らんかみち

童話から老話まで

ウリ坊たちがいた夏 イノシシカレーの味は

2009年06月29日 | 酒、食
 門司港の焼カレーを食べて、観光客もなめられたもんだっちゃ、と思いました。不味いってことはなかったんですが、スキー場のカレーよりましという程度の味で、期待を抱いていただけに裏切られた悲しみが寄る辺を無くしました。
 この悲しみはいつしか怒りへと変わり、ツーリングを続ける原動力となってくれたのだから恨みはしません。が、伊予市の道の駅「ふたみ」でレトルトカレーに手を出したのは、門司名物焼カレーに対する腹いせみたいな衝動だったでしょうか。
 

 
「インドカレー」になぜ動物の絵が? と良く見たら「イノシシカレー」じゃないですか。生産者は大洲らしいのですが、もしかしてイノシシ被害に業を煮やした地元の方の町おこしなら、イノシシ退治の片棒を担いでも良かろう。同じイノシシ被害に遭う者として微力ながら応援するつもりだったので味は期待せずに買ったものの、こちらはスキー場のカレーに近いものでした。
 
 うちの島もイノシシによる被害は甚大なんですが、一年を通して狩猟が許されているわけではありません。イノシシが減らないのはそこにも理由はあるでしょうが、地元の人は狩猟にさほどの興味もないのでしょう。
 そんな島にあって、あるハンターが丸々と肥えた一頭のイノシシを撃ったそうな。獲物を持ち帰ってさばいたところ、お腹の中から三匹のウリ坊が……。窮鳥、懐に入れば猟師もこれを撃たずとやら。ハンターは三匹の赤ちゃんイノシシを育て始めました。なにしろ経験の無いことで、未熟児から育て上げるまでには大変な苦労と試行錯誤があったそうです。
 
 初めはそのイノシシたちが大きくなったら食うつもりだったそうですが、今ではすっかり情が移ってしまったらしく、「冬に牡丹鍋をご馳走してくださいな」と軽はずみなことを口にしたぼくは悔やみました。
 冷酷非情なイメージのあるハンターがよもや食うか食わないかで迷うとは、自身でも思わなかったそうです。

 ハンターですらこうなら、「ブタがいた教室」って映画の子どもたちが、教室でいっしょに育ったブタを食うか食わないかで葛藤するのは当然でしょう。ぼくも漁師なんで、魚を釣るための餌として飼っているメダカを使うか否かで葛藤してます。近所の漁師もエビやメダカを飼ってますが、そいつらに情が移らないんでしょうか。
 ゴカイを餌にするのは気持ち悪い、エビにはアレルギーがある、活きたイカナゴは値が高い、等々あってメダカが一番かと思いつつも苦しんでます。というか、船を海にいつ降ろすのかが先決に違いないんですが……。

大河ドラマに漫画「へうげもの」

2009年06月28日 | エンタメ
 歴史小説にはなじみがないし歴女と付き合ったこともないけど、今「へうげもの」という歴史漫画にはまってます。
  この漫画、乱世の安土桃山時代が舞台で、古田織部という武将が主人公なんですが、激しい合戦のシーンらしいのはあんまり描かれておらず、茶の湯、わびさびがテーマなので、茶室などの静的な場面が多く描かれています。
 動的な場面なら書きやすかろうとは思うけど、茶室での心理戦に光を当てて見事な緊張感を醸し出しているところに瞠目です。

  古田織部というのは織部焼の始祖なんですが、朝日新聞の小説欄には同じく芸術をテーマにした「麗しき花実」が連載されていて、こちらは織部よりおよそ100年後の日本画家の系譜「琳派」に焦点が当てられています。
  主人公は女性蒔絵師の「理野(りの」ですが、作家はこの架空の人物の目線で鈴木其一という巨匠の成長を見守っていながら、職人と画家の対峙は戦慄を覚えるほどです。

