼくでした。

 今回の事故の真相は分かりませんが、どちらの船にもレーダーが無かったのでしょうか? イージス艦なんて船全体がレーダーかと思ってましたが、足元が見えないなんて、イージス元暗しのようですね。
 あんな大海原でさえ衝突事故が起きるのですから、船を操るのは、車の運転や飛行機の操縦とは全く違った難しさがあるようです。

最悪のことは最後に気がつく

2008年02月19日 | 暮らしの落とし穴
 病院に行って健康診断を受けたら、視力が非常に落ちていてショックを受けました。もともと目は良い方で、1.2を下回ったことはないし、2.0という数値だって当たり前だったのに、なんと! 0.8と1.0だったんです。

 日がな一日パソコンの画面に向かう日々がここ数年続いているせいかとも思うんですが、目の異常ってなかなか気がつきにくいものみたいです。医者によると、視野が狭まってほとんど前しか見えなくなってしまい、あちこちに体をぶつけるようになった人でも気がつかないそうです。

 そもそも何で健康診断かといいますと、島に住んでいたら移動手段はやっぱり船が良いかなと思えてくることが……なんてことはありません。そりゃあたまには無人島の砂浜にでも行ってバーベキューをしてみたいと思うことはありますが、だから何なの? といわれたらそれまでです。

 本当の動機はこの前の動画のように、島を外側から写真に撮りたいだけなんです。もしかして小型船舶の免許を持っていたらそれが叶うかなと思っていたら、近所の方が、「島民なら釣り船の一つも持たんかい!」とおっしゃいます。

 いわれてみたらそうかなと思うんですが、釣りは今ひとつの腕前なので、というかほとんどしないので、仮に船が手に入っても宝の持ち腐れなんです。と、ここまで考えて、ひょっとして、ついにアル中ハイマーに? と気がつきました。最も大事なことが最も気がつきにくいのかも知れません。