  おりしもNHKの大河ドラマ「天地人」も安土桃山時代を背景にして武将の気概を描いて好評のようですが、なんであんな男前の役者ばっかり登場するねん、史実と乖離しとるやないかい! と憤っていたら、秀吉はそれっっぽいし利休も違和感無し。じゃあ古田織部はといったら、大河ドラマを真剣に観てないので出てくるのやらどうやら……。

 「麗しき花実」も「へうげもの」もNHKの大河ドラマにするにはマニアックで地味かも知れませんが、もし放映されたらぼくは真剣に観ると思います。同じ理由で、名のある武将たちのサクセスストーリーに飽きてしまった御仁を満足させられるのは、歴女をターゲットにした甘ったるい男前俳優を濫用した浮薄な物語ではないでしょう。

 いかなるドラマでも、史実を軽んじてビジュアルに重きを置いたって、それに見合ったストーリー展開をすればいい。男前俳優を羅列したら実存感を損ない、ぼくみたいな男の観る気が失せてしまうからといって史実を重んじるのも間違いではない。しかしだれもそれを証明できないなら、思い切った映像を見せてもいいのではないですか。

 予言しておきたいけど「ひょうげもの」は大河ドラマに採用されるかもしれません。NHKにとっては大英断でしょうけど……。

バイクで九州の道を走るのは、トラベルじゃなくトラブルだった

2009年06月27日 | 釣り船とバイク
「ブログに新しいエントリーが無いということは、HALの奴バイクでついに逝ったか!? 享年はマイケル・ジャクソンさんと同じも、沈香も炊かず屁もひらず、夏炉冬扇にして冬虫夏草のごときHALの生き様に特筆すべきもの無し」

 昨日の日記をスルーしたので、大方の予想はそんなとこかな、と勘ぐっております。でもなんとか無事に帰り着けたました。これこそは今回お会いした方々よりの賜物と感謝しつつ、玄関をまたぐなり、敷居につまづいてこけたのは日ごろの不品行のなせる技でしょうか。擦り傷を作ってしまったのが、これまた右肘だったのも何かの低級霊が憑いていそうな、守護霊に守られたような……。
 
 お土産を買う余裕もなく、ひたすら走り続けた3泊4日の走行距離はおよそ1000キロ。時速50キロで走り続けたとして20時間ですが、九州の久留米市で迷いに迷ってしまいました。
 それで気がついたのは、九州の道はチマチマしていない、ということ。広い平野に真っ直ぐな道が続いているんです。誤って北海道に来たか? などとあり得ない疑問を自分に投げかけたのは、三日目の約束に1時間半も遅刻した言い訳でした。

佐賀関港にて。南国風の景観

 
 会う人毎に「高速を走ってきたの? 今の時期ならバイクは気持ちいいでしょうね」みたいなことをいわれますが、実はバイクは非常に暑いんです。屋根が無いので直射日光に焼かれ、停車すればアスファルトからの放射熱にも焼かれます。かといって走り始めたら、走行風による寒さで震えそうなひとときもあるからバイクは手ごわい。しかし今回の旅が梅雨の中休みにあったか、一滴の雨にもたたられず走れたのはついてました。

フェリー内にて。バイクは縛り付けられます

 
 旅の英語、トラベルの語源はトラブルだとか。走っているだけでトラぶっているような気持ちになる瞬間のあるバイクですが、しんどい旅であればあるほど出会う方々の人情が身に沁みるというもの。今回の旅も皆さんからご厚情をいただき、感謝しないではいられません。疲れたので今宵はこのへんで。

三瓶のアジは関アジに勝るとも劣らない。瓶鯵三昧

山口から福岡、関門トンネル怖かったぁ!

2009年06月25日 | 釣り船とバイク


 昨日の行程の半分くらいのはずなのに、今日のツーリングはうんと疲れました。すこぶる良い天気だったので気持ちの張りをやや欠いたのもあるか知れませんが、疲れを引きずっていたのは間違いないのでしょう。
 弛緩ついでに立ち寄った宇部市では何もせず、単に回り道したに過ぎないのに時間だけは過ぎていきます。約束の時間に間に合わなくなりそうだったので慌てたら、いつのまにやら関門トンネルに入っていました。 

 やばい! 関門トンネルに入る前に給油しようと思ったのに、こんなにすんなりいったらまずいのよ、などと料金所で慌てたのなんの。たかが20円出すのに冷や汗をかいたばかりかトンネル内の路肩は非常にせまく、もしガス欠でもしたら予備タンクに切り替える間に後続車に轢かれるのは必至だと思いました。
 でもこの日記を書きながら振り返ってみたら、ガス欠になる前に予備タンクに切り替えておきゃ良かったわけです……。

 関門トンネルを抜けたらすぐ門司で、お腹がすいたら市場で食おうと思っていたのに、門司は漁港じゃなかった! なんともおしゃれな町並みを歩いていると、そこかしこに「焼きカレー」の看板が。
 そういや菩提寺のご住職がこのカレーに言及してたな、と食ったんですが……。住職の書いているのは、親不知に物が挟まった日記であることを悟りました。

カレーに生卵を入れ、とろけるチーズをかけて焼く
 

 福岡に着いたのが6時。元いた会社の営業所に立ち寄ったんですが、このご時世にもかかわらず業績が良いらしく、明るい皆さんと再開の祝杯を挙げました。
 人は自分独りで生きているわけじゃなく、かつて属していた組織からも支えられているんでしょう。もしかしたら未だ見ぬ人、もっといえば嫌いな人からさえも支えられているのかもしれません。

もつ鍋の後は麺を投入。その後はご飯を!


 過酷な旅だけど、というか、わざわざ過酷な方法を選んだからこそ気付く、思いがけない啓示をいただいたようです。明日は別府方面、佐賀関からフェリーで佐田岬へ渡り、愛媛県は西予市を訪ねる予定です。今宵は深酒をしたのもあって疲れはピークに達してますが、そちらの再開もとても楽しみです。

九州の魚はデカイ! なんていう名の魚でしょう。

原付二種で10時間走行したら、人が変わります?

2009年06月24日 | 釣り船とバイク
 右の耳が突発性難聴、右の肩が五十肩、右手親指がロクロ指、右足の親指が通風発作、と見事に右半身にウィークポイントをかかえているぼくが、せめて右脳だけは健全であれかしと願いつつ、バイクで目ざすのは秋芳洞。
「右の痛いの痛いの、飛んでけ~」なんて厄除けに洞穴へ身代わり地蔵を投げ込んで……と願掛けをするわけじゃなく、右脳を患って左半身が不自由になった、秋芳洞近くに住む友人を見舞うためです。

 朝6時に家を出て大三島から本土へ渡り、ひたすら地道を走って陶芸道具屋さんに着いたのが8時過ぎ。ここに行かなくては下道を走る意味がありません。1時間近くもその店で油を売ってから、大和ミュージアム、てつのくじら館のある呉市へ。
 見に行きたい、大和も潜水艦も非常に見たいけど、そんな時間は到底ありません。指をくわえて広島市内へ入ったのが10時半。渋滞はしているけど路肩に余裕があるので車の間をすり抜けるのが楽勝です。

 あ、そうか、原爆が落とされて街が灰塵に帰したから道路が広いのか。そういえば100メートル道路なんてのがあったよな。
 修学旅行で広島を訪れたいにしえを思い出し、どっちにあるのか分からない原爆ドームに胸の内で手を合わせ、岩国の錦帯橋もすっ飛ばし、といいたいところだけど、ちょうどお昼になったので錦帯橋の橋げたでおにぎりを食べました。

「津和野回りの道は信号が無くて快適ですよ」
 天の声と思いきや、錦帯橋のたもとで観光案内をしていたおじさんが、昨夜のぼくのシミュレーションが水の泡になる進言をしてくれるじゃないですか。
 見ず知らずの男に尋ねられもしない道案内をしてくれるなんて、日本も捨てたもんじゃないぞ。ぼくはおじさんの心意気に賭けてみることにしました。

 果たして信号も交通量も少ない快適な道ではあったんですが、進むつれて回りの車が島根ナンバーに……。しかも川の流れが日本海側に変わり、ここはどこ? 私は……と不安になったころ城下町の津和野に出ました。
 お尻は痛くなるし腕は握力を失うわで休憩する頻度が上がり、道は良いけど2号線を走る方が楽だったのでは? と錦帯橋のおじさんを恨みはじめたころ、ようやく10時間の旅に終止符が打たれました。

 7年ぶりくらいで再開した彼、慰める言葉も思い浮かばないほど変わり果てた姿は正視できないほどでしたが、車椅子を押してレストランで食事しながら旧交を温めました。

 今夜は湯田温泉のスーパーホテル。彼からのねぎらいのメールを読みながら、次はいつ会えるのか、もしかしたら……。
 明日の福岡行きをシミュレートしてみましたが、かなり余裕がありそう、といって彼にもう一度会うには、まだぼく自身の心構えが出来ていない、辛すぎる。チェックアウトぎりぎりまで眠りこけたい。

バイクには何を積むかじゃなく、何を積まないか

2009年06月23日 | 釣り船とバイク
 バイクなら小回りは利くし駐車場に苦労しないし、燃費も優れていて通行料金も車に比べたら安い。なんて経済的なんだ、とはいうものの、適当に荷物を積み込める四輪とちがってバイクは非常に勝手が悪い。何を積むかというより、何を積まないかで頭を悩ませます。
 
 明朝から出発して、できることなら陶芸の里を訪ね歩きたいところですけど、相手が待ってくれている旅なら寄り道は限られます。どこへ行くかというより、どこへ行かないかで泣く泣く予定をカットしてみて、なんだ、こんなことならフェリーで下関まで行けば良いんじゃないか、と気がついたのはついさっきのこと。
 
 地図を買って下道を調べても道がわかりにくく、グーグルマップを印刷して蛍光ペンで印をするのに、30分経ったらすっかり忘れてしまってまたおさらいをして……。と、ここまでやったからには、もう後には引き返せません。明日、明後日、明々後日が雨でないことを祈りながら、遠足の前の日の眠りにつくとしましょう。

原付バイクで中国・九州めぐり

2009年06月22日 | 釣り船とバイク


 原付二種=125ccのバイクで、今治→山口県美祢市→福岡市→別府市→フェリーで八幡浜市→今治市と、中国・九州・四国を一周できないか思案してます。順番は逆にしても不都合はなさそう、というか逆にした方がいいのかもしれませんが、どちらにしても厳しい旅には違いないさそうです。
 
 今月中に決行しようかと考えていたけど、天候があまりにも不安定。今夜など暴風雨じゃないですか。日照続きだったのでこの慈雨はありがたいんですが、バイク乗りにとってはサファリパークに一人放り出されるような不安、というか死ぬぞ!
 
 だいたい、何もかも一緒くたの抱き合わせにして解決できんか、と考える合理主義といえば聞こえの良い、単にケチな性格が災いしての苦吟なので、自らで解決する以外に誰に頼るわけにもいきません。
 早い話が四輪を転がせば済むこと。でもせっかく二輪があるのに、という発想が煩悩の根源となって涅槃を遠くしているんです。まあ、煩悩あれば菩提ありといわれるように、何かしら新しい発想が出て来やせんかなと、危うきに近寄ってます。

「そばもん」に教わる、のびを恐れない勇気

2009年06月21日 | 酒、食
 今回のビッグコミック「そばもん」にはびっくり。いやもう目からウロコの「煮え前は恥」でした。乾麺は指示された時間の1,5倍長くゆでなさいとのこと。
 そばってゆでるとすぐにのびてしまうので、たいていのそば屋はのびを遅らせるため、つなぎの粉に準強力粉を使います。うどんは中力粉、パンは強力粉、その中間の性質を持つのがピザ用の準強力粉で、くっつく力はうどんより強く、それだけゆで時間が長くなります。
 
 趣味でそばを打っていると、のびていやな思いをした記憶が邪魔をするのか、どうしてもゆで時間を短くしてしまいがち。かけそばと盛りそばでは、ゆでる時間も変えなくてはいけない。せっかく上手く打てたそばでも最後のところで間違えたら台無し。ゆでは結構むつかしいんです。だから人にそばをあげるときは良く説明しないといけないのに、ぼくは今まで短めの時間を指示していたことになります。
 
 うどんはアルデンテにゆでたくなりますが、そばはそれじゃだめなんですね。ぼくも今はつなぎに準強力粉を使いますから、中力粉を使っていたときの2倍の時間、つまり再沸騰してから2分がちょうど良いくらいでしょうか。長めにゆでて、のびるのを恐れない勇気を「そばもん」から教わりました。

電話アンケートに答えてあげるから、人間がかけて来いって

2009年06月20日 | 社会
 いつだったか、「最近の政治情勢について」みたいな電話アンケートがかかってきて「間に合ってます」と断ろうとしたら、コンピューターがしゃべってるじゃないですか。「無礼にもほどがあろう!」と居丈高な物言いができるのも相手が機械ならでは。ぶつぶつ文句を言いながら相手にしてやってるのかしてもらってるのか、とにかく最後までプッシュボタンを押して答えてあげましたが、驚いたのはその最後の質問でした。
 
「○○衆議院議員と☆☆さんのどちらに投票しますか?」
 ☆☆さんはポスターを見る限りでは美人候補ですが、最近の写真技術は素人でも高度な修整ができますからね。一方、○○衆議院さんの方はイベントなんかで良く見かけますが、恰幅が良くて声も大きく押し出しの利く見事な紳士です。どちらに入れますかと聞かれたら、そりゃもう美人に決まってるじゃないですか。
 
 選挙が近くなったのか、ついに○○さんがうちの島にも講演やってこられました。サクラで駆り出された人によると会場は非常に閑散としていて、「ありゃ今度の選挙で落ちるね」
 イベントに祝儀と顔を出して祝辞やらを述べるのは顔と名前が売れるとしても、「なんであんたがしゃべるの?」みたいに、場違いなところに顔を出したら逆効果でしょうに。
 もしかして電話アンケートは危機感を抱いた○○さん側のだったかわかりませんが、人間が電話してくるなら何で評判が悪いか教えてあげるのに。演説で判断する限りでは○○さんはアウト! 中身のある話をしたほうがいいねって。

漁師見習いの初日は

2009年06月19日 | 酒、食
 夜なべをして10本の針に糸をつなぐのがやっとだった漁師見習いのぼくの今朝は4時起きでした。親方の船に乗せてもらって港を出たのが5時。戻ったのが8時半だったので、釣っていたのは2時間半ほどだったんですが、そのうちの半分の時間は釣り糸が絡まっていたぼくですから、実際に釣っていたのは1時間程度でしょうか。
 
 で、ぼくの釣果は写真の「ひょこたん」一尾のみ。親方は2本の糸を駆使し、しかも操船しながらいろんな魚を十数尾釣ったでしょうか。港に着いたら全部ぼくにくれました。早い話がぼくの漁師修行の初日に露払いをしてくれたってことなんでしょう。初日からいきなり長時間の釣りで船酔いしてゲロでも吐かせた日にゃかわいそうじゃわい、という配慮なら、燃料代にもならない釣果では申し訳ないことしきりです。
 
 通称「ひょこたん=イソベラ」っていう魚は、もともと瀬戸内海ではあまり釣れなかった魚。メバルとか他に釣りたい魚がいるのに、最近じゃこの外道ばっかりが釣れて困ります。けっして不味いわけじゃないんですが、市場にはまず並ばないし、並べてもだれも買わないでしょう。九州辺りでは昔から良く釣れたといいますから、どちらかというと熱帯魚に近いのかもしれません。

 マテ貝、イソベラ、珊瑚といった生き物が瀬戸内海に根を下ろし始めたのはいつごろからでしょうか。沖縄の海に珊瑚を植える運動がありますが、瀬戸内海から珊瑚を駆除する運動もあるんですよ。でも漁師初日のぼくは亜熱帯のイソベラだろうがなんだろうが、坊主でなかったことが吉。難しい話はこれから先おいおい考えていきたいと思ってます